異世界は現実だ!
スフィアで幻の都市なのだ!
第六章
第142話、スフィアで幻の都市なのだ!
男達がいなくなったその場は静かなものだった。僕とミーナさん、それから女の子もただただ呆然としていた。そしてしばらく静寂が流れた後最初に動いたのはクルルさんだった。クルルさんは女の子の下まで歩いて行って足を折り立ち膝になる。そして右手を上に上げて女の子の頭を優しく撫でた。
「怖かったでしょう?でももう大丈夫。あなたに害をなす男達はいなくなったわ。もう心配しなくても大丈夫よ。」
その声はいつものクルルさんに戻っていて、優しい声であった。僕とミーナさんもクルルさんの元に駆け出す。
「大丈夫かい?」
そう僕が言うと女の子は泣き出しクルルさんに飛びつく。ミーナさんの服は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになる。その後その場では何を話しかけても泣くばかりなのでミーナさんの意見もあり、一度拠点に連れて帰ることにした。
拠点に連れて帰りまだ泣いている女の子を優しくミーナさんから引き外し座らせて話を聞くことにした。魔族ではなく獣人族であることは間違いないらしい。というのも獣人族には決定的な他の種族との違いがあるらしく、体毛があるかないからしい。この子は体毛があるので獣人族だということだ。しばらくして木の実のスープや浄水を飲ませると泣き止んだので話を聞く。話を聞くのは男性陣では怖がるかもしれないということで、女性陣に任せ僕達は少し離れたところに座る。
「あなたの名前を教えてくれる?」
「わ、わ、わたし、のなまえ?」
「そう、あなたの名前覚えてる?」
「うーん……」
「わからないっか。」
「ううん。わたし、なまえ、ある。ごしゅじんさまにつけてもらったなまえ。でも、ほんとうのはしらない。」
「そうなんだ。じゃあご主人様につけてもらった名前はなんていったの?」
「す、すふぃあ。」
「スフィアちゃん?」
「うん、そう。」
「スフィアちゃん、じゃあなんであんなところにいたのかなぁ?」
「そ、それは……。……ごしゅじんさまに、すてられたの。すふぃあ、わるいことしちゃって……だからあるいてきた。そしたら、こわいおじさんたちに……ひくっ…
ひくっ……」
再びスフィアちゃんが泣き出しそうになった時、クルルさんは咄嗟に頭を撫でる。
「大丈夫、大丈夫!お姉さんたちがいるから!怖いおじさんたちはもういないよ〜。怖かったね〜。よしよし。」
ミーナさんとカルナも補助するが圧倒的に"お母さんオーラ"を放つのはクルルさんである。ああいうのも経験の差かなー。と僕だけではなくダニー兄さんとストジネートくんも感じていただろう。こんなこと言ったら睨まれそうで怖いが。
そして女の子が落ち着いたところでまたクルルさんが質問をする。
「どこから歩いてきたの?」
「えっと……ごしゅじんさまのおやしきから。」
「ご主人様のお屋敷はどこにあるの?」
「うーん……わからない。ごしゅじんさま、まいにち、わたしのきおく、けしたりしてたから。分からない。」
「記憶操作?」
「うん、だから…わからない。どこからきたのか……でも、うまれたばしょしってる。おかあさんのかお、おぼえてる。おかあさん、めざしてここまできた。」
「じゃあ、生まれた場所どこなの?」
「うまれたばしょ、おかあさんいるところ
"ベルダーダンスキンス"そこにいる。」
「…え!?ーベルダーダンスキンス?…ってまさか!?」
「ダニー兄さん、ベルダーダンスキンスって?」
「嘘だろ……本当に実在するのか?ーーベルダーダンスキンスは幻の都市……。こんな噂がある。霧に包まれた暗黒の地に一輪の花が咲いている。その花は光輝き、この世のものとは思えない雰囲気を放つ。そしてその花を摘もうとした冒険者が跡形もなく消えてしまう。冒険者はどこに行くのか。それはこの世の世界ではないような場所。それが幻の都市、ベルダーダンスキンス。様々な種族が不思議な花につられて行き着き平和と富を手に入れることができるという都市だ。あの子が言っているのがその都市ならば、英雄伝は本物だ!」
「ベルダーダンスキンス、さがしてる。おかあさんのかおみたいから。」 
スフィアが言った"ベルダーダンスキンス"。その言葉は幻想の土地が実在するということの可能性を表明した。スフィアとの出会いがあきら達に大きな影響を及ぼすことをまだ誰も知らない。
六章完結です。最後ちょっと慌ただしくなってしまってすみません。
第142話、スフィアで幻の都市なのだ!
