異世界は現実だ!

竹華 彗美

巨人族の仮説で高級宿屋なのだ!

 第三章
 第47話、巨人族の仮説で高級宿屋なのだ!


 宿は石造りではあるがタダンダルやニアーの検問所とは違い、レンガの感じではなくコンクリートの様な壁だった。魔法説明の時にはひとつ言ってなかったことがあるがジャイアントすなわち巨人族というのもいるとダニー兄さんから一度だけ聞いたことがある。巨人族は地属性魔法を唯一使うことができる種族らしい。というのも人間が使えるか試したことがないらしい。人間は知識欲が多いため使えるか試したい願望があるが地属性魔法は詳しく書いてある魔法書がなく、巨人族の町に行かなければ魔法を知ることができないという。人間は巨人族の村に行って地属性魔法を僕たちに伝えようとしているが巨人の町はかなり遠くの地にあるため行ったものは帰ってきたことはないという。
 そしてダニー兄さんが話してくれたことの一つにこんな仮説があった。地属性魔法の中には今まで見たこともない輝く石を作れる能力もあるということを。言う所の宝石だろう。どんな鉱石でも作り出せる魔法、家づくりだって簡単だろうな〜などど思う。
 まあそんな仮説をいま思い出しても何にもならないからな。僕はベットに横になる。今まで異世界いや元の世界にいた時の中で一番ふかふかのベッドだ。それに壁には豪華な額縁の肖像画が飾られていた。誰なのかはわからないが繊細に描けている。絵など全くの素人から見てもそう思う作品だった。それに大きな照明。個室だというのに無駄に広い。
 そして一番驚きだったのがお風呂があることだった。木のお風呂ではあったが異世界で最初に会うのが個室の木の風呂だとは思わなかった。砂漠地帯では水は貴重だったから、川の水で洗ってたわけだがやはり僕も一応日本人なのであまり合わなかった。ニアーでは自分で"ウォーター"で出した水で体を洗っていた。砂漠でやると暑いので丁度いいのだが、やはり解放的すぎて誰もいないにしても裸というのは恥ずかしかった。だが、ここは違う個室で上質な木の匂いを堪能しながら温かいお湯に浸かる。異世界に来て初めてのお風呂だったのでテンションが上がって長く入っていたら案の定のぼせた。頭がくらくらする。コップがあったので一応水は容器にあるが自分の魔法の方が安心感があるので"ウォーター"を発動させ水を汲み飲む。"ウォーター"はなぜこんなきれいな水が出てくるのか不思議なくらい透き通っていて美味しい。砂漠地帯で水売ったら儲かりそうと思った時もあったがお世話になった人たちからお金を取るのは人としてどうだと思ったので、そんなことはしてない。
 料理は木の実の和え物やら動物の肉のステーキなどだったが当然美味しかった。まあ料理に関しては今まで食べて来たニアーの人たちのご飯や、セブンストさんのご飯の方が美味しいけどな。愛がこもっててという理由もあってそう思った。
 宿を満喫してその日はゆっくりベットで寝た。

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