依頼内容で賞賛なのだ！

　第四章
　第72話、依頼内容で賞賛なのだ！


　僕はクルルさんの依頼を承諾した後、詳細を聞くことになった。僕から簡単に説明すると＂先日、奴隷売買が行われたらしい。メンメル帝国では人身売買は厳しく対応しているという。しかしその監視網を掻い潜り秘密裏に行われていた情報を掴んだその町の検問所兵は帝国に手紙を書いた後乗り込んだらしい。しかしやってないの一点張りで全く認めようとしなかった。町にいる兵は一人しかおらずこれ以上の操作は無理だと判断し手紙を送った。秘密部隊の一員が手紙がついた後すぐに行き様子を見て来た。その後役人にも話を聞いて見たら訛りが入ってたという証言が出たため恐らくはメンメル帝国から東に行ったパンミーヤ王国から流れてきた人だと思われるらしい。そして今回の依頼としては人身売買の首謀者を捕まえ奴隷となった者たちの回収である。

「いつ出発しますか？」
「忙しいですが今日の夜八時にはここを出たいと思っております。」
「わかりました。ところでその村までの交通手段は？」
「歩きます。」

　え！？歩くの！馬車とか馬とかないんですか？クルルさんの話を聞いて少し驚く。帝都の兵士ならそういうのぐらいあると思ってた……。

「その村はどこらへんですか？」
「ここから帝都の方まで戻り北東の方角へ向かえばあります。」
「えっと？帝都から行った方が早いですかね？」
「そうですね。帝都からならば明日の朝出発でも良かったのですが……」

　ん？それなら帝都まで行っちゃえばいいじゃん。一瞬で。

「帝都まですぐいけますよ。」
「はい？」
「帝都まで一分もなくいけますよ。」
「え！？」
「僕、＂ゲート＂使えるので一応帝都までならばすぐに行けます。そこまで魔力も使わないし。」

　そういうと僕と話すクルルさんは目をキラキラさせて尊敬の目で見てきた。そして結界内でガガさんらに依頼の話をし終わってきたストジネートさんにこの話を伝えるとストジネートさんも感激したような目で僕を見てきた。そして二人にまた賞賛された。
　ガガさんたちは快く承諾してくれた。僕の怪我ももう問題ないらしい。あとガガさんとストジネートさんの話を聞いていたカルナさんは自分も行くと後で言ってきた。僕はそれを承諾し早朝出発することをクルルさん達と決定した。メンバーは僕とストジネートさん、クルルさんカルナさん。あとは先に現場に行って偵察を行っている秘密三部隊の六人、計十名だ。
　そのことが決まるとクルルさんとストジネートさんは外でもう寝ると言い始めたので＂検問所の中で寝てください＂と説得した。カルナさんも用意をすぐ整えてきて検問所の中で寝た。四人で寝ると寝返りを打つのがやっとというぐらい狭くなってしまったが、僕は全く気にしなかった。ふと男女で分けた方が良かったのか？と思ったが既にみなさん寝ていたのでそのまま僕も就寝した。

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「ねぇまだ着かないの？」
「そんなに焦るな。市が始まるのは明日の夜中だ。まだ十分時間はある。」
「そうね。ーそれにしても昨日は笑えたわ！あの男の人あっという間に死んじゃって。あの奴隷君達もすぐ死んじゃって！」
「あんなものだよ。お前は俺が遊ぼうと思ってきてみたら全員殺してやがって。」
「すみませんね。今度はちゃんと残しておくから！」
「頼むぜ。殺し屋、サンドラ。」