異世界は現実だ!
精鋭兵の会話で自信なのだ!
第五章
第92話、精鋭兵の会話で自信なのだ!
「あきら様、ありがとうございました。」
「いやこちらこそ。すみません、最後はついやってみたくなってしまって。」
「いえいえ。あのぐらい止められなかった私どもの訓練不足ですよ。それにしても結界を使いこなし中級魔法もあんなにも余裕を持って使えるとは。やはりガガ様に認められし男は伊達ではありませんね。」
「いえいえ、隊長殿の最後の瞬発力もお見事なものでしたよ。」
「ありがとうございます。お褒めに預かり光栄です。ーさてこれで一段といい準備が出来そうだ。あきら様も今回の作戦参加されるのですよね?」
「はい、一応は。僕の故郷なので、当たり前ですよ。」
「これからよろしくお願いします!」
「こちらこそよろしくお願いします。」
そう挨拶を交わした後、僕は先ほどの精鋭兵の稽古を見に行った。さっきの兵士たちの言葉が引っかかっていたからだ。
精鋭兵たちは何やらさっきの稽古場とは別の場所で稽古をしていた。こちらの稽古場は高価そうな装飾や装備品があった。その奥で声が聞こえる。行ってみると奥の部屋で全員で反省会のようなものを行っていた。
「なんで俺たちがあんな化けもんと戦わなければならないんだ!俺たちは貴族なんだぞ!」
「しょうがないだろ?立派な男貴族になるためにはここで精鋭兵となり証明しなきゃならないんだから。」
「ていうかあの平民兵たち、俺たちより自分たちの方が強いって思ってるらしいぜ。」
「それは事実じゃないかな?」
「は!?お前それほんとに言ってんのかよ?」
「ほんとさ。いい加減君は自分の弱さに気づいた方がいいよ。いつまでもここを出られないのはそれに値しないから。平民兵の方が強いと思う。平民兵で隊長クラスになった人は沢山いる。そして貴族に不愉快な思いをさせる平民出身の兵は飛ばされてしまったけど、それでも彼らは貴族兵よりも強い。一般兵など経験せず、金と権力の力だけで精鋭兵に来る僕達とは違う。一般兵の人は何時間も何万時間も練習を積んでここに来る。その差は歴然、わかるよね?」
「そんなこと…お前貴族界から抜けようとしてるのか?」
「いや抜けようなんてみんな思ってるんじゃないか?この国の貴族は皇帝より権力を握っている部分が多い。金、軍事、他国との交渉……。だから求められる力も大きい。僕たちは貴族だ。普通の人よりも上の立場だ。平民が許されないことだって出来る。だけど僕たちは権力がなければただの人間だ。なにせ特別な能力や特別にできることもない。普通の平民と変わらない人間。それなのに親には"代々この国はこういう制度で男はやらなにゃいけないの!"って強制的にやらされてみんな逃げ出したいって思うでしょ?
でも現実は厳しい。どこまで逃げても貴族ということに変わりはない。どこかで悪さをして捕まれば素性を探られメンメルの貴族だと分かれば恥さらしとして処刑される可能性は低くない。喜ばしいことでも連れ戻されるだけ。僕たちに逃げ場はない。自由が欲しいのならここで認められて家を継ぐしかない。でも僕たちはなにもできていない。毎回負けて愚痴を言われるばかり。もうだめなんてみんなわかってることじゃないのか!?」
「はあ?お前はいつまでもごちゃごちゃうるせえんだよ!確かにお前のいう通りだよ!俺たちは負けてばっかりだ!でもお前とは違う。勝てると思ってる、次こそは、次こそは!!」
前衛で戦っていた男はそう言いあっていた。僕はふと思い返した。あの時、あの瞬間。僕が中級魔法で仕掛けた瞬間。顔が悔しそうな苦しそうな顔をし、逃げたそうになっていた瞬間を。それはこの会話からわかった。
この人たちは自信をなくしているのだと。
その時、僕は前の世界の自分を久しぶりに無意識に思い返していた。
第92話、精鋭兵の会話で自信なのだ!
