異世界は現実だ!
雨で無属性魔法なのだ!
第六章
第141話、雨で無属性魔法なのだ!
次の日、ギルド発足十日目の今日セフェロンには雨が降っていた。今日の明朝から降り出した雨は一向に止む気配がなくため池が徐々に増え続けていた。川も増水し用水を引いている小川も少しずつ増水していた。水調整石はこういう時の為魔力でしか動かせないようになっているため問題ないのだが、川が氾濫した時が怖いのである。一応自然堤防があるため大丈夫だとは思うのだが、堤防は作っておくべきだと思った。
雨ということもあり特にやることもなかったが川の氾濫が怖いので交代で適度に様子を見に行っていた。あとは昨日までの疲れが残っていると思うので特に何もしないという結論に至った。まあとはいえ川の様子を見るのはみんなに任せクルルさんとミーナさんと僕はミーナさんのギルド正式加入の為にメンメルの発行所とギルド認定所に行く。クルルさんは会いたい人がいるらしい。メンメルは雨は降っていないが曇り空であった。
色々と面倒なので発行所に行くまでには近くのスタ町に寄って帽子を買いそれを被り行った。クルルさんとは検問所を通過後に別れ一時間後ぐらいに検問所前に集合することを約束した。発行所はかなり空いていた。雲行きが怪しく雨が近くで降っているからだそうだ。だが何人か人がいる以上帽子を外すわけにはいかない。僕は男性の受付係の人に個室での作業を願い出て、名前を聞いてきたので素直に答えるとすぐに個室へ案内してくれた。
「お待たせしました、あきら様。」
「個室ありがとうございます。」
「いえいえ、私共もこちらの方が話や作業がしやすいです。多くの方に囲まれたら何も出来ません。なるべく早く済ませたいですから。さて今日はどのようなご用件でしょうか?」
「はい。今日は隣の女性を正式に僕のギルドの加入をしたいと思いまして。」
「わかりました。」
ミーナさんのギルド正式加入申請が終わり身分証明書も上書きされた。これで正式加入となった。発行所を無事に抜け、クルルさんと無事再会し検問所から出る。その頃には少し太陽が傾いていた。そしてゲートに向かうと何やら悲鳴が聞こえてきた。
「この角はなんなんだって言ってるんだよ?
「これは……。」
「やっぱこいつ魔族か?気持ちわりぃ。」
「獣人族とか言って、本当は強魔族だが俺たちの強さに慄いてそんな下手な嘘言ってるんだろ?」
「あ、そういえば魔族の角は金になるらしいっすよー!なんでも魔力がいっぱい込められているとか。切り落としちまいますか?」
「そりゃいい話だ!どうせ害にしかならねんだから、ここでこの角奪って殺しちまおうぜ!それでこいつの首持ってって強魔族だって突き出せば俺たちは英雄だ!」
「やだ、やめて!…….そんなこと……だれか!イャァァァァァ!!!」
「うるせー泣くなよ。クソガキ。もうテメェは捨てられてんだよ!見ろ、この赤い首輪をよ!もうすでにご主人様にも見捨てられてどうせ死ぬんだよ!たとえ獣人族でも奴隷は一人じゃ検問所には入れねえ!この森で死ぬだけなんだよ!だったら少しは人様の役に立ちやがれ!この……外れ野郎が!!」
「待ちなさい!!」
ミーナさんは男達の会話を聞くや否やクルルさんは飛び出し今まさに少女の角が切り落とされようとした時に男達の前に立つ。そして"バインド"によって男達を拘束する。
「なんだこれは!動けねェ!クソ女!これはどういう魔術だ!」
「は?どういう魔術?ただの拘束魔法だけど?何?あなた達このくらいも解除できないの?それでよくもまあ強魔族かもしれない少女を襲おうと思ったわねー。とてもとても関心するわ!やっぱり弱い奴のやることはいつになっても変わらないってことがわかってね!!!」
僕はクルルさんのいつもとは全く違うオーラを感じていた。それは本当に見たこともないもの。ミーナさんも驚きを隠せないようだった。いつもはあんなに優しく、しっかりしているミーナさんとは思えないほど怖く、顔が歪んでいたからだ。
"闇猫"
その魔法を発動させた途端、ミーナさんの体から黒色の丸いモノが多数出現し、隣に大きい黒猫を出現させる。
「この猫はね。悪人を食べるの。お前達のようなクズを食べるんだよ!食べられたらどうなるか。それは"永遠に無という恐怖を植え付けられる。無は精神を蝕みボロボロにしていく。それが何度も何度も繰り返される。死ぬことも抗うこともできずずっと一人で苦しみ続ける。"それがこの魔法。無属性魔法よ。もしその子が本当に強魔族ならこんな魔法ぐらいすぐに出してあなた達を殲滅するはず。いくら奴隷の首輪をさせられていてもね。そんなこともわからない、それに人以外の種族をすぐに外れなどという奴には裁きが必要だからね!闇猫男達を捕食しなさい。」
クルルさんがそう言うと黒猫は男達の方に駆け出し悲鳴を出す男達を次々と食べていく。そして全ての男達を食べるとクルルさんの体のもとに戻っていった。
第141話、雨で無属性魔法なのだ!
