異世界は現実だ!
起きて借りなのだ!
  第ニ章
 第29話、起きて借りなのだ!
 
「……え?」
「あきら!起きたか?大丈夫か?どこも痛くないか?」
「……ワンストさん!?」
ワンストさんが手を握って来る。
「……痛いところはないです。強いて言うならワンストさんが手を強く握ってるせいで指が折れそうですが。」
「あ?……ああ。すまんすまん。あんな姿で担がれて来たからな。死んだかと思ったんだ。」
「……あ!そうだ。なぜ僕はここにいるんですか?シチホダは!?シチホダはどうなったんですか!?」
「え?……ああ。何にも覚えてらんのか。俺が見に行ったが死んでたよ。腹に大穴開けてな。」
「やっぱり。じゃあなんで僕はここに?」
「まあまあ。一回落ち着こう。腹減ってるだろう?飯、用意してある。食べながら話そう。」
僕は立ち上がろうとしたがうまく立ち上がれなかったのでワンストさんにおんぶしてもらって食卓についた。食卓にはワンストさん兄弟が勢ぞろいしていた。その中でワンストさんが話し始める。
「では俺が見た最初のことから話そう。俺はお前に言われ村の外に出たんだ。でもやはり心配になって俺だけ村に引き返した。それで村に入ったあたりでシチホダがいるところに光の線のようなものが落ちるように見えたんだ。俺はお前の攻撃だと思って全力で向かった。いくらか走っていたら人影が見えたんだ。流石にビビって逃げようとしたんだが声をかけられ後ろを振り返った。するとフードを被った若い姉ちゃんがあきらを担いでいるじゃねぇか。で、事情を聞いたんだけどあきらが瀕死の状態だったところを助けてくれたらしくてな。回復魔法をかけておいたから安静にしとけば良くなると言われてな。それで布団に寝かせてたんだ。それでお礼を言おうと思って家の外に出たらもういなかったんだよ。兄弟たちも光の線が見えたらしく俺を追いかけて来たんだがそんな人はいなかったっていうんだ。それでその後シチホダを見に行ったら腹に大穴開けて死んでたってわけだ。それでお前は一週間、目を覚まさないし心配でたまらなかったんだぞ!」
「ワンストさん!そのフードの女性名前はなんと?」
「ああ。聞こうとしたんだがな。残念ながら聞けなかった。」
「そうですか。」
「知り合いか?」
「いえ。まだそういう関係ではありませんが一度会ったことがあります。」
「そうか。……だがすごいなお前は!強魔族を倒すなんて!」
「いえ。トドメを刺したのは僕ではなく多分そのフードの女ですよ。僕はシチホダの足をニ本切ったのですがその後は攻撃を受けて瀕死の状況でしたから。」
「そうなのか……。でも、でもな。強魔族にダメージを与えるなんてそうそうできることじゃない。やはりお前はすごい。」
「そうですね。すごいと思いますよ。」
「違いない。」
兄弟たちも賛同する。拍手もされるが、僕はすっきりしない。まだ完全に回復してないというのもあるが、僕に力がまだ足りなかったということにだ。それであの女性に助けてもらってしまった。やはりすっきりしない。
でも確かに今、この地に生きている。助けてもらって生きている。またこの世界に借りができてしまったようだ。これは簡単に死ねないな。僕はそう思う。
僕はご飯を食べ終わりまだ完全に回復したわけではなさそうなので、また寝させてもらうことにした。
 第29話、起きて借りなのだ!
 
「……え?」
「あきら!起きたか?大丈夫か?どこも痛くないか?」
「……ワンストさん!?」
ワンストさんが手を握って来る。
「……痛いところはないです。強いて言うならワンストさんが手を強く握ってるせいで指が折れそうですが。」
「あ?……ああ。すまんすまん。あんな姿で担がれて来たからな。死んだかと思ったんだ。」
「……あ!そうだ。なぜ僕はここにいるんですか?シチホダは!?シチホダはどうなったんですか!?」
「え?……ああ。何にも覚えてらんのか。俺が見に行ったが死んでたよ。腹に大穴開けてな。」
「やっぱり。じゃあなんで僕はここに?」
「まあまあ。一回落ち着こう。腹減ってるだろう?飯、用意してある。食べながら話そう。」
僕は立ち上がろうとしたがうまく立ち上がれなかったのでワンストさんにおんぶしてもらって食卓についた。食卓にはワンストさん兄弟が勢ぞろいしていた。その中でワンストさんが話し始める。
「では俺が見た最初のことから話そう。俺はお前に言われ村の外に出たんだ。でもやはり心配になって俺だけ村に引き返した。それで村に入ったあたりでシチホダがいるところに光の線のようなものが落ちるように見えたんだ。俺はお前の攻撃だと思って全力で向かった。いくらか走っていたら人影が見えたんだ。流石にビビって逃げようとしたんだが声をかけられ後ろを振り返った。するとフードを被った若い姉ちゃんがあきらを担いでいるじゃねぇか。で、事情を聞いたんだけどあきらが瀕死の状態だったところを助けてくれたらしくてな。回復魔法をかけておいたから安静にしとけば良くなると言われてな。それで布団に寝かせてたんだ。それでお礼を言おうと思って家の外に出たらもういなかったんだよ。兄弟たちも光の線が見えたらしく俺を追いかけて来たんだがそんな人はいなかったっていうんだ。それでその後シチホダを見に行ったら腹に大穴開けて死んでたってわけだ。それでお前は一週間、目を覚まさないし心配でたまらなかったんだぞ!」
「ワンストさん!そのフードの女性名前はなんと?」
「ああ。聞こうとしたんだがな。残念ながら聞けなかった。」
「そうですか。」
「知り合いか?」
「いえ。まだそういう関係ではありませんが一度会ったことがあります。」
「そうか。……だがすごいなお前は!強魔族を倒すなんて!」
「いえ。トドメを刺したのは僕ではなく多分そのフードの女ですよ。僕はシチホダの足をニ本切ったのですがその後は攻撃を受けて瀕死の状況でしたから。」
「そうなのか……。でも、でもな。強魔族にダメージを与えるなんてそうそうできることじゃない。やはりお前はすごい。」
「そうですね。すごいと思いますよ。」
「違いない。」
兄弟たちも賛同する。拍手もされるが、僕はすっきりしない。まだ完全に回復してないというのもあるが、僕に力がまだ足りなかったということにだ。それであの女性に助けてもらってしまった。やはりすっきりしない。
でも確かに今、この地に生きている。助けてもらって生きている。またこの世界に借りができてしまったようだ。これは簡単に死ねないな。僕はそう思う。
僕はご飯を食べ終わりまだ完全に回復したわけではなさそうなので、また寝させてもらうことにした。
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