噂の殺戮者に出会ったので死刑執行しますby死神
6 二人の邂逅・死神の覚悟
俺、斎藤壱月が曲がり角を曲がり、その先を見たときそこに立っていたのは、間違いなく殺戮者だった。誰も顔を見たことがなくてもわかってしまう。先程の尋常じゃない殺気と、今俺の目が認識している異様な姿…
異様な、といっても姿形は人間のそれと変わりはない。だが雰囲気と奴の目が異様なのだ。
まず殺戮者の雰囲気、それは完全に漆黒…今俺が着ている黒のコートよりもさらに暗い…まさに闇と表現した方がわかりやすいだろう。
そして次に奴の目、血の色より赤いがどこか明るさのある紅眼。それが周囲の闇の影響でさらに際だって見えるのだ。
俺は殺戮者と遭遇してから思考はできても動くことは出来なかった。少しでも動けば瞬殺される未来が常に見えてしまうからだ。
しかしだからこそ遅れてしまった。殺戮者がたった今殺した人間の存在に……
「かみ…き?」
死神の口からある友達の名前がこぼれ落ちる。その友達とは約2時間前に学校で別れ、そしてたった今…殺戮者に殺された天樹空だ。
俺が奴に殺された天樹を認識するのにそう時間はかからなかった。2時間前まで一緒にいたのだ、忘れるわけがない。
それと同時に否定もしたくなった。今殺されたのは天樹空じゃない、と信じたかった…なぜならそれは俺が天樹を守れなかったという事なのだから。忠告までしたというのに…あれは俺自身にとっても忠告だった。何もできなければ大切な友人を失うぞ、という。
俺は天樹の誘い通り打ち上げに行くべきだったのだ。そうすれば天樹だけは殺されずにすんだかもしれないなのに…
(俺が天樹と一緒にいればッ!…守れた…はず…なのに…)
そんなもうどうしようもない後悔を壱月がしていると…
「死神…こいつはお前の友人か?」と、軽い感じで殺戮者が問うた。
「…ぁぁ…」
「聞こえないぞ」
(一体…この問いに…何の意味があるんだよ!!)
「あぁそうだ…俺はたった今お前が殺した奴の…天樹の親友だ!」
そう叫び壱月は殺戮者を睨み、奴への殺気を剥き出しにする!!
すると殺戮者は…
「良い殺気だ。気に入ったぞ…!喜べ死神、お前の親友はまだ息があるようだ。別れの言葉でも言ってきたらどうだ?」
(俺もまだ詰めが甘いようだ…殺し損ねるとは、それともこいつの運が良いだけか?まあどちらにせよ後少しで死ぬのは変わらないが)
「!?…」
壱月は殺戮者に警戒しながら天樹に駆け寄り…
「天樹!おい!しっかりしろ!」
「いつ…き…おれ…はもう…ゲホッ…むり…らしい…」
「大丈夫だ、お前なら直ぐに治るだろ!天空の守護者なんだから…」
壱月自身、無茶を言っているのは分かっている。でもこんな時こそふざけないと、頭がおかしくなりそうなのだろう。
「はは…なら…お…まえは…さいとう…はじめ…だ…ろう…」
「ああ、俺は斎藤一だ!」
「そう…か…ゴホッ…なら…あんしん…だ…そろ…そろ…じかん…らしい…さい…ごに…おまえが…すきな…あれ…をやろう…か…」
「…ああ…」
天樹は最後の力を振り絞って、斎藤壱月に…いや一に別れの言葉を告げるのだ。それは別れの言葉と同時に壱月にとって覚悟の言葉でもある…
「…一片の淀みも無く…己が道を…貫く…それは…簡単な様で…難しい…事だ…」
「…!」
「斎藤…お前は…これから…どこまで…刀に生き…『悪・即・斬』…を貫ける…か…な……?」
「無論…死ぬまで…」
ほんの少し天樹が笑っているように思える。そのとき既に天樹は死に、壱月の中では覚悟が決まっていた。壱月は立ち上がり、天樹から離れ言った。
「待たせたな…殺戮者!」
「フッフハハハハハハハハハハハハ」