次の日、ギルド発足十日目の今日セフェロンには雨が降っていた。今日の明朝から降り出した雨は一向に止む気配がなくため池が徐々に増え続けていた。川も増水し用水を引いている小川も少しずつ増水していた。水調整石はこういう時の為魔力でしか動かせないようになっているため問題ないのだが、川が氾濫した時が怖いのである。一応自然堤防があるため大丈夫だとは思うのだが、堤防は作っておくべきだと思った。
雨ということもあり特にやることもなかったが川の氾濫が怖いので交代で適度に様子を見に行っていた。あとは昨日までの疲れが残っていると思うので特に何もしないという結論に至った。まあとはいえ川の様子を見るのはみんなに任せクルルさんとミーナさんと僕はミーナさんのギルド正式加入の為にメンメルの発行所とギルド認定所に行く。クルルさんは会いたい人がいるらしい。メンメルは雨は降っていないが曇り空であった。
色々と面倒なので発行所に行くまでには近くのスタ町に寄って帽子を買いそれを被り行った。クルルさんとは検問所を通過後に別れ一時間後ぐらいに検問所前に集合することを約束した。発行所はかなり空いていた。雲行きが怪しく雨が近くで降っているからだそうだ。だが何人か人がいる以上帽子を外すわけにはいかない。僕は男性の受付係の人に個室での作業を願い出て、名前を聞いてきたので素直に答えるとすぐに個室へ案内してくれた。
「お待たせしました、あきら様。」
「個室ありがとうございます。」
「いえいえ、私共もこちらの方が話や作業がしやすいです。多くの方に囲まれたら何も出来ません。なるべく早く済ませたいですから。さて今日はどのようなご用件でしょうか?」
「はい。今日は隣の女性を正式に僕のギルドの加入をしたいと思いまして。」
「わかりました。」
ミーナさんのギルド正式加入申請が終わり身分証明書も上書きされた。これで正式加入となった。発行所を無事に抜け、クルルさんと無事再会し検問所から出る。その頃には少し太陽が傾いていた。そしてゲートに向かうと何やら悲鳴が聞こえてきた。
「この角はなんなんだって言ってるんだよ?
「これは……。」
「やっぱこいつ魔族か?気持ちわりぃ。」
「獣人族とか言って、本当は強魔族だが俺たちの強さに慄いてそんな下手な嘘言ってるんだろ?」
「あ、そういえば魔族の角は金になるらしいっすよー!なんでも魔力がいっぱい込められているとか。切り落としちまいますか?」
「そりゃいい話だ!どうせ害にしかならねんだから、ここでこの角奪って殺しちまおうぜ!それでこいつの首持ってって強魔族だって突き出せば俺たちは英雄だ!」
「やだ、やめて!…….そんなこと……だれか!イャァァァァァ!!!」
「うるせー泣くなよ。クソガキ。もうテメェは捨てられてんだよ!見ろ、この赤い首輪をよ!もうすでにご主人様にも見捨てられてどうせ死ぬんだよ!たとえ獣人族でも奴隷は一人じゃ検問所には入れねえ!この森で死ぬだけなんだよ!だったら少しは人様の役に立ちやがれ!この……外れ野郎が!!」
「待ちなさい!!」
ミーナさんは男達の会話を聞くや否やクルルさんは飛び出し今まさに少女の角が切り落とされようとした時に男達の前に立つ。そして"バインド"によって男達を拘束する。
「なんだこれは!動けねェ!クソ女!これはどういう魔術だ!」
「は?どういう魔術?ただの拘束魔法だけど?何?あなた達このくらいも解除できないの?それでよくもまあ強魔族かもしれない少女を襲おうと思ったわねー。とてもとても関心するわ!やっぱり弱い奴のやることはいつになっても変わらないってことがわかってね!!!」
僕はクルルさんのいつもとは全く違うオーラを感じていた。それは本当に見たこともないもの。ミーナさんも驚きを隠せないようだった。いつもはあんなに優しく、しっかりしているミーナさんとは思えないほど怖く、顔が歪んでいたからだ。
"闇猫"
その魔法を発動させた途端、ミーナさんの体から黒色の丸いモノが多数出現し、隣に大きい黒猫を出現させる。
「この猫はね。悪人を食べるの。お前達のようなクズを食べるんだよ!食べられたらどうなるか。それは"永遠に無という恐怖を植え付けられる。無は精神を蝕みボロボロにしていく。それが何度も何度も繰り返される。死ぬことも抗うこともできずずっと一人で苦しみ続ける。"それがこの魔法。無属性魔法よ。もしその子が本当に強魔族ならこんな魔法ぐらいすぐに出してあなた達を殲滅するはず。いくら奴隷の首輪をさせられていてもね。そんなこともわからない、それに人以外の種族をすぐに外れなどという奴には裁きが必要だからね!闇猫男達を捕食しなさい。」
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