いつかこの告白があなたに届きますように。
11.曲がり角
その日の夜、私は夢を見た。
私は川沿いの道を走っていて、曲がり角の少し前に着くと息を整える為、足を止める。
やっと会える。
そんな気持ちが溢れている。
息を整え終わると、一歩踏み出し曲がり角を曲がる。
するとそこにはとても長い階段があって、その下、目の前にまた顔の見えない中学の制服を着た男子が立っていた。
あなたは誰なの。
誰かは分からない。
だけど何故かその人の隣は暖かく、隣にいるだけで幸せで、落ち着く気がした。
私はその人にお待たせと言い、笑いかける。
そして私達は、136段の階段を登っていく。
何故か私には、この階段の段数が136段だという確信があった。
私はこの人が好き。
そんな気持ちで一杯だった。
階段を登っていると、その人は私に1冊の本をスクールバッグから取り出した。
寝る前に本を読んだからだろうか。
寝る前に読んだ本の2巻目をその人に手渡された。
そして、その人は口を開く。
「貸してくれてありがとな。続きもし持っているなら読みたいからまた貸してくれない?」
「うん!家にあるから、今度持ってくるね。」
「楽しみにしてる。宮野が貸してくれたこの小説、本当に良いよな!今まで小説とか本って読み終わったことなかったのに読み終えたの初めてでびっくりした。」
「それなら良かったよ。」
その言葉を言い終えた時、丁度階段を登り終えて道に出た。
私の胸がギュッとなる。
言いたくないけど、言わなければと何を言うのかすら分からないまま私の口は勝手に動き出した。
「ここからは先に行って。誰かに見られたらまずいから。私は時間空けてたら行くから。じゃあ、…ばいばい。またね…?」
二人の秘密の時間が終わるのだと感じた。
ここから先は一緒にいてはならない。
「っ、俺は…宮野のとなら、俺は別に誰かに見られてもいい。」
「…。私が嫌なの。だからお願い、先に行って…。」
歩いて行ってしまう背中を見て私は切ない気持ちになった。
「…私だって○○となら見られたっていい。だけど、この事がバレたら○○が…。やっぱり、私は…。」
私は○○が好き。
この思いを決して伝えてはならない。
彼女達にバレる前に会わないようにしないといけない。
早くやめなければ○○に迷惑をかけてしまう。
だけど、もう少しだけ。
どうか、もう少しだけ。
次で最後にしますから、どうか…まだ、ばれないで。
と、私は心の中で強く願っていた。
朝、スマホのアラームの音で目を覚ますと顔を洗う為に洗面台へと向かった。
その時だった。
洗面台の鏡に映る私は、涙で溢れ流していた。
私は何故泣いているのだろう。
…ただの夢なはずなのに。
夢を思い出そうとするほど涙が溢れて仕方がなかった。
あの夢は私に懐かしく、暖かかった。
だけど、それ以上に悲しい思いにさせたのだった。
私は川沿いの道を走っていて、曲がり角の少し前に着くと息を整える為、足を止める。
やっと会える。
そんな気持ちが溢れている。
息を整え終わると、一歩踏み出し曲がり角を曲がる。
するとそこにはとても長い階段があって、その下、目の前にまた顔の見えない中学の制服を着た男子が立っていた。
あなたは誰なの。
誰かは分からない。
だけど何故かその人の隣は暖かく、隣にいるだけで幸せで、落ち着く気がした。
私はその人にお待たせと言い、笑いかける。
そして私達は、136段の階段を登っていく。
何故か私には、この階段の段数が136段だという確信があった。
私はこの人が好き。
そんな気持ちで一杯だった。
階段を登っていると、その人は私に1冊の本をスクールバッグから取り出した。
寝る前に本を読んだからだろうか。
寝る前に読んだ本の2巻目をその人に手渡された。
そして、その人は口を開く。
「貸してくれてありがとな。続きもし持っているなら読みたいからまた貸してくれない?」
「うん!家にあるから、今度持ってくるね。」
「楽しみにしてる。宮野が貸してくれたこの小説、本当に良いよな!今まで小説とか本って読み終わったことなかったのに読み終えたの初めてでびっくりした。」
「それなら良かったよ。」
その言葉を言い終えた時、丁度階段を登り終えて道に出た。
私の胸がギュッとなる。
言いたくないけど、言わなければと何を言うのかすら分からないまま私の口は勝手に動き出した。
「ここからは先に行って。誰かに見られたらまずいから。私は時間空けてたら行くから。じゃあ、…ばいばい。またね…?」
二人の秘密の時間が終わるのだと感じた。
ここから先は一緒にいてはならない。
「っ、俺は…宮野のとなら、俺は別に誰かに見られてもいい。」
「…。私が嫌なの。だからお願い、先に行って…。」
歩いて行ってしまう背中を見て私は切ない気持ちになった。
「…私だって○○となら見られたっていい。だけど、この事がバレたら○○が…。やっぱり、私は…。」
私は○○が好き。
この思いを決して伝えてはならない。
彼女達にバレる前に会わないようにしないといけない。
早くやめなければ○○に迷惑をかけてしまう。
だけど、もう少しだけ。
どうか、もう少しだけ。
次で最後にしますから、どうか…まだ、ばれないで。
と、私は心の中で強く願っていた。
朝、スマホのアラームの音で目を覚ますと顔を洗う為に洗面台へと向かった。
その時だった。
洗面台の鏡に映る私は、涙で溢れ流していた。
私は何故泣いているのだろう。
…ただの夢なはずなのに。
夢を思い出そうとするほど涙が溢れて仕方がなかった。
あの夢は私に懐かしく、暖かかった。
だけど、それ以上に悲しい思いにさせたのだった。
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