僕らの恋愛ジェラシー

雪村 ましろ

悠の企み。


せっかく頑張ったのに!
めっちゃ緊張して、手も震えてるし。
なのに…叶乃は皆で行こうだなんて。
…嘘だろ?


あの日、悠との帰り道で少し気まずくなったかと心配になり、テンション高めにツッコンだところ…
「ってか、今1月だぞ!?夏祭りの話するには早くないか?」
 「なに言っとんの?もう1月やで。」
「もうって、あと7ヶ月後じゃねぇーか!」
夏までこんだけ時間あると、改めて真冬の寒さを思い知る。
「これやから、ガリ勉君はダメやわー」
「は!?ガリ勉じゃねぇしっ」


悠は何か企んでいるのだろうか?
いや、企んでいる。
悠が、『僕、何も知らないよー? 』って感じの無邪気な笑顔をするときは大抵何か企んでいる。
一体何を?
何か起こる前に、見抜けオレーっ!

「叶乃はどこぞの男からかなりの人気あるやん?」
「お、おぅ…」
俺は悠に警戒しつつ返事する…が。
「だから、早めに誘うんだよ、吉貴が」
…ん?んん!?

「お、俺がぁ!?んなの断られるに決まってるじゃないか!」
ごめん、吉貴とはちょっと…ってなるよ!
「あははー、吉貴君ならいけるよー」
「なんだ、その適当な慰めは!?」

なんだかんだで悠のペースに乗せられて、誘うことになったんだよなー。
まぁ、皆でとかいわるちゃったんだけど…

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