噂の殺戮者に出会ったので死刑執行しますby死神

鬼崎

23 キャンプ

アニメ「ゆ○キャン」に影響されて書いた、つまんない話です。飛ばしても問題ないと思います。


 バイクに乗って知床半島を目指した壱月達は約9時間後無事につくことができた。普通なら6時間程度で行けるのに、こんなにも時間がかかったのは道中、またも壱月の旅行気分が炸裂し、かなり寄り道していたせいだが、巴音のおかげで長居せずにすんだらしい。

 そのせいで巴音はかなり疲れているようだ。壱月はピンピンしているが…

 そんなわけで今二人は、夜に向けてテントを設営中だ。壱月はテントを立てるのは初めてなので、何度か経験のある巴音に教えを請うている状態だ。もちろん壱月は巴音を椅子に座らせて指示を聞いて二人分たてる。それくらいはやってもらわないと、巴音の疲労が限界を超えるだろう。

「まずはペグを刺してっと…ん?」

 冬の北海道の地面は硬いのでなかなかペグが刺さらないようだが、最終的には力業だ…

「次にメインポールをインナーテントのスリーブに差し込んで下さい」
「こうか?」
「それであってます。そして中央のフックをかけて下さい」
「できたぞ」

 どうやら二人のテントは一般的なドーム型テントのようだ。

「そしたらポールを差し込み器具に取り付け、フックをかけて下さい」
「わかった」
「Oリングをペグで固定して下さい」
「こうだな」

 テントの設営は着々と進んでいる。

「次にフライ裏側のポケットにセンターポールを入れて、ストラップを結んで下さい」
「できた」
「それからフライをテント本体に被せて、フックをOリングに掛けてください」
「……ここをこうして…できた」
「最後にフライ裏側のストラップをメインポールに結び、ゴムリングをペグで固定したら完成です」

 そして巴音の説明どうりに組み立て、壱月はテントを完成させた。

「テント設営完了!ありがとな、巴音さん」
「これくらい大したことないですよ。それより「さん」をやめて呼び捨てにしていただけませんか?」
「それは難しい相談だな…」

 壱月は二つ目のテントを立てながら、巴音と会話している。実は壱月が寄り道して、それを巴音が注意したり逆に楽しんでいたりしている間に二人の距離はかなり近くなったようだ。だが呼び捨てはまだ無理らしい。この調子なら近いうちになっているかもしれないが…

「これを固定して…よしできた」

 早くも二つ目設営完了だ。こうみえて壱月は案外物わかりが良い。一度説明されたことなら簡単にできてしまう。戦闘に関しては別のようだが。

「テント設営も終わったし、荷物を置いて、ちょっと知床半島を見て回ってくる」
「わかりました。気をつけて下さいね」
「ああ!」

 壱月はそう言って、テントを張った木々が少ない場所から本格的な森に向けて走り始めた。

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