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異世界は現実だ!

竹華 彗美

カプスで攻防戦なのだ!

 第五章
 第107話、カプスで攻防戦なのだ!


「アバット。あれが…。」
「はい。今回の件の首謀者です。カプス・フェニキトスです。」

「ごめんね〜!あきらくん。この子失敗しちゃったみたいなんだ〜。」
「失敗?」
「うん。かなり稀なんだけど中身の…あー元の素材が私の魔力に拒否して暴走しちゃう時があるの。暴走すると半々の割合で私の魔力に屈服して人形になるか、元の殻に戻って生命活動が行われるか。そんなの待ってたら日が暮れちゃうから〜今回は特別!あきらくん御一行には私と戦う権利をあげちゃいまーす!さっきの戦いは予選だったということで、皆さん頑張ってね!
勝てなくても私を楽しませられたらこの暴走君も人間に戻してあげよう。だけど"私を楽しませられなかったら、全員私の一生の奴隷になってもらう。覚悟しろよ。人間共!!!」

 カプスは自ら試合宣言をしてくる。暴走状態の中将人形ははじに置かれる。 

「当たり前じゃ。わしはお主を逃すつもりは毛頭ない!それにお前の姓フェニキトス家には色々因縁があってのー。"ヒストロジニスド"。この名を聞いたことはあるじゃろ?」
「"貴様!あいつとどんな関係だ!"」
「わしは昔そいつと一緒に行動してた時があってのー。あの戦いに参加してた者じゃ。お前なら"あれは忘れられないじゃろ?」
「"貴様。そうか、あの時の生き残り…ふん!だがあいつは死んだそうじゃないか。私たちの戦いに勝ったがあの弱小魔族にやられるとは。笑える話だ!"」
「まあ、そうじゃな。じゃが貴様らも生きていたんだろ?あんな奴らに留めを刺されて情けないの〜!!!」
「"挑発もいいことだ。しかし最後は実力だ。絶対殺してやる!"」
「わしもお前を生かしておくつもりはないよ。」

 ガガさんとカプスはそう話をしたあと、一分後開戦ということになった。敵が待ってくれるということは良い意味でも悪い意味でもあるが僕たちは待ってくれるならありがたい。作戦を決め、各自がどう動くかそしてアバットさんからの回復を受け、開戦となった。

"ドン!!!"

 カプスの前に立ちはだかるのは二体の人形。それは男騎士風のやつと女戦士風のやつであった。

「ぶっちゃんとたまちゃん〜。"そいつら殺して〜!"」

 その命令が入ると人形達は突進してくる。ガガさんとダニー兄さんが剣を受ける。が、その威力は相当な者でダニー兄さんは吹き飛ばされる!

「ダニー兄さん!!!」
「あきら、後ろを向くな!前を見ろ!後ろはアバットに任せるんじゃ!」

 確実に言える。男騎士の方は異常だ。女戦士の方は多分僕と同じくらいだ。カプスは後ろで支援をする。

「"小人形ミニドール"」

 小さな人形ではあるがかなりちまちましててうざったらしい。カプスはこれをかなりの数作ってくる。僕らの頭にはアバットさんからの"メッセージ"が送られてくる。アバットさんは後方支援の他に随時戦況を見て伝達魔法で僕たちに次の行動を送る。

"あきらくん、あと十五秒後カルナさんと共に奴に仕掛ける。"

 奴とはカプスだ。約束どおり十五秒後僕たちは魔法でカプスに仕掛ける。カプスは突然の僕たちの連携に戸惑う様子を見せたがそれも一瞬。魔法障壁によって防がれる。当たり前だが人形だけではなくカプス本体も非常に強い。
 男騎士人形はガガさんが相手になっている。人形はガガさんと同等の強さだった。ガガさんが杖で、人形は剣でお互い攻防を繰り広げる。隙を見つけては攻撃しているが決定打にはならない。
 女戦士人形はダニー兄さんと中将さんが二人掛かりで応戦。こちらは優勢のように思われるが、今までの奴らとは違い魔法も使ってくる。今は接近戦に留められているが遠距離になった瞬間、劣勢となる。だが接近戦は短期が好ましい。長期になればなるほど苦しめられるのだ。なのでどちらにせよ辛い攻防戦は続く。
 僕とカルナさんはチビ人形共を魔法で一掃していく。時々アバットさんからの伝達によりカプス本体に仕掛ける。相手のカプスはチビ人形を作り続けている。時々男騎士と女戦士が不利な局面になる直前、障壁を張る。その障壁はアバットさんが弱めてくれているのでまだ対等に渡り合えているということだ。そして戦いが始まりはや十五分頃、一旦両者共引く。その時だった。

"ドガーン!!!!!!"

 その爆破音は僕らの目を窓の外に向けさせた。地を震わせるその爆破音がした城下町は一瞬で火の海と化した。

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