異世界は現実だ!

竹華 彗美

復讐の覚悟で集結なのだ!

 第五章
 第106話、復讐の覚悟で集結なのだ!


ーカルナ方面ー
「このぐらい離れればいいですかね。」
「はい。これだけ離れればあきらの邪魔にはならないはず!」

 カルナ、ダニオン、メンメルの中将一人はあきらからだいぶ離れ一階部分のガガ達が戦闘中の倉庫の反対側の中庭へと移動していた。豚人形は先程よりも活気付いているように思われたが走るに連れて速度が遅くなっていた。しかし脅威には変わらない。

「中将さん、大丈夫ですか?」
「……、ええ。あいつのことなら。俺たちは兵士だから!死ぬのを覚悟してきた兵士だから!何も……なにも…」
「辛いですよね、仲間があんな状態であんな風にされてしまうなんて。俺だったら多分耐えられない。……でもその分頑張ってやられたやつの分まで殺り返すのが兵士だ!任務じゃない!俺らの立場からなにをとやかく言うのは申し訳ない!だけど俺はあいつに殺されたやつの分まで、民間人も兵士も!そいつらの分、ぶつけてやりますよ!あの人の分も、理不尽に殺された人々の分も!!!やってやろうじゃないですか!!!ただの人間の底力を!!!!」
「ダニーさん。…そうですね。やってやろうじゃありませんか!この豚もあの魔族も!!!!全部蹴散らしてやりましょう!それが私たちにできることです!」

""ウォーーー!!!!!!!""

 二人は熱い気持ちを胸に豚に刃を向ける。残された中将はその姿を見て立ち上がる。あきらの武運を願って。そして覚悟を決めて。立ちはだかる豚に刃を向ける。その姿は真の兵士となった。

ーあきら方面ー
 核が見つかり欠けさせたことで動きが鈍った。僕は少し気掛かりになっていたことがある。それは最初に剣を交えた時とは確実に何かが違っていた。"ファイヤーボム"を一発目当てた時、腕が吹き飛んだらへんから少しおかしい。なんだか段々と弱くなっている気がする。最初はあんなに僕よりも遥かに上回る実力だったのに。そんな奴がボアの角で背中が脆くなり、核をすぐに捉えられることなどできるのだろうか。恐らくあと五発も当てれば勝てる気がする。その予感は的中した。
 四発目、"ファイヤーボム"を当てた時核に当たったわけでもないのに力が落ちる。そして少し様子を見ていると人形が苦しむ動作に変わる。何かと何かがぶつかり喧嘩しているような感じだった。
 その時だった。なにやら後方から走ってくる影が二人。そして下から階段を上る足音が三人。そして上から降りてくる影が二人。それらはすべて同時に会議室へと到着する。

「あきら!大丈夫か?」
「あきらくん!助けに…」
「あきら!!」 
「あきらさん!」
「あきら殿!」
「異常事態発生だねー。」
「……。」

 その七人は集結する。味方と敵が入り混じって。

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