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異世界は現実だ!

竹華 彗美

特殊スキル?で王の話①なのだ!

 第五章
 第88話、特殊スキル?で王の話①なのだ!


 僕は翌日朝起きるとイオちゃんに王の面会があることを知りそれは一時間前に迫っていた。

「絶対ギルドのことだよな〜。ただでここにいるわけでも行かないしここにいる間に結論出さなきゃな〜。クルルさん達にも気を遣ってもらったし。今更断れるのか?いやでも、でも〜!!!」

 あきらの頭はギルド建立の一色だった。もしかしたら"はい"というまで返してもらえないのか、などという妄想をしていた。
 そして結論が出ないままイオが迎えに来る。

「あきら様、お時間です?……ん?お顔の色がよろしくありませんが、どうなされましたか?」
「え?なんてもなひよ。ただ…」
「緊張なされてるんですね。大丈夫ですよ。まだギルドを拒否するか承諾するかを迷っていてもし承諾以外の言葉を言ってしまったら打ち首にされるか一生ここから出られないとかそんなことありませんから。メンメル帝王はそんなに酷なお方ではありません。ーでは行きましょう。逸れないよう付いてきてください。」

 え?この子、今。さらっと僕の不安要素全部言ったよな?メイドってそんな特殊スキルまで付いてるのか!?
 そう思ったがイオちゃんは行動が早いので僕も大人しく付いていった。王室から僕の部屋からかなり離れており一人だと絶対迷う位置にあった。その間もイオちゃんの背中を見つめながら大丈夫とは言われたが不安と緊張しかなかった。そして王室に着き入る。イオちゃんは王室に入ることはなく外で待機。僕は長いレッドカーペットが敷かれ奥には二つの高価な椅子がこちらを向いて並べてある。そしてその椅子と向かい合うように一つの椅子があった。イオちゃんから"椅子が用意されているそうなのでそこでお待ちください"と言われたので恐る恐るその椅子に向かい座った。仕掛けなどはなく一安心。そしてメン王、メル王が入ってくる。こういう時王室には護衛が並んで待機しているものかと思ったが一人たりともいなかった。

「あきら殿、よく来てくださった。我が帝宮の部屋の具合はいかがですか?」
「とても居心地が、が良い部屋です。貸してもらいありがとうございます。」
「いえいえ、この位はさせてもらわないと。強魔族から国を救っていただき、それから先日は人手不足ながらも奴隷売買の中止をしてさらには参加したものすべてを生け捕りとしてくださるなど礼を言っても言い切れません。心から感謝申しあげます。」
「ありがとうございますっ。」
「それで今回は…」
「すみません!」
「はい?」
「まだギルドのことは決まってないんです。あんなにも気を遣ってくださったのに申し訳ございません!」

 あきらが突然立ち上がり大きな声で言ったので王二人も少し驚いた様子だった。

「あー、そのことですか。いえいえ大丈夫ですよ。あまりの突然のことで決めづらいのでしょう。その件はまだじっくり考えてもらって、決して嫌と言われたから死刑にするとかそんなことは微塵も考えておりません。あきら殿のご意思によって決定するものでありますので心配なさらずに。」
「あ、そうなんですか。それならたくさん考えていきます。」
「はい。期限など指定しませんので慎重にお考えになってください。
 今回お呼びいたしましたのはその件ではなくもっと重要なことでして。我らもあきら様に怒られる覚悟で話をします。」
「僕が怒ること?」
「はいっ。ここからの話は僕から話をっ。
 十一日前っトミル王国で事件がありましたっ。その事件とはトミル王国の王がっ、王都内の兵士っ市民っ貴族っを次々と惨殺し王都を占拠しましたっ。特秘隊(特別秘密部隊)が留守だったのもっその調査だったからですっ。特秘隊の調査によるとっ王は事件の前日っ行方をくらまし事件の朝っ何人かの外部の人間を引き連れっ犯行に至ったということっ。ですがっ事件発生から四日後っトミル王国から南に行ったトミル王国領タダンダルにて王らしき人が目撃されたという情報が入りましたっ。」
「それって?」
「そうですっ。あきら殿の生まれ故郷ですっ。特秘隊が直ちにタダンダルに向かうと街は無事でしたがっ確かにトミル王国陛下がいらっしゃいましたっ。そこで疑問となったのは王宮にいる王は誰なのか、ということですっ。それはトミル王国の緊急招集によって戻ってきたっ特別隊が調べてくれましたっ。調査結果は強魔族ですっ。その強魔族は現在も王宮に残った貴族などを人質として取っているということですっ」

 僕は少し混乱した。なぜトミル王国をその強魔族が襲ったのかと。疑問に思った後憎く思った。





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