163話不思議な贈り物

それは、ゴールデンウィークの最終日のことだった。

ゴールデンウィーク前に出された宿題の処理しょりに追われていた俺は、自室じしつに篭こもってやっていた。

父さんと母さんは買い物に行き、この家にいるのは鈴と俺だけだった。

俺がやっと3分の2を終わらせ、背伸びをした時だった。

ピンポーンと、家のインターホンがなった。

下で足音がしたため、鈴が出てくれたと思い、俺はまた勉強へと戻もどる･･･はずだったのだが。

ピンホーン

何故か、2回目のピンポン。

鈴、出てくれなかったのか？そう思い、仕方なく部屋を出て、玄関げんかんに向かった。

･･･すると、何故か鈴が、モニターを見て首を傾かしげていた。

大和「どうしたんだよ？鈴。」

そう聞くと、

小鈴「･･･ねぇおにぃ、ネットでなんか頼んだ？」

と返された。

大和「え？いや、頼んでないぞ？」

小鈴「でも、これ。」

鈴がモニターを指さす。

そこには、宅配業者たくはいぎょうしゃの人がいて、さらに『あの、稲木大和いなきやまとさんにお届けものでーす。』と言っていた。

大和「･･･どういうことだよ？」

小鈴「さぁ？同好会の誰かが、送ってきたんじゃないの？」

大和「うーん･･･まぁ、受け取るか。」

俺は玄関に向かい、ドアを開けた。

宅配「あぁ良かった、居ないかと思いましたよ。」

大和「すみません。･･･それで、届けものって？」

宅配「あぁ、これです。」ｻｯ

宅配業者が渡してきたのは、大きくもなく、小さくもない箱だった。

宅配「ここにハンコお願いします。」

大和「あ、はい。」

俺は玄関脇わきのハンコを取り出し、印を押した。

宅配「あざした～。」ｶﾞﾁｬｯ

宅配業者は帰っていった。

大和「一体なんだろ･･･？」ﾋﾞﾘﾋﾞﾘ

俺は刑事けいじドラマなんかで見る、開けたら爆弾ばくだんとか、カミソリが仕込んでないかとか、そんな少しの好奇心こうきしんにつられ、開けてしまった。

大和「こっ、これは･･･！！」

俺は開けて感動した。

･･･その中身は･･･。

「グラブ・ジャムン」と「クイニーアマン」だった。

グラブ・ジャムンは「世界一甘い」とされる、お菓子のシロップ漬けの缶詰かんづめ。クイニーアマンは、バター菓子だ。甘党の俺は、とても感動してしまったのだ。

箱をよく見ると、みんなで食べてねと書いてあった。

･･･そういえば、これいったい誰が？箱を見たが、宛先は不明だった。

まさか、毒とかじゃ･･･。

そう思い、クイニーアマンを切ってみたが、特に変わったものはなかった。

大和「鈴、ちょっと。」ﾁｮｲﾁｮｲ

鈴「何～？･･･って、これは？」

大和「送られてきたやつ。」

鈴「大丈夫なの？それ。」

大和「多分。ほれ、半分。」ﾋｮｲｯ

鈴「わっ･･･と。え、まさか毒味しろと？」

大和「俺も食べるから、半分やるってだけだ。」

鈴「･･･そ。ならいいけど。」

大和＆鈴「いただきます。」ﾊﾟｸｯ

俺はガッツリと、鈴は女の子らしく、カプっと食べた。･･･いや、怖いだけなのかもしれないが。

･･･普通に美味しかったけどな。

大和「明日にでも配るかな～。クイニーアマンは。缶詰は･･･家族で食うか。」

俺はグラブ・ジャムンを戸棚にしまい、クイニーアマンを箱に戻して冷蔵庫に入れた。

コメント来たので
☆コメント返信のコーナー☆
・神無月さん
「「ねぇねぇ、女の子達よ大和に上げるお菓子にドラゴンズブレスちりをいれてみては？」」

→理子「いやぁ、さすがにそこまではしないよ。ねぇ？愛奈ちゃん。」

愛奈「･･･。」ﾒｿﾗｼ~

理子「･･･まさか、ね？」

・ミラル　ムカデさん
「大和～乙ー

はいホールケーキ=^・ω・^=」

→鈴「あざ！」

大和「俺のセリフ･･･。」

・アニメ好き不登校さん
「大和～プレゼント！
(グラブジャムン)」

→ネタにさせて頂きました。

大和「とにかく、ありがとうございます！」

・颯★改さん
「いやはや自分の罪を認めてあそこまで罰を受けるなんて君は凄いねぇ。
(大爆笑)
もしかしてMなのかな？かなかなかな？
何はともあれ、頑張った君にはご褒美だ！
じゃん！
クイニーアマン～(ダミ声)×10
颯★改商会の特別性だよ！
皆に分けてあげてネ。
今回は何も入れてないから安心してネ！
じゃねー！」

→同じく、ネタにさせて頂きました。

大和「褒められてるの？貶されてるの？」

小鈴「6:4くらいで褒められてるんじゃない？」

ネタの提供、ありがとうございます！