異世界でスペックをフル活用してみます!とりあえずお医者さん始めました!
美しい人
「あなたの名前は"    シグレ     "」
「了解した、お嬢さん。」
彼がそう言って微笑んだ瞬間、
ボンッ
一瞬何かが爆発するような音がして、彼が白煙に包まれる。
「えっ!?!?」
が、驚いたのも束の間、彼はすぐに現れた。
だが……
「………うえっ!?!?!?」
私はこの世界に来て、また変な声をあげてしまった。
それというのも再び現れた彼はさっきの姿から一変していたのだ。
真っ暗でまるで烏の濡れ羽を思い出させるような漆黒の髪。先程の薄い翠の要素など微塵も感じない。さらに驚くことに彼の目はまるでルビーが嵌め込まれたかのような、美しく、紅い瞳。燃えているようにも見え、透き通っているようにも見える。
翠の彼だった時とは大幅に印象が違って見えた。
まるで春の穏やかさを感じさせていた彼から、冬の冷たさを感じるような鋭さが思われた。
私を優しく見つめていた瞳は今は赤々と燃えていてまるで何を考えているのかわからない。
だが、彼はこんなにも様変わりしたというのにそれがひどく似合っていた。
もともと彼の容姿がいいのもあるだろうが、それでもこの姿は彼をさらに魅力的に見えさせた。
美しいだけでなく、少しの怖さのようなものも感じさせる。まさにそんな感じだ。
私はしばらく彼に魅入ってぼうっとしてしまったが。
「おーーーい、お嬢さんーー?」
という、彼の不思議そうな顔が目の前に迫り、我に返る。
「はっ!!!ごめんなさい、びっくりしてしてしまって…」
「あぁ、これのことかい?まぁ、誰だってびっくりするよな。」
「でもどうして姿が…」
「あぁ、言ってなかったな。癒し手は救い手と契約を結ぶと救い手と同じような髪色と瞳に変わるのさ」
そういって彼は私に似合ってるかい?などと少し恥ずかしそうに笑って見せた。
こうやって笑顔を見ると、先程感じた冷たさや怖さは全くなく、翠の時と同じような穏やかさがやはりあった。もともと持つ彼の魅力にさらに違う魅力が足されたのだと私は気づいた。そして彼の気質がなせる技なのだろうかと私は少し感心してしまった。
が、しかし、1つここである疑問が浮かぶ。
「さっき、癒し手は救い手と契約すると髪色と瞳が救い手と同じになると言っていたけれど、私の目は紅くないわよ?」
そうなのだ。私は純日本人。あそこまで綺麗ではないが同じ黒の髪はともかく、目はやはり黒に近い色。日本人にも多少明るい茶色のような人もいるが、紅という異色はいるはずもない。
外人ですら青くらいしか見たことがない。
そう思ったのだが…
「あぁ、そうか。君はまだ自分の姿を見てないんだな。」
そう言うと、彼はパチンと指を鳴らす。するとと目の前にもやのようなものが現れ、そこに1人の若い女性の姿が見えた。
背は高くもなく低くもない。引き締まった体につく、ハリの良さそうなバストに、きゅっとくびれたお腹、引き締まったお尻。私と同じ白衣を着ており、細くしなやかな足が覗いている。
髪は彼と同じように烏の濡れ羽色の漆黒。背中まで届くそれはサラサラとしていかにも触り心地が良さそうだ。
白く透き通った肌はまるで陶器のよう。
なのに頬は少し朱色にそまって血色がいい。
艶々として形の良い唇。スッとして高い鼻筋。
そして…やはり彼と同じ、ルビーのような紅い瞳だった。
女性はまるで生きた人形のように美しく、目が離せない。
「すごく綺麗な人……」
そう呟くことしか出来ない。
「おーーーーい、お嬢さん?」
またしても彼の不思議そうな顔が目の前に迫る。
「はっ!!ごめんなさい、またぼーっとしてたわ」
「いいさいいさ、驚くのも無理はない。なんでも長老が長好みの素晴らしい美人に君を仕上げたそうだからなぁ」
「ん?なんの話?」
「ん?いや、だから君の話しさ」
「ん?私の話?いや、私はさっきの女の人が誰なのかを聞いてて」
「ん?だからあれは君さ」
「ん?」
「ん?なにかおかしいこといったかい?」
えーーっとつまり…
「私ってこっちに来て姿変わった…の?」
「あぁ、そうさ」
あっさり彼は頷いた。
「了解した、お嬢さん。」
