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異世界は現実だ!

竹華 彗美

勝利の糸口で核なのだ!

 第五章
 第105話、勝利の糸口で核なのだ!


  オークを召喚した時ふと思った。オークは後ろで攻撃をしている。しかし人形は僕の方しか攻撃して来ない。確かにオークの攻撃はそこまで威力はない。しかし普通なら後ろから攻撃され自分の一番守りたい核の近くを攻撃されているのならば、そちらを瞬殺しないだろうか。どれだけ硬くて回復が早くても、危機意識は普通そちらに向くはずだ。だがオークの方には見向きもしない。これは恐らく命令の影響だ。こいつ自身は作られた"もの"であり感情を持つ"生物"とは異なる。カプスの命令を忠実に聞き入れ今は僕を殺すことしか念頭に置いていないのだろう。だからオークなどには気づかない。別の個体には無関心ということだ。逆に僕が召喚したエレメンタル系は戦っていた。これは僕の一部ということで認識しているのだろう。魔法など僕の魔力の中の一部分が形になったものだという理論だろう。
 このことを利用すればもしかしたら勝てる可能性がある。僕はそう思った。ゴブリンとオークは攻撃力がない。まあ雑魚だからな。そうなるとシャープボアとトラだ。オークはそのままにして僕はシャープボアとトラを二体ずつ召喚。背中を重点に狙わせる。トラはあまりこの戦闘には向かない。ボアの方はかなり削れてるようだ。僕はオークとトラを戻し、ボアをプラス三体、計五体召喚した。
 ボアは突進しツノで背中を脆くする。僕はボアに頭の中で指示を出し後退させ後ろに回り込み前にオークを配置。そして肩を持ってもらい"ファイヤーボム"を打ち込む。そして煙が晴れると僕は核の位置を確認できた。攻撃は背中に当たり核は少しかけている。核の色は赤色。拳程度の大きさでちょうど人間の心臓よりも下にあった。核は治らないが体は治る。回復速度はさっきよりも遅い気がした。糸口が開き僕は少し楽になった気がした。

ーガガ方面ー
 ガガはアバットとの連携が見事で人形に優勢だった。しかし核が見つかっていなかった。

「アバット。核の位置掴めたか?」
「そんなに簡単には無理です。右足、頭にはありませんね。ガガさん、次は左足行きます。」
「分かった!」
「"パワーアップ"、"パワーチャージ"それから"カードダウン"!!!!蓄積完了まで後十秒。」
「了解!!!」
「3、2、行ってください!」

 ガガの蹴りは容易に左足を粉々に破壊し、腰までをも壊す。その後アバットはガガを回復する。しかし足は無事で元通りになる。

「解析結果、左足にもありません。腰まで見ましたが腰周辺にもないですね。」
「後残ってる部分は!?」
「両腕と腹部、胸部ですね。右手には核はないですね。」
「そうみたいだな。さっきから右手の扱い方が雑だ。恐らくないだろうな。」
「次は左手から横に胸部までを調べます。"パワーチャージ"極限まで貯めるので二十秒耐えます!」
「了解!」

 "パワーチャージ"には弱点がある。蓄積完了までは一切攻撃をしてはいけない。完了の一瞬まで取っておく必要があるのだ。なのでアバットはこの時もガードで忙しい。ガガは逃げることはしないという信念があるのだ。
 チャージが終わり左腕を横に胸部にかけて破壊する。すると左腕は粉々に砕け散り胸部どころか右手の方も砕け散った。

「ガガさん、核ありました!」
「どこだ!?」
「左の脇腹、大きさは手の小指ほど。です!」
「小さいのぉ〜。」
「小さいですね。どう攻略するか。」
「全部破壊しよう!!!!」
「またまた難しいことを。……まあそれが一番の近道っぽいですね!全部破壊してやろうではありませんか!!」

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