女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが

ko-suke

315話 崩れし幻想は尚光を放ち




大和「そ、それってどういう・・・」

愛菜「そのまんま。大和先輩の後ろには、大和先輩が言っているような人はいない。」

大和「・・・その冗談は、ちょっと笑えないぞ。」

愛菜「笑う必要は無い。冗談じゃないから。現実のこと。」

大和「・・・姉ちゃんがいないって言うなら、俺が見えてるのはなんだってんだよ!?」

理子「大和・・・」

愛菜「・・・きっと、受け入れられないと思うけど・・・それでも聞く?」

大和「あぁ、頼む」

愛菜「そう、なら言うけど─」

次の瞬間、愛菜はとんでもないことを言った。

愛菜「─大和先輩が見ているのは・・・妄想。または幻覚ともいうもの。」

大和「は・・・?」

そんなこと、有り得るはずがない。
その証拠に、姉ちゃんは俺の頭を撫でた。幻覚だって言うなら・・・そんなこと出来るはずがない。

大和「何言ってんだよ、そんなわけないだろ?なぁ姉─」

そう言って振り返った先には

大和「ちゃ・・・ん?」

誰も、いなかった。



大和「え?あれ・・・姉ちゃん?どこ行ったんだ?」

愛菜「幻覚は、誰かに気付かされたら直ぐに消える。」

大和「姉ちゃん・・・なぁ・・・隠れてんだろ?今までそうだったようにさ?」

愛菜「大和先輩・・・これで分かったでしょ?あなたが見ていたのは・・・淡い妄想。」

大和「・・・」

ナニヲ、イッテイルンダ?

大和「・・・なぁ、愛菜。」

愛菜「・・・何?」

大和「姉ちゃんはどこ行っちまったんだ?」

愛菜「・・・さっきから言っているはずだけど、聞こえてない?」

大和「おい、姉ちゃんはどこ行ったんだよ!?なぁ!おい!」

理子「ちょ、大和やめなよ!」

多少言い方がきついかもしれないが、仕方がないのだ。姉ちゃんがいない、姉ちゃんが─

愛菜「いい加減うるさい。」ガッ

大和「え」

愛菜「そんなうるさいお口には─」

愛菜が何かを口に含んで・・・

愛菜「・・・おしおき」チュゥ

大和「・・・!?」

キスをされた。いや・・・それだけじゃない。

愛菜「ん・・・」ニュ

大和「!?!?」

フレンチキスをされた。そのまま、愛菜の舌は奥へと入り・・・‘何か’を喉の奥へと押し込まれ、飲み込んだ。

愛菜「・・・っは・・・」

大和「ちょ・・・いきなり何して・・・」

少しずつ、まぶたが重くなっていく。あかん・・・これ、落ちるヤツや・・・。

大和「まさ、か・・・眠らせるやーつ・・・」バッタン

俺は耐えきれず、意識を手放してしまった。



・・・ごちゃごちゃすぎて、何が何だかわかったもんじゃない。私は、B級アニメでも見ているのだろうか?

愛菜「・・・安心して、現実。」

理子「尚更安心できないよっ!?」

私は素早く突っ込む。というか、今心読まれなかったか・・・?ま、いっか。愛菜ちゃんは、アスファルトに突っ伏した大和を起こした。

大和「zzz・・・」

こんにゃろ、気持ちよく寝てやがる・・・って、そういえば

理子「ねぇ愛菜ちゃん、さっき大和に何したの?」

愛菜「・・・睡眠薬を飲ませた。即効性のあるやつを。」

理子「す、睡眠薬!?」

愛菜「大丈夫、そんなに強いものじゃない。」

理子「・・・なんで、そんなもの持ってるの?」

愛菜「・・・お母さんが原因。」

理子「愛菜ちゃんのお母さんが?」

愛菜「・・・あの人、大和先輩と付き合うって言った瞬間、睡眠薬を渡してきた。話を聞いたら『これ使って、早いとこヤっちゃいな』と。」

理子「oh......」

行動力のあるお母さんだこと。

愛菜「それより、大和先輩が気づく前に保健室に連れていかないと。」

理子「ん、それもそうだね。こんなとこで寝かせておくのもあれだし・・・」チラ

スーッ、スーッと寝息を立てて眠る大和。・・・久しぶりにみたその寝顔に、私は興奮を覚えてしまった。

愛菜ちゃんも〇ろちゅーしてたし、ちょっとくらい─

愛菜「理子先輩?こんなとこで何おっぱじめようとしてるんです?」ゴゴゴ

理子「ぴっ!?」ビクッ

愛菜ちゃんから、鬼神のようなオーラが見えた。ヤバい・・・

愛菜「・・・そういうことは、保健室に連れていってから、ね?」

理子「よっしゃ、今すぐ連れていこう!」ヨイショ

愛菜「うん。みんなに気づかれる前にやっちまおう」ヨイショ

私と愛菜ちゃんは、大和を担いで学校へと向かった。


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