女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが
18話 (俺の人生)止まるんじゃねぇぞ・・・。
それは、梅雨のある日のことだった。俺が同好会で遅くなり、午後6時半過ぎくらいに家に帰ったとき。今日は、両親ともに残業で遅くなると言っていたため、早く帰って飯を作りたかったのだが、結局遅くなっちまった。
 
早く作んないとなー、と思いながらドアを開けると、中から美味しそうな匂いがしていた。玄関のどうやら、キッチンのほうからのようだった。
「あれ?誰が作って・・・」
そう言いながらキッチンへのドアを開けた。
そこには、エプロンが抜群に似合う、鈴の姿があった。(不本意ながらも)少しドキッとしてしまった。クソ・・・。
「よー、おにぃ!遅かったな!」
「すまん、同好会でな・・・。それより、どうしたんだよ?いつもは、進んで作ろうとはしないじゃないか。」
「今日、調理実習でハンバーグつくってなー、それがうまかったもんだから、おにぃに作ってやろうと思ってな!」
「そうだったのか。お前の料理は初めてだから、楽しみだな」
「もうすぐだから、待っててくれ!」
「あぁ。」
鈴が作ってくれたのは、至ってノーマルなハンバーグだった。とても、美味しかった。理子や聖菜も、これくらい料理が出来たらな・・・と、軽く思っていた時に、ふいに鈴が、
「おにぃ。」
と言ってきた。
「なんだ?」
「最近、学校どうだ?昔みたいなこと、ない?」
昔みたいなこと、か・・・。
「あぁ、ない。同好会も、一応楽しいしな。」
「・・・おにぃ、同好会に入ってから、全然私と遊んでくれなかった・・・。」
「う・・・すまん。」
「いいぜ、仕方の無い兄だな。」
「・・・返す言葉もない・・・。」
「あ、そうだ。おにぃ」
「なんだ?」
「母さんから聞いたんだけどさ、おにぃの同好会、女ばっかりなんだって?」
「っ!?ゲホッ!ゲホッ!」
「だ、大丈夫か?おにぃ」
「あ、あぁ・・・大丈夫だ。」
「そ。で?女ばっかりなんだろ?」
「・・・うん。」
「もー、ダメだぞおにぃ。おにぃはモテるんだから、女ばっかのとこいちゃ、やばいことになるだろ。」
「いや、お前はそういうけどさ、俺、別にモテてないぞ?マジで。」
「無自覚なんですね分かりません。」
「お前なぁ・・・。はぁ、まぁいいや。」
「というか、おにぃ。いっそのこと、学校やめたらどうだ?学校やめて、働くんだよ。そうすれば、3年後くらいに、私が結婚してあげるから」
「妹と結婚する兄がいるか。大体、高校卒業しても就職が難しい時代なんだぞ。大学くらいには出てないと・・・。」
「・・・結婚したくない、とは言わないんだね。おにぃにも、その気があるって思っていいのかな?」
「・・・今のは誘導尋問だ。」
「誘導するような事言った?」
「・・・。」
妹には勝てない、情けない兄だぜ・・・。orz
「・・・あー、なんだ、うん・・・シスコンか?おにぃ」
「お前が言うな、お前が。ていうか、シスコンじゃない。あくまで家族として、だ。」
「・・・それ、シスコンがよく使う言葉だぞ?」
「信じてくれ・・・本当に、シスコンじゃないんだ・・・頼む、嫌わないでくれ・・・」
「信じてくれって言葉も、こういう時に使われるとは思ってなかっただろうね・・・。嫌いになるわけないじゃん。」
「よ、良かった・・・。・・・じゃ、俺、風呂行ってくるな。・・・入ってくんじゃねぇぞ・・・。」
ずっとそばにいたのに、嫌われてたらどうしようかと思ったぜ・・・良かった・・・。
「わかったわかった。いってら。」
「うぃ~」
「・・・おにぃ、大好き」
最後に鈴がなんか言った気がしたが、気のせいだよな?
妹が欲しかった・・・。by作者の本音
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