殺戮者は嗤い、死神は宣戦布告する。
「行くぞ…お前の全てを否定してやるッ!!」
異様な、といっても姿形は人間のそれと変わりはない。だが雰囲気と奴の目が異様なのだ。
まず殺戮者の雰囲気、それは完全に漆黒…今俺が着ている黒のコートよりもさらに暗い…まさに闇と表現した方がわかりやすいだろう。
そして次に奴の目、血の色より赤いがどこか明るさのある紅眼。それが周囲の闇の影響でさらに際だって見えるのだ。
俺は殺戮者と遭遇してから思考はできても動くことは出来なかった。少しでも動けば瞬殺される未来が常に見えてしまうからだ。
しかしだからこそ遅れてしまった。殺戮者がたった今殺した人間の存在に……
「かみ…き?」
死神の口からある友達の名前がこぼれ落ちる。その友達とは約2時間前に学校で別れ、そしてたった今…殺戮者に殺された天樹空だ。
俺が奴に殺された天樹を認識するのにそう時間はかからなかった。2時間前まで一緒にいたのだ、忘れるわけがない。
それと同時に否定もしたくなった。今殺されたのは天樹空じゃない、と信じたかった…なぜならそれは俺が天樹を守れなかったという事なのだから。忠告までしたというのに…あれは俺自身にとっても忠告だった。何もできなければ大切な友人を失うぞ、という。
俺は天樹の誘い通り打ち上げに行くべきだったのだ。そうすれば天樹だけは殺されずにすんだかもしれないなのに…
(俺が天樹と一緒にいればッ!…守れた…はず…なのに…)
そんなもうどうしようもない後悔を壱月がしていると…
「死神…こいつはお前の友人か?」と、軽い感じで殺戮者が問うた。
「…ぁぁ…」
「聞こえないぞ」
(一体…この問いに…何の意味があるんだよ!!)
「あぁそうだ…俺はたった今お前が殺した奴の…天樹の親友だ!」
そう叫び壱月は殺戮者を睨み、奴への殺気を剥き出しにする!!
すると殺戮者は…
「良い殺気だ。気に入ったぞ…!喜べ死神、お前の親友はまだ息があるようだ。別れの言葉でも言ってきたらどうだ?」
(俺もまだ詰めが甘いようだ…殺し損ねるとは、それともこいつの運が良いだけか?まあどちらにせよ後少しで死ぬのは変わらないが)
「!?…」
壱月は殺戮者に警戒しながら天樹に駆け寄り…
「天樹!おい!しっかりしろ!」
「いつ…き…おれ…はもう…ゲホッ…むり…らしい…」
「大丈夫だ、お前なら直ぐに治るだろ!天空の守護者なんだから…」
壱月自身、無茶を言っているのは分かっている。でもこんな時こそふざけないと、頭がおかしくなりそうなのだろう。
「はは…なら…お…まえは…さいとう…はじめ…だ…ろう…」
「ああ、俺は斎藤一だ!」
「そう…か…ゴホッ…なら…あんしん…だ…そろ…そろ…じかん…らしい…さい…ごに…おまえが…すきな…あれ…をやろう…か…」
「…ああ…」
天樹は最後の力を振り絞って、斎藤壱月に…いや一に別れの言葉を告げるのだ。それは別れの言葉と同時に壱月にとって覚悟の言葉でもある…
「…一片の淀みも無く…己が道を…貫く…それは…簡単な様で…難しい…事だ…」
「…!」
「斎藤…お前は…これから…どこまで…刀に生き…『悪・即・斬』…を貫ける…か…な……?」
「無論…死ぬまで…」
ほんの少し天樹が笑っているように思える。そのとき既に天樹は死に、壱月の中では覚悟が決まっていた。壱月は立ち上がり、天樹から離れ言った。
「待たせたな…殺戮者!」
「フッフハハハハハハハハハハハハ」
殺戮者は嗤い、死神は宣戦布告する。
「行くぞ…お前の全てを否定してやるッ!!」
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