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異世界は現実だ!

竹華 彗美

心配事でいい仲間なのだ!

 第六章
 第126話、心配事でいい仲間なのだ!


 僕達は王宮を後にし下町まで下った。

「あきら、その紹介文どうするんだ?」
「行くしかないでしょ。これは。」
「そうだなぁ。ミルガバード王国といえばメンメル、トミル、パンミーヤ、ミタンダその他連合国家ハラベガドまでをも協定を結ぶ大国家。俺は行ったことはないがかなり住みやすいし賑やかな国だと聞く。それにあそこらへんは近くに鉄鉱石や大理石が取れる大きな山がある。あの国に認定されれば、ここら辺の一帯では安定するな。」
「そうだね。わたしはミルガバード王国、皇帝様の護衛任務でお伺いしましたが国民の顔は輝いて見えたな。それに軍隊はメンメル帝国軍よりも武器なども取り揃えており、能力も高かった。あの国が名指しであきらくんを呼んでるんだからこれは行かなきゃ失礼だね!」
「まあ、行くことは確定事項だけどまだギルドも建ててから数日だしまだセフェロンも何があるかわからない。そんな状況で行って大丈夫なのかな?」
「まあそうだなぁ。あきらのゲートを使って夜は拠点に戻ればいいし、こっちは俺たちに任せてくれればいいぞ?」
「それでいいんだろうけど…」
「あきらくんは責任感が強いな〜。マスターだからわたしたちの身に何かあったらと思っているんでしょ?…でも大丈夫!こっちは任せてくれ!あきらくんは確かにギルドマスターではあるが冒険者でもある。わたしたちだって一応は元軍人。もしもの時は撤退するし、一般人よりは鍛えてる自信はあるよ。それにギルドメンバーのことを信じるということもギルドマスターの大事なことだよ?だから心配せずに行ってきなよ!夜は戻ってくるんだろ?」
「うん。…そう言ってくれるなら行くよ。明日の朝にでも出発するよ。」

 僕が心配していることは何もセフェロンに住んでいる猛獣達だけではない。僕はトミルの戦いで十四傑の一人の中の直属家来を倒してしまった。それにより他の国にも目をつけられている。少なからず多分今回のミルガバード王国だって目をつけだということだろう。そして一番の心配ごとは強魔族には目をつけられるどころではなく殺しにやってくるという点だ。奴らはおそらく既に情報を掴んでいるだろう。動き出しているかもしれない。僕がいない間に、あそこを離れている間にみんなの元に行き襲ったら、人質にされたら、殺されたら…そういう不安が大きい。僕がいたところでどうにもならない話かもしれない。しかし今となってカプスが自滅という選択を選んだのは魔王からの警告ではないか、カプスは魔王に命令され自爆しそれは僕がやったことにし他の強魔族に目をつけさせたのではないか……という想像ができる。それならどのくらい恐ろしいことか。みんなもそれを重々わかった上でギルドに入ってくれていることは分かっていた。それを今、言葉にしてストジネートさんは「大丈夫」と言ってくれたのだ。本当は大丈夫なんていうはずはない。だけど気を使わせないように。いい仲間を持ったと思った。僕は仲間を信じてみることにした。
 セフェロンに帰り、今日トミル王から言われたことを話す。みんなは理解し、僕はみんなの意見を聞く。

「あきらさん!行ってきてください。こちらは大丈夫ですから。これはいい話ですし。」
「あきら、俺も行って来てほしい。いい話だ。話だけでも聞いてこい!」
「あきら、そっちこそ気をつけなよ!あとそっち着いて王様との話が終わったら迎えに来てくれない?友達が住んでるのよ。もしかしたらメンバーになってくれるかも、結構腕いいし賑やかなやつだから、誘ってみるよ。」
「わたしはさっき言ったとおり。あきらくん行っておいで!」
「みんながそう行言ってくれるなら行ってくるよ。夜は帰ってくるからさ!」

 そうして翌日僕はトミル王都まで行きミルガバードに向かった。

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