女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが

ko-suke

368話 大和、ギリアウト(攫)




2月28日。卒業式まであと2日となったこの日、学校では卒業式の予行が行われていた。

校長の長ったらしい話を受け流し、名前を呼ばれて返事をする。単純な作業の繰り返しで眠くなる。

というかうちの学校、自由登校無かったな。なんでなんやろか・・・。

理子や聖菜は俺と同じく聞き流し、加奈に至っては寝る寸前という始末。真面目に聞いているのは雫だけだった。だろうね。

予行が終わり、ホームルーム。

中守「みんなと会うのもあと1日なんだね・・・寂しいなぁ。」

先生がそういうと、先生に惚れ込んでいる男どもが喚く。嬉しそうにしながらも決して笑っていない目でこちらをチラチラ見てくる先生は、恐怖でしかなかった。

予行のおかげで3年生は午前中授業。しかし、奈緒と愛菜とも会いたいために、放課後にまた集まる約束をして帰った。

そして─

リリィ「ちょっと早いですが、3年生の皆さん、卒業おめでとうございます!今日は楽しんでください!」

みんな「おーっ!」

何故かリリィの家でパーティすることになった。



理由としては簡単で、リリィが高そうな車でうちの高校に乗り込んできて、俺らをさらっていったから。言い方は悪いがそういうことである。

まぁ、俺も久しぶりに会いたかったし、別にいいんだけどな。ただ、理子達が余計なことをしなければいいんだが。

そんなことを思っていると、突然

リリィ「大和さん!!」

リリィから大きな声で呼ばれた。・・・なんだろう、嫌な予感しかしないや。

大和「ど、どうした?」

リリィ「加奈さんから聞きました!卒業したら皆さんと結婚するってどういう事ですか!?」

大和「加奈ェ・・・」

さすが加奈、期待を裏切らない。って言ってる場合かこんちくしょうめ!あんにゃろう・・・。

大和「ええっと、そのだな。色々と深い事情があって・・・」

リリィ「なんですかそれ!なんで私はその中に入ってないんですか!!」

大和「いや、リリィはまだ小学生な訳で・・・」

リリィ「小学生だろうがなんだろうが、別にいいじゃないですか!」

大和「良くない。俺通報待ったナシだからなそれ。」

リリィ「大丈夫です!私は永遠に大和さんの味方ですから!通報なんてはねのけてやります!」

大和「それは頼もしいんだが、本人どうしがどう言ったって、世間が許しやしねぇの。頼むからわかってくれよ。」

リリィ「十分わかってますよ!わかってて言ってるんです!」

大和「尚更タチ悪いじゃねぇか。」

リリィ「それに!聞いたところ、大和さん、すごい人数養わなきゃいけないじゃないですか!お金とか大丈夫なんですか!?」

大和「そこは・・・何とかするよ。」

リリィ「そんなんじゃダメです!絶対大丈夫っていう保証がないと!幸せにするんでしょ!?」

大和「そりゃそうだけどよ・・・」

そう言うと、リリィは(ホボナイ)胸をそらせ、仁王立ちのような体勢になってこう言った。

リリィ「でしたら!私にお任せ下さい!」

大和「え?」

・・・また嫌な予感が。

リリィ「私との結婚を条件に、金銭面を全て私の方でバックアップしますから!!大丈夫です、馬鹿みたいにお金あるので!」

大和「いやいやいやいや!そんなことダメだよ!もっとちゃんと考えて・・・!」

リリィ「考えた結果です!」

大和「だとしても、お金のために結婚とか訳わかんないから!そんなんで、リリィ含めみんなを幸せになんて、できるわけないだろ!?」

俺もリリィも、いっぽも譲らずに声を張り上げる。すると

理子「まぁまぁ、大和」ガッ

聖菜「この子とも婚約してあげて?」

大和「ファッ!?」

唐突すぎて驚きが声にならない。

雫「大和くんのお金だけでやっていくのは、正直厳しいですし。」

加奈「かといってあたい達には、むこうで働くつてもないしな。」

大和「だけど・・・!」

奈緒「大和先輩を愛しているのは、私たちも同じなのです。似たもの同士は、仲間になるべきなのですよ。」

愛菜「それに、リリィちゃんと、もっと仲良くなりたいし。いいよね?大和先輩。拒否権ないけどね。・・・断るなら、さっき考えてた失礼なこと、リリィちゃんにバラすから。」ボソ

大和「滅相もございません。リリィさんとの結婚、お受け致します。」ササッ

弱みを握られた俺は、赤ん坊より弱かった。

リリィ「うふふ、嬉しいです♪よろしくお願いしますね?大和さん!」

大和「・・・あぁ、よろしくな、リリィ。」

リリィ「はいっ!」

大和「ただし!高校出るまでは結婚しないからな!それまではあくまで婚約!」

リリィ「えー・・・」

大和「えーじゃない。」

そんなわけで。俺はまた1人、結婚相手が増えてしまった・・・これ、大丈夫だよね?

ちなみに、リリィの執事さんは、隅っこでハンカチ片手に涙ぐんでいた。リリィの為にも、この人の為にも、もっと頑張らなくちゃな。


☆コメント返信がコーナー☆


・ラム&ロムさん
「成長しているようで、実はまったく成長していない大和であった…。
かわいい奥さんのために、英語だけはタヒぬ気で覚えようねー。」

→大和「分かってる、絶賛勉強中だ。」

おう、ガンバガンバー。・・・にしても、言われてる通り、成長してないのな、お前。

大和「少しくらいは成長してると思うがな。主にメンタル面で。」

それは、変な耐性がついたという意味?

大和「おう。要らん耐性がついた。」


コメント

  • 黒田玄

    お久しぶりです!受験終わってようやく見れました!
    見てない間にめちゃくちゃカオスになってて笑いました。
    これからも、お体に気を付けて頑張ってください!!

    1
  • 黄昏ノーム

    あーあー大和君
    遂に小学生にまで
    ……コレは流石にw
    女神よカレヲスクッテクレー
    (まぁ作者権限で作者が何とかするよねw)

    1
  • ラム&ロム

    妹に加えて小学生とか、ここまで来てブタ箱エンドあるで!
    まぁ、そうならないように神様(作者and女神)にでも、お祈りしなきゃね^^

    1
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