女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが

ko-suke

84話 原因は内にありて




大和「え、えーと・・・ふ、ファンクラブ?」

俺は少しとまどった。

咲月「そ。まぁ、アイドルとかのとはちがって、無料むりょうだけど。」

大和「あ、そこはちゃんとしてるんですね。」

咲月「流石に、ね。無許可むきょかなわけだし。」

大和「まぁ、たしかに。」

俺はみょう説得力せっとくりょくのある言葉に、少しうなずいた。

咲月「まぁ、私が作ったんだけどね?」

大和「あんたかよ!!」ビシッ

俺は敬語けいごを使うのも忘れ、咄嗟とっさにつっこんだ。

さっきの頷きを返せぃ・・・。

咲月「立ち上げたときは数人しかいなかったんだけどね・・・なんかいつの間にか、100人以上の規模きぼに・・・。」

大和「えぇ・・・。」

ここまでくると、若干じゃっかん引くものがあった。

大和「てか、なんでそんなことに・・・?」

咲月「うーん・・・多分、学校新聞がっこうしんぶんのせいだと。」

大和「学校新聞って・・・月一の。」

俺の学校は月に一度、行事やその月の事件(といっても、アクシデント止まり)を書いたものを発行している。

当初は学校のみの掲示けいじだったのだが、数年前すうねんまえに市役所にもられるようになった。

咲月「そう、それ。あれ、生徒会で作ってんだけどさ、11月分の記事きじで、君のことを書いたんだよ。」

大和「俺のことを?」

咲月「うん。文化祭のやつでね。そのとき、ファンクラブのことも一緒いっしょに書いといたんだ。そしたら、入会者にゅうかいしゃが増えちった☆」

大和「増えちった☆ じゃないですよ!!何してくれてんですか!!その記事も無許可むきょかだし!!」

咲月「そんなおこんないでよ、ね?なんだったらおびに、私のファーストキスあげるからさ。」

大和「そんな大事なものを、人にホイホイあげちゃダメですよ!」

咲月「大和っちだからあげるんだよ?」

大和「っと、とにかく!そのファンクラブ、どうにかしてくださいよ!」

咲月「えー」

大和「えー、じゃない!」

咲月「・・・ねぇ、大和っち?」
 
咲月が真剣しんけんな顔になる。

大和「・・・なんですか?」

咲月「ファンクラブに入ってるってことはね、みんな大和っちが好きってことなんだよ?それを無下むげにするの?」

大和「っ!!」

咲月「ねぇ?」

大和「・・・。」

咲月「・・・だからさ。」

咲月がほがらかな表情ひょうじょうになり、言った。






咲月「君はファンクラブの全員と、キスをしないとダメなんだぞ♪」

大和「なんか正当化せいとうかされてますけど、それただ単にキスしたいだけですよね!?」

咲月「・・・バレたか。」

大和「どちくしょおぉぉぉ!!シリアスを返せーーっ!!」

俺は咲月先輩を帰らせ、1人ワナワナとふるえるのだった。





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