透明化魔法で出発なのだ！

　第四章
　第78話、透明化魔法で出発なのだ！

　僕は服が異常に高かったことを伝え一回帝都に行って買ってくることを伝えるとクルルさんから了承を得た。この町は橋を渡りきったすぐのところにゲートを設置した。これで戻ってこれる。
　コートを着てゲートを通過する。帝都についた。検問所を通ろうとすると僕の顔を見た兵士は僕の名前を呼ぶ。すると他の作業をしていたものも立ち止まり拍手で迎え入れた。ちょっと恥ずかしいなー。
　門をくぐりメイン通りを歩くとすぐに服屋が見つかった。庶民的な服で安価だ。普通はこのぐらいだろ！と思う。その中でも最も地味で目立たない服を上下4着買い、そこにプラス子供用の服を1着上下買った。僕なんかは下はこのままでも良さそうだが一応だ一応。お金はクルルさんから銀貨一枚をこっそりもらっていた。コビット君を助けたお礼ですと言われたが自分の服の料金は差し引いておこう。そして裏道に入り町にゲートを開いた。

　町の検問所の兵士は帝都ほどではないが礼をし通過させてくれた。そして拠点に戻り買って着た服に着替えた。コビット君にも服を渡すと涙を流しお礼を言ってくれた。みんなが笑顔になる瞬間だった。(その後クルルさんには自分の服代を差し引いたお釣りを返した。ストジネートさんとカルナさんもクルルさんに返そうとしたが依頼を引き受けてくれた一部のお礼と説得され終着した。)

　そして全員が着替え終わった後カルナさんの酔いもだいぶ良くなり現場へ向かうことにした。僕は実行犯に顔がバレているということもあり顔をマスクのようなもので隠した。見つからないようには行くらしいが念には念をだ。コビット君はその場で待機ということになった。

「では行きましょうか。現場へ。今日は当日の動きの確認なので大丈夫ですよ。」
「え？でもどうやって行くんですか？見張りもいるらしいですし私影は濃い方です。」
「カルナさん、その要素って関係、あるか！」
「まぁ大丈夫ですよ。私の魔法を使えば！」

＂トランスポレント＂

　すると真っ先に声をあげたのはコビット君だった。

「お兄ちゃんたち？どこにいるの？」
「え？ここにいるけど？」

　僕はそう言う。するとカルナさんが驚いた声で言った。

「これは、無属性魔法の透明化魔法！クルルさんもしかしてダークエルフだったんですか？」
「えっ！？」

　僕も思わず声が漏れる。

「そうですよ。言っていませんでしたっけ？私は闇属性魔法を得意とするダークエルフです。」

　ダークエルフって。ちょっとイメージとは違うんだけど！髪が黒くって瞳も暗め、服とかも暗めって言う設定じゃないの？髪も瞳も明るくって全然アバットさんたちと変わらないんですけど！

「ダークエルフでもハーフエルフでもアルーヴのエルフもあんまり変わりませんよ。みんな元々は一つのエルフっていう種族なんですから！」

　まぁたしかに正論だな。全く見分けつかないなほんと。というか後になったけど透明魔法なんてものもあるんだ。たしかに秘密部隊にはなくてはならない魔法なのかもな。

「まぁ、その説明は後にして行きましょうか。」
「はい！」
「はい。」
「はい！！」

　全員が返事した後僕たちは拠点を出て現場へ向かった。

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