僕が恋したのはセミでした?

ノベルバユーザー173668

セミちゃんの余命

 僕は、セミちゃんに会いに行くのが日常になっていた。ある冬の日の朝、僕は、たまたま休みだったので朝から、セミちゃんに会いに行くことにした。病室の扉を取ったとき、中から話し声が聞こえた。
「お姉ちゃん。この病院を出るよ。」
病院を出る?僕は、驚いた。呼び方からするに、どうやらセミちゃんの妹らしい。
「もう。大丈夫だわ。優花。私はこの病院を最後にしようと思うの。」
すると、セミちゃんの妹の怒鳴り声が聞こえた。
「お姉ちゃん。まさか諦めると言うの?今まで頑張ってきたのに、そんなことしたら、許さないそしたら、私もお姉ちゃんと一緒に死ぬわ。」
セミちゃんは、
「そんな簡単に死ぬとか言ったら駄目だよ。わたし、とても悲しい。」
セミちゃんの妹は、
「とりあえずこの病院出るからね。私が新しい病院を探しておくから!お姉ちゃんが何を言っても私は聞かない。」
セミちゃんは、
「優花…」
と言うと、セミちゃんの妹は、続けて怒鳴る。
「そもそも、この病院はお姉ちゃんを裏切った。もう治る見込みがないっていって、治療をやめた。あのカウンセラーの男もそう、いくら、綺麗事を言ってもお姉ちゃんのことを治せやしない。もう、こんな病院にいる価値がない!」
僕は、気が遠くなっていた。セミちゃんはもう治る見込みがない…?すると、セミちゃんの妹が、出てきた。
「なんで、あなたがいるの?これ以上お姉ちゃんに近づくのはやめて!お姉ちゃんを守れるのは私だけだから!!」
と言い立ち去っていった。僕は、否定することができなかった。彼女の言うとおりだからだ。僕には彼女の病気を治すことができない。無力な人間だ。すると、セミちゃんは、僕に
「嫌な所見られちゃったね。」
と言った。僕は、
「ごめん。」
と言った。セミちゃんは、
「いいの。謝らないで。」
と言った。そして、
「優花が、あなたのことや病院を悪くいって、本当にごめんなさい。でも悪い子じゃないの。許してもらえない。」
と続けていった。僕は、セミちゃんの妹がお姉さん思いのいい人だということは痛いほど分かっていた。
「うん。大丈夫。何となくだけど分かる。」
セミちゃんは、そして、自分の病気について、話始めた。
「私は生まれたときから、肺に原因不明の腫瘍があったの。医師からは今の医療では治せないと言われたの。いわゆる不治の病ってやつね。そのあと、私は色々な病院を巡ったの。家族が治るということを信じて。そして、日本で最後の砦であるこの病院でも言われたわ。もう治る見込みがないって。そしたら、家族が、アメリカの病院に行こうと言いだしたの。家族が私のために頑張ってくれていることも分かる。でも、私の体だから、もう、これ以上何をやったて、駄目だって分かっているの。」
僕は、
「そうか。」
と言うことしかできなかった。セミちゃんは、
「私の余命 は、残り6ヶ月ちょっとなの。」
と言った。僕は、今が1月がだから、8月くらいか…と思った。そして、セミちゃんは大きな声でこう言った。
「お願い!先生私を外の世界に連れていって!」
と言った。僕は驚いた。セミちゃんは、
「お願い、死ぬまでに一緒に外の世界を見てみたいの。」
と言った。カウンセラーとして、ここは、病気と頑張って戦ってくれということが普通だろう。しかし、僕は、そうは言えなかった。それもただの綺麗事にすぎないからだ。僕は、
「明日まで、待ってくれ。」
と言った。セミちゃんは、
「うん。」
と言った。


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