僕らの恋愛ジェラシー

雪村 ましろ

ナンパ4

「桜ーっ!」
叶乃は凄いスピードで走る。
…浴衣を崩しながら。

「桜、行こっ!」
「ぁ…叶乃ちゃぁんっ」

どうやら泣いてるらしい。
声も肩も震えている。

てめぇら…絶対ゆるさねぇからなっ、死んで償いやがれこのブス共がっ!
…と心の中で叫びながら、面上ではにこやかにしていた。

ここで爆発したらダメだ。
だけど誰もいないとこで殴るくらいなら…いいよね?

「あ、この子連れなんで、失礼します。」
「ちょっと待ってよー、俺らとまわらない?奢っちゃうよぉ?」

…気持ち悪い。

なんで男ってこうなんだろう。
これは私が恋愛できない理由の一つでもあるのだか、そもそも男が嫌いだった。

けして、全ての男が悪いわけじゃない。
むしろ女の方がよっぽどずる賢い所もあるし、苦手な人も多い。
けど、この人達みたいに女を道具としか見ていない人がいるのも事実。

汚い…汚い汚い汚い汚い汚いっ…!
「叶乃ちゃん?」
「…っ!…ごめん、ちょっとぼーっとしてた…」

まずいな…。
吉貴は鼻血を出しながら義絶、生斗は吉貴をささえてるし、悠は…ダメだ空気が読めないと話が続かない。

この状況を打破するにはもうコレしか…
色仕掛けしかないっ!

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