男達がいなくなったその場は静かなものだった。僕とミーナさん、それから女の子もただただ呆然としていた。そしてしばらく静寂が流れた後最初に動いたのはクルルさんだった。クルルさんは女の子の下まで歩いて行って足を折り立ち膝になる。そして右手を上に上げて女の子の頭を優しく撫でた。
「怖かったでしょう?でももう大丈夫。あなたに害をなす男達はいなくなったわ。もう心配しなくても大丈夫よ。」
その声はいつものクルルさんに戻っていて、優しい声であった。僕とミーナさんもクルルさんの元に駆け出す。
「大丈夫かい?」
そう僕が言うと女の子は泣き出しクルルさんに飛びつく。ミーナさんの服は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになる。その後その場では何を話しかけても泣くばかりなのでミーナさんの意見もあり、一度拠点に連れて帰ることにした。
拠点に連れて帰りまだ泣いている女の子を優しくミーナさんから引き外し座らせて話を聞くことにした。魔族ではなく獣人族であることは間違いないらしい。というのも獣人族には決定的な他の種族との違いがあるらしく、体毛があるかないからしい。この子は体毛があるので獣人族だということだ。しばらくして木の実のスープや浄水を飲ませると泣き止んだので話を聞く。話を聞くのは男性陣では怖がるかもしれないということで、女性陣に任せ僕達は少し離れたところに座る。
「あなたの名前を教えてくれる?」
「わ、わ、わたし、のなまえ?」
「そう、あなたの名前覚えてる?」
「うーん……」
「わからないっか。」
「ううん。わたし、なまえ、ある。ごしゅじんさまにつけてもらったなまえ。でも、ほんとうのはしらない。」
「そうなんだ。じゃあご主人様につけてもらった名前はなんていったの?」
「す、すふぃあ。」
「スフィアちゃん?」
「うん、そう。」
「スフィアちゃん、じゃあなんであんなところにいたのかなぁ?」
「そ、それは……。……ごしゅじんさまに、すてられたの。すふぃあ、わるいことしちゃって……だからあるいてきた。そしたら、こわいおじさんたちに……ひくっ…
ひくっ……」
再びスフィアちゃんが泣き出しそうになった時、クルルさんは咄嗟に頭を撫でる。
「大丈夫、大丈夫!お姉さんたちがいるから!怖いおじさんたちはもういないよ〜。怖かったね〜。よしよし。」
ミーナさんとカルナも補助するが圧倒的に"お母さんオーラ"を放つのはクルルさんである。ああいうのも経験の差かなー。と僕だけではなくダニー兄さんとストジネートくんも感じていただろう。こんなこと言ったら睨まれそうで怖いが。
そして女の子が落ち着いたところでまたクルルさんが質問をする。
「どこから歩いてきたの?」
「えっと……ごしゅじんさまのおやしきから。」
「ご主人様のお屋敷はどこにあるの?」
「うーん……わからない。ごしゅじんさま、まいにち、わたしのきおく、けしたりしてたから。分からない。」
「記憶操作?」
「うん、だから…わからない。どこからきたのか……でも、うまれたばしょしってる。おかあさんのかお、おぼえてる。おかあさん、めざしてここまできた。」
「じゃあ、生まれた場所どこなの?」
「うまれたばしょ、おかあさんいるところ
"ベルダーダンスキンス"そこにいる。」
「…え!?ーベルダーダンスキンス?…ってまさか!?」
「ダニー兄さん、ベルダーダンスキンスって?」
「嘘だろ……本当に実在するのか?ーーベルダーダンスキンスは幻の都市……。こんな噂がある。霧に包まれた暗黒の地に一輪の花が咲いている。その花は光輝き、この世のものとは思えない雰囲気を放つ。そしてその花を摘もうとした冒険者が跡形もなく消えてしまう。冒険者はどこに行くのか。それはこの世の世界ではないような場所。それが幻の都市、ベルダーダンスキンス。様々な種族が不思議な花につられて行き着き平和と富を手に入れることができるという都市だ。あの子が言っているのがその都市ならば、英雄伝は本物だ!」
「ベルダーダンスキンス、さがしてる。おかあさんのかおみたいから。」 
スフィアが言った"ベルダーダンスキンス"。その言葉は幻想の土地が実在するということの可能性を表明した。スフィアとの出会いがあきら達に大きな影響を及ぼすことをまだ誰も知らない。
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