彼がそう言って微笑んだ瞬間、
ボンッ
一瞬何かが爆発するような音がして、彼が白煙に包まれる。
「えっ!?!?」
が、驚いたのも束の間、彼はすぐに現れた。
だが……
「………うえっ!?!?!?」
私はこの世界に来て、また変な声をあげてしまった。
それというのも再び現れた彼はさっきの姿から一変していたのだ。
真っ暗でまるで烏の濡れ羽を思い出させるような漆黒の髪。先程の薄い翠の要素など微塵も感じない。さらに驚くことに彼の目はまるでルビーが嵌め込まれたかのような、美しく、紅い瞳。燃えているようにも見え、透き通っているようにも見える。
翠の彼だった時とは大幅に印象が違って見えた。
まるで春の穏やかさを感じさせていた彼から、冬の冷たさを感じるような鋭さが思われた。
私を優しく見つめていた瞳は今は赤々と燃えていてまるで何を考えているのかわからない。
だが、彼はこんなにも様変わりしたというのにそれがひどく似合っていた。
もともと彼の容姿がいいのもあるだろうが、それでもこの姿は彼をさらに魅力的に見えさせた。
美しいだけでなく、少しの怖さのようなものも感じさせる。まさにそんな感じだ。
私はしばらく彼に魅入ってぼうっとしてしまったが。
「おーーーい、お嬢さんーー?」
という、彼の不思議そうな顔が目の前に迫り、我に返る。
「はっ!!!ごめんなさい、びっくりしてしてしまって…」
「あぁ、これのことかい?まぁ、誰だってびっくりするよな。」
「でもどうして姿が…」
「あぁ、言ってなかったな。癒し手は救い手と契約を結ぶと救い手と同じような髪色と瞳に変わるのさ」
そういって彼は私に似合ってるかい?などと少し恥ずかしそうに笑って見せた。
こうやって笑顔を見ると、先程感じた冷たさや怖さは全くなく、翠の時と同じような穏やかさがやはりあった。もともと持つ彼の魅力にさらに違う魅力が足されたのだと私は気づいた。そして彼の気質がなせる技なのだろうかと私は少し感心してしまった。
が、しかし、1つここである疑問が浮かぶ。
「さっき、癒し手は救い手と契約すると髪色と瞳が救い手と同じになると言っていたけれど、私の目は紅くないわよ?」
そうなのだ。私は純日本人。あそこまで綺麗ではないが同じ黒の髪はともかく、目はやはり黒に近い色。日本人にも多少明るい茶色のような人もいるが、紅という異色はいるはずもない。
外人ですら青くらいしか見たことがない。
そう思ったのだが…
「あぁ、そうか。君はまだ自分の姿を見てないんだな。」
そう言うと、彼はパチンと指を鳴らす。するとと目の前にもやのようなものが現れ、そこに1人の若い女性の姿が見えた。
背は高くもなく低くもない。引き締まった体につく、ハリの良さそうなバストに、きゅっとくびれたお腹、引き締まったお尻。私と同じ白衣を着ており、細くしなやかな足が覗いている。
髪は彼と同じように烏の濡れ羽色の漆黒。背中まで届くそれはサラサラとしていかにも触り心地が良さそうだ。
白く透き通った肌はまるで陶器のよう。
なのに頬は少し朱色にそまって血色がいい。
艶々として形の良い唇。スッとして高い鼻筋。
そして…やはり彼と同じ、ルビーのような紅い瞳だった。
女性はまるで生きた人形のように美しく、目が離せない。
「すごく綺麗な人……」
そう呟くことしか出来ない。
「おーーーーい、お嬢さん?」
またしても彼の不思議そうな顔が目の前に迫る。
「はっ!!ごめんなさい、またぼーっとしてたわ」
「いいさいいさ、驚くのも無理はない。なんでも長老が長好みの素晴らしい美人に君を仕上げたそうだからなぁ」
「ん?なんの話?」
「ん?いや、だから君の話しさ」
「ん?私の話?いや、私はさっきの女の人が誰なのかを聞いてて」
「ん?だからあれは君さ」
「ん?」
「ん?なにかおかしいこといったかい?」
えーーっとつまり…
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「あぁ、そうさ」
あっさり彼は頷いた。
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