噂の殺戮者に出会ったので死刑執行しますby死神
32 知床の結末
迫り来る魔物を錬金術師が罠にはめ、死神が殺していく。彼等にとってもはや作業とかしたこの防衛戦もそろそろ終盤に差し掛かっている。壱月はこの二日間【死雨】を振り続け、そのかいあって今ではほぼ確実に使いこなせている。この調子なら【死神剣術式・牙突】もすぐに撃てるようになるだろう。
「壱月君、これで最後ですよ!」
錬金術師、峰影は最後の魔物達に錬金術を行使し、束縛または落とし穴を作りそこに落としていく。
「ハァァァァアアアア!」
裂帛の気合いと共に、次々と魔物を殺していき、最後の一匹にとどめを刺す。
「終わりましたね」
「ああ、終わったな」
なんと、巴音が地脈の神秘を殺しきる前に、二人は中心部周囲の魔物を掃討してしまったのだ。
あとは巴音の仕事が終わるまで、警戒を続けるだけだろう。
ちなみに今は午後6時半なので、予定時間まで後もう少しだ。
そしてどうやら二人は残りの時間を雑談して潰すことにしたようだ。
「なあ、峰影。」
「なんですか?壱月君」
「峰影はこれからどうするんだ?」
そんなことを峰影に問う壱月。
壱月は知床が平和になった後の峰影の身の振り方が気になっているようだ。
「僕は知床でこれからも錬金術を研究するつもりだよ」
「そうか…」
ちょっぴり残念そうな壱月。
「あんたとは、うまくやっていけそうな気がしてたんだけどな」
どうやら壱月は峰影を仲間に引き入れたかったらしい。
「僕もそう思っていたよ。でも―――」
「でも?」
峰影は仲間になれない理由を話す。
「でも僕はもう殺戮者の共犯者だからね」
「…!!」
「壱月君に裁かれることはあっても、仲間になることはないよ」
「き…共犯者!?」
壱月は驚き、聞き返す。だが返ってくる言葉は変わらない。
「そう共犯者。罪状は多分神殺しの罪、とかだろうね」
「神殺しだと!!」
さらに驚愕する、壱月。そしてその反応を面白がりながら、返す峰影。
「ハハッ彼の依頼で神格を持ったインゴットを作ったからね、それで今頃神様でも殺してるんじゃないかな」
「そ…そんなことが…」
まあ、一つ訂正するなら今頃ではなくもう殺しているのだが…山奥にいる二人は当然知らない。
「そんなことよりも壱月君、3時間程前に突然「巴音!」って呼び捨てで叫んでいたけど、何があったんだい?」
「へ?…ああ、あれは…峰影側からじゃ見えなかったかも知れないが、巴音さんが危険にさらされそうになる緊急事態が起きてて…」
「なるほどね。で、どんな緊急事態だったんだい?」
「鳥型の魔物が、猿型を抱えて飛んできて、そのまま巴音さんのところに落とそうとしてたんだよ…それで…」
「それでつい叫んじゃったわけか」
「ああ…」
峰影はこの上なくニヤニヤしている。
(仲良きこと美しきかな、ですね。いつ恋仲になることやら)
そんなこんなで30分たち、予定時間の午後7時に巴音からの通信が入った。
「お疲れ様です。こちらは予定通り、北海道の地脈に存在している神秘を殺し終えました」
「お疲れ様~」
「お疲れ様、それじゃあ一旦工房に戻ろうか」
「了解~」
三人は雪が猛威を振るう前の静かな山を降り、工房に戻るため歩き出すのだった。
「壱月君、これで最後ですよ!」
錬金術師、峰影は最後の魔物達に錬金術を行使し、束縛または落とし穴を作りそこに落としていく。
「ハァァァァアアアア!」
裂帛の気合いと共に、次々と魔物を殺していき、最後の一匹にとどめを刺す。
「終わりましたね」
「ああ、終わったな」
なんと、巴音が地脈の神秘を殺しきる前に、二人は中心部周囲の魔物を掃討してしまったのだ。
あとは巴音の仕事が終わるまで、警戒を続けるだけだろう。
ちなみに今は午後6時半なので、予定時間まで後もう少しだ。
そしてどうやら二人は残りの時間を雑談して潰すことにしたようだ。
「なあ、峰影。」
「なんですか?壱月君」
「峰影はこれからどうするんだ?」
そんなことを峰影に問う壱月。
壱月は知床が平和になった後の峰影の身の振り方が気になっているようだ。
「僕は知床でこれからも錬金術を研究するつもりだよ」
「そうか…」
ちょっぴり残念そうな壱月。
「あんたとは、うまくやっていけそうな気がしてたんだけどな」
どうやら壱月は峰影を仲間に引き入れたかったらしい。
「僕もそう思っていたよ。でも―――」
「でも?」
峰影は仲間になれない理由を話す。
「でも僕はもう殺戮者の共犯者だからね」
「…!!」
「壱月君に裁かれることはあっても、仲間になることはないよ」
「き…共犯者!?」
壱月は驚き、聞き返す。だが返ってくる言葉は変わらない。
「そう共犯者。罪状は多分神殺しの罪、とかだろうね」
「神殺しだと!!」
さらに驚愕する、壱月。そしてその反応を面白がりながら、返す峰影。
「ハハッ彼の依頼で神格を持ったインゴットを作ったからね、それで今頃神様でも殺してるんじゃないかな」
「そ…そんなことが…」
まあ、一つ訂正するなら今頃ではなくもう殺しているのだが…山奥にいる二人は当然知らない。
「そんなことよりも壱月君、3時間程前に突然「巴音!」って呼び捨てで叫んでいたけど、何があったんだい?」
「へ?…ああ、あれは…峰影側からじゃ見えなかったかも知れないが、巴音さんが危険にさらされそうになる緊急事態が起きてて…」
「なるほどね。で、どんな緊急事態だったんだい?」
「鳥型の魔物が、猿型を抱えて飛んできて、そのまま巴音さんのところに落とそうとしてたんだよ…それで…」
「それでつい叫んじゃったわけか」
「ああ…」
峰影はこの上なくニヤニヤしている。
(仲良きこと美しきかな、ですね。いつ恋仲になることやら)
そんなこんなで30分たち、予定時間の午後7時に巴音からの通信が入った。
「お疲れ様です。こちらは予定通り、北海道の地脈に存在している神秘を殺し終えました」
「お疲れ様~」
「お疲れ様、それじゃあ一旦工房に戻ろうか」
「了解~」
三人は雪が猛威を振るう前の静かな山を降り、工房に戻るため歩き出すのだった。
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