夢日記

日々谷紺

ドッキリです

 寝てる間に着信、折り返せば「あなたの住む街に来てる」と母。私が電話に出ないので叔母と出掛け、名所の絶景見てるという。私は部屋にいるのだが、二人の視界を借りてその景色を見ている。高台、火山の中心か、隕石の落ちた跡のような窪み。その周辺には霧か雲かが漂っているが、空は晴れている。どれほど高台にいるのやら、どこからその窪みを見ているのやら、空撮のような光景だ。この街にこんな名所があったとは、と悔しさに歯軋りする。
 それから車で街に降りる(あくまでも私は部屋にいる)。街並みはさながら異国だ。一見、少しカラフルなヨーロッパ。そこにファンタジーなテーマパークを散りばめたような街。「これからラーメン 食べる」と母。ファンタジーをぶち壊す。
 現実ではラーメンをさほど好きではない自分がズルいと抗議する。その時は本当にラーメンが羨ましかった。
 突如、テレビから某芸人の声。いつスイッチを入れたか分からない。画面を見れば母達が登場。
 「これはドッキリです!二人はどこへも行ってませえん。」
 一般人に一般人がドッキリ仕掛けて視聴率とれるのか。そもそもそのドッキリの趣旨が分からない。
 しばしトークしていると、会場に音楽が流れる。アイドルソング、前奏が終わると、キラキラピンクの衣装を着た私がカーテンから登場。歌い始める。
 「これは逆ドッキリです!娘さん会場に登場!」
 驚きの母と叔母。この番組クソだな、と吐きながら相も変わらず部屋にい る私。画面の娘の顔は私ではない。

 この日は実際に母が近くに来ていた。


20150321

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