女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが
50話 ヴィーちゃんな山姥
「えっ?なんだって?」
俺は思わず聞き返してしまった。
「だから、向こうに戻るか、それか・・・その・・・」
「その?」
「・・・僕の、お、夫になってここで暮らすか。」
夫・・・夫ねぇ・・・
ーーーーーー
ヤマトノノウナイ
夫→夫婦→結婚
今の現状→プロポーズ
カシャカシャチーン
ーーーーーー
「ハアァァァァァァァ!?」
何を言ってるか理解した俺は、とりあえず叫んだ。
いやだって・・・なぁ?
「!?!?///////」
俺の考えを読んだヴィーちゃんが顔を真っ赤にしてオロオロとしだした。
「えっと・・・なんで夫なんです?」
俺はとりあえず聞いた。
「その・・・君に一目惚れしちゃって・・・」
「お、おう・・・さいですか・・・」
面と向かって告白されたことがなかったため、俺もドギマギとしていた。
てか夫って・・・早すぎひん?
「えっとじゃあ・・・ごめんなさい?」
「なんで!?何で!?」
「いやだって・・・初対面の人に告白されても・・・。」
俺がそういうと、ヴィーちゃんの動きがぴたっと止まった。
そして、こういった。
「・・・わすれ・・・ちゃったの?」
「はい?」
「初対面じゃないからね?前にもあってるでしょう。」
「え?えーと・・・」
何のことか、俺にはさっぱりだった。
こんな場所知らないし、ヴィーちゃんと会った記憶もない。
「・・・忘れちゃったか・・・。じゃあ、思い出させてあげる。」
そういって、ヴィーちゃんは俺の頭に手を乗せる。
「・・・!?」
記憶が、俺の頭の中に入ってくる。
俺は眠気に襲われ、目を閉じた。
目を開けると、そこは交差点だった。
ここは・・・小学校の登校ルート?
懐かしい景色が、そこにあった。
すると、ドンという低い音が、近くで聞こえた。
音のした方を見ると、1人の少年が倒れ、1人の少女が少年を揺らしていた。
大人がやってきて、電話をする。
・・・あぁ、思い出した。
あれは、小学校1年生の時。
理子のところに車が突っ込んできて
俺が理子を突き飛ばして
俺が、交通事故にあったんだったな。
そうだ、その時にさっきの浮遊感を感じたんだ。
そして、目を覚ましたら女の子の部屋で、そこに1人の女の人がいたんだったな。
フリフリのスカートで、可愛らしい服を着た、山姥メイクの・・・ん?
山姥メイク?
あれ、あの顔、よく見たら・・・まさか!?
俺の夢は、そこで終わった。
「思い出した?」
ヴィーちゃんが俺をのぞき込む。
「・・・あぁ、思い出したよ。・・・でもな、ひとついいか?」
俺はヴィーちゃんの後にまわった。
「ん?なに?」
「山姥メイクじゃ分かるわけないだろおんどりゃあぁぁ!!!」
「すっぺらぴっちょん!」
俺は渾身の平手打ちをかました。
尻に。
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