「あきら様、ありがとうございました。」
「いやこちらこそ。すみません、最後はついやってみたくなってしまって。」
「いえいえ。あのぐらい止められなかった私どもの訓練不足ですよ。それにしても結界を使いこなし中級魔法もあんなにも余裕を持って使えるとは。やはりガガ様に認められし男は伊達ではありませんね。」
「いえいえ、隊長殿の最後の瞬発力もお見事なものでしたよ。」
「ありがとうございます。お褒めに預かり光栄です。ーさてこれで一段といい準備が出来そうだ。あきら様も今回の作戦参加されるのですよね?」
「はい、一応は。僕の故郷なので、当たり前ですよ。」
「これからよろしくお願いします!」
「こちらこそよろしくお願いします。」
そう挨拶を交わした後、僕は先ほどの精鋭兵の稽古を見に行った。さっきの兵士たちの言葉が引っかかっていたからだ。
精鋭兵たちは何やらさっきの稽古場とは別の場所で稽古をしていた。こちらの稽古場は高価そうな装飾や装備品があった。その奥で声が聞こえる。行ってみると奥の部屋で全員で反省会のようなものを行っていた。
「なんで俺たちがあんな化けもんと戦わなければならないんだ!俺たちは貴族なんだぞ!」
「しょうがないだろ?立派な男貴族になるためにはここで精鋭兵となり証明しなきゃならないんだから。」
「ていうかあの平民兵たち、俺たちより自分たちの方が強いって思ってるらしいぜ。」
「それは事実じゃないかな?」
「は!?お前それほんとに言ってんのかよ?」
「ほんとさ。いい加減君は自分の弱さに気づいた方がいいよ。いつまでもここを出られないのはそれに値しないから。平民兵の方が強いと思う。平民兵で隊長クラスになった人は沢山いる。そして貴族に不愉快な思いをさせる平民出身の兵は飛ばされてしまったけど、それでも彼らは貴族兵よりも強い。一般兵など経験せず、金と権力の力だけで精鋭兵に来る僕達とは違う。一般兵の人は何時間も何万時間も練習を積んでここに来る。その差は歴然、わかるよね?」
「そんなこと…お前貴族界から抜けようとしてるのか?」
「いや抜けようなんてみんな思ってるんじゃないか?この国の貴族は皇帝より権力を握っている部分が多い。金、軍事、他国との交渉……。だから求められる力も大きい。僕たちは貴族だ。普通の人よりも上の立場だ。平民が許されないことだって出来る。だけど僕たちは権力がなければただの人間だ。なにせ特別な能力や特別にできることもない。普通の平民と変わらない人間。それなのに親には"代々この国はこういう制度で男はやらなにゃいけないの!"って強制的にやらされてみんな逃げ出したいって思うでしょ?
でも現実は厳しい。どこまで逃げても貴族ということに変わりはない。どこかで悪さをして捕まれば素性を探られメンメルの貴族だと分かれば恥さらしとして処刑される可能性は低くない。喜ばしいことでも連れ戻されるだけ。僕たちに逃げ場はない。自由が欲しいのならここで認められて家を継ぐしかない。でも僕たちはなにもできていない。毎回負けて愚痴を言われるばかり。もうだめなんてみんなわかってることじゃないのか!?」
「はあ?お前はいつまでもごちゃごちゃうるせえんだよ!確かにお前のいう通りだよ!俺たちは負けてばっかりだ!でもお前とは違う。勝てると思ってる、次こそは、次こそは!!」
前衛で戦っていた男はそう言いあっていた。僕はふと思い返した。あの時、あの瞬間。僕が中級魔法で仕掛けた瞬間。顔が悔しそうな苦しそうな顔をし、逃げたそうになっていた瞬間を。それはこの会話からわかった。
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その時、僕は前の世界の自分を久しぶりに無意識に思い返していた。
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