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異世界は現実だ!

竹華 彗美

目覚めで看病なのだ!

 第四章
 第66話、目覚めで看病なのだ!


 フルカスから受けたダメージは相当大きくあきらが再び眼を覚ますまでに十一日間かかった。そしてあきらが目を覚ました日からちょうど四日前、トミル王国で事件が起こっていた。

「おい!どういうことだ。」
「だから、本当にそうなんですって。……」
「そんなことがあり得るか!」
「自分の目で見てくればいいではないですか?」
「いいだろう!!」
「国王陛下!!!そんな奴の口車に乗ってはいけません!」
「うるさい!自分の目で見てくる!お前らの力など借りれるか!」

「陛下、この有様は?」
「は?殺したんだよ、全員。楯突いたのはこいつらだし、私は悪くないんだ、何も悪くないんだ!」
「あなたのことは信じていたのに。なぜこんな酷いことを?教えてください!陛下!!!!!」
 "グサッ!!!!"

「お前は誰なんだ?」
「私か?トミル王国の国王だ!!!」

「陛下おどきください。私が盾に!!!」
  "ドカン!!!"
「陛下!陛下!早くお逃げに……」






 あきらが目を覚ましたのは見覚えのある天井だった。周りは静かで誰もいないようだ。体を動かそうとするがなかなか動かない。どこも痛いところはない。疲れてもない。精神的には今にもジャンプできそうだった。

「ガガさん、これって?」
「ああ間違えない。」
「あきらくんには伝えた方が?」
「いや、少し黙っておこう。あきらのためでもあるしな。」
「わかりました。ん?あ!あきらくん、目覚ましたようですよ。ガガさんは来なくていいです。僕が行きますので。」
「わかった。行ってきてくれ。」

 アバットさんは結界を抜け検問所へ向かう。検問所には結界がかかっている。アバットさんはそれを魔法ですり抜けあきらの下まで行った。
「あきらくん。おはようございます。体の調子はどうですか?」
「○☆*〒%¥€」
「あ、そうでしたね。口封じかけてました。"マジックキャンセル"」
「アバットさん、おはようございます。体の調子は特には問題なさそうなんですが動かないです。」
「それは気にしないでください。魔法ですから。」
「そうだったんですか。よかったです。」
「はぁ。もう!全く良くありませんよ!あきらくんは無理しすぎです。今回も危なかったんですから!治療中に暴れるわ騒ぐわで大変だったんですからね!」
「あ、ああ……すみません、アバットさん。」
「礼なら僕ではなくあの女性に言ってあげてください。あの女性も軽度ではありましたが傷を負ってました。僕は安静にしていてほしいと言ったのですが聞かなくて、あなたの看病をずっとしていましたよ。」
「え!?カルナさんが?じゃあ他のみんなは!」
「心配には及びません。他の皆さんは1日寝かせておけば完治したので。他の皆さんもあきらくんの看病をしていましたよ。」
「早くお礼を言わなければ!」
「みなさん今は眠っています。あと三時間ほどで起きると思いますので待っていてください。」
「あ、はい。わかりました。」

 僕はカルナさんたちが起きるまで待つことにした。

「アバットさん、すみません。」
「何ですか?」
「少し体を動かしたいのですが拘束魔法を解いてもらえませんか?」
「あー。そうでしたね。すっかり忘れてました。"マジックキャンセル" これで解けたと思います。」
「ありがとうございます。」

 僕は布団から出て立ち上がろうとしたが出来なかった。

「あー。そうでしたね。人間は筋肉の温存が出来なかったですね。もう十一日間も動いてなければ筋肉は弱ってしまっていますね。しょうがない。」

 そういうとアバットさんは僕の肩に手を当てた。すると何か変な感じがした。

「今のは?」
「これは筋肉を一時的に強化する魔法です。体に負担がかかってしまうのであまり使いたくはないのですがしょうがないですね。無理な運動はせず歩くだけにしてください。筋肉活性化の魔法もつけといたので少し歩けば十一日間衰えた筋肉は元に戻ります。」
「あ、ありがとうございます。」

 僕はアバットさんにお礼を言い検問所の外へ歩いていった。

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