幻想支配郷

ゆっくり春咲

第8話〜34代目のカグツチ〜

 次に目を開くと昔住んでいた街ではなく白玉楼にいた。右手には神刀・軻遇突智が鞘に収まった状態で握っていた。そして博麗たちが心配そうな顔で俺を見ていた。
「どうやら試練を合格したようね。よかったわね稜駿。いや、34代目カグツチ。」
 八雲の言葉を聞いて小さく頷いた。その時
「僕からも祝福の言葉を送らせてもらうよ。」
 後ろを向くと2人目の俺がいた。
「あなたは誰?味方とは見えないけど。」
「君たちに会うのは初めてだね。僕は2人目の稜駿。軽く涼香(りょうか)とでも名乗っておこうかな。」
 博麗の質問に2人目の俺、もとい涼香はそう答えた。奴の背中には刀身が長い刀を下げていた。
「僕がここにきた理由は他でもない、稜駿、君が持っている刀、軻遇突智をもらいに来た。」
「断った場合は?」
涼香はニヤリと笑い。
「そんなの力づくで貰って帰るに決まってるじゃないか。」
長い刀を抜刀し剣先を俺に向けそう言った。博麗たちはやめた方が言っていたが俺は。
「いいぜ。肩慣らしついでに相手してやる。」
そうして俺は軻遇突智を抜刀した。
抜刀した瞬間頭の中に軻遇突智の力などの情報が流れてきた。
「なるほどこう使うのか。」
そう言いながら俺は軻遇突智を地面に平行にし、
「神気解放」
瞬間俺の周りには炎と雷が発生した。そして俺の左目は緑に光り始めた。そして風が吹くのと同時に俺たちは動き始めた。

〜視点は霊夢へ〜
 稜駿と涼香が同時に動き始めた。稜駿の動いた後と思われる場所には多少の電気が舞っていた。そして刀と刀が触れたような音がした時、炎が舞い、強力な衝撃波が伝わって来た。
「なんなの、あれ、速すぎて何も見えない。」
私がそう口にすると
「それはそうね。カグツチは炎の神のイザナミと雷の神のイザナギの力を持っていて、彼はその能力とカグツチ個人の能力、相手の思考を読み取る程度の能力を使い、その上彼自身の能力を使っているから見ないはずよ。」
紫はそう答えた。稜駿の能力はすごいけどその稜駿とやりあえている涼香というのもすごいわね。それにしても速過ぎる。すると、とてつもない爆煙が上がりその中から誰かが出てきた。あれは・・・涼香?そして、爆煙が晴れるとそこには刀を肩に置いた稜駿が立っていた。

〜視点は稜駿へ〜
*時間は動き始めた後から*
 風が吹くのと同時に動き出した俺たちは間合いが縮まると俺たちは刀を抜刀した。俺はその時電気をまといスピードを上げて俺は奴の背後に回った。だがそれを奴は防ぎその後も同じようなことが続いた。その時違和感を覚えた。あいつの力とスピードが上がっている?だが俺にはそんなこと関係ない。俺にはカグツチの能力、相手の思考を読み取る程度の能力があるからな。これがあるから負けることはそうない。そして俺は自分自身の能力を発動し、奴の重力を支配して刀を思いっきり振ると奴の刀にあたり奴を吹き飛ばした。
「さぁ、今度こそ決着をつけてやるよ。」

第8話 END

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