異世界は現実だ!

竹華 彗美

海で地熱なのだ!

 第三章
 第33話、海で地熱なのだ!


 僕は検問所を後にし、町に向かった。

「ほんと、だれもいないんだな〜。」

 町には人はほんとに一人残らずいなく、生物としてはカモメが空を飛んだりしているだけだった。
 町の建物は壁は白い。低い家が多い。例えるなら世界遺産にもなっていたイタリアのアルベルベッロ?だっけか。なかなか印象的な名前だったから覚えていた。まあそんな感じだ。
 あの建物の屋根はトンがってて円錐みたいだが、ニアーの町の屋根は平たい感じで正方形に近い。遠くから見たら空の青と海のエメラルドグリーンと家の白がよく映えていた。近くから見てもきれいだ。

 僕はしばらく町を散策した後、海の方へ向かった。僕の家は都会の郊外で海なんて見る機会なかったし、中学の時に臨海学習みたいの行ったけど嫌な思い出ばっか頭に残ってて海に行ったという記憶はない。
 なので海を見ると興奮してしまった。まぁ水着を着て遊ぶということはしなかったにしても近くに寄って海を見た。
 
 それにしてもほんとにだれもいない。こんなにきれいな海岸なのだから一人ぐらい冒険者が遊んでいてもおかしくない……というものの冒険者というものに、僕自身一回も会ったことないっけか。トミル王都にいたのかもだけどわからなかったなあ〜。あの女性だって冒険者と決まったわけじゃないし。
 あの女性を探しに旅に出たわけだがまだ情報も掴めてない。この町で情報をつかもうとしたんだがこうも人がいないとな。あのおじいさんは町民はみんな仕事に行ってると言ってたけど、どこに仕事に行ってるんだ?港町なら定番は漁師か。漁師なら海の上か。船というものがあるのだろう。でもここから全く見えないぞ?確か僕から見て地平線までの距離は四・五キロしかないと聞いたことがあるが、海で四・五キロってかなりだよな。もしかして機械船なのか?
 そんなことを考えているといきなり一人のおじいさんが僕の前に現れた。

「おお!これは珍しい!あなたは冒険者の方ですかな?」
「ええ。そうですが?あなたはこの町の……」
「そうです。ようこそおいでなさいました。港町ニアーの町長。パニーダ。どうぞお見知り置きを。」
「ああ……そうですか。僕はあきらと申します。……で、今のはなんでしょうか?」
「ああ、ご存知ありませんでしたか。あれは、」

そう。僕が見たのは人が海面を歩いている様子だった。町民全員で海を歩いていた。そしてパニーダさんは言った。

「ここは地面と気温の差が極端に大きくてね。地面が熱くて気温が寒い。ここに立ってみてください。」

 僕は海と思っていた場所に町長さんに言われたのでコートを脱いで立ってみる。海の部分は紫外線の強さは変わらなかったが結界外とは全く違い、

「寒い。」
「そうなんです。この砂浜と海のように見える部分とでは気温が全く違う。」
「確かに。ですがなぜ地面は暖かいのですか?」
「地面は地熱で暖かいのです。」
「地熱……なんですか。」

 僕の頭の中はクエスチョンマークでいっぱいだった。

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