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夢日記

日々谷紺

試験問題「孵化実験」

 現実では行ったことも見たこともない高校に通っているらしい。広くて立派で少し古い校舎、受講する選択授業を決めるための試験を受けていた。問題用紙は4教科分一気に配られる。英語、社会、生物と問題を解いていく。
 生物の問題用紙を開くと、虫の卵の孵化実験セットが飛び出す。赤いヒモと青いヒモが卵のそばにあるカプセル2つにそれぞれ繋がっていて、どちらかを引っ張ると卵が孵るらしい。
 赤を引っ張ると、見事産まれてしまった。みるみるでかくなり、真っ青で巨大なザリガニのような、細長いダイオウグソクムシのような生物になる。
 どうにもしようがなくて、その虫を両手で抱え、生物の先生なら引き取ってくれるのではないかと、思い浮かぶ先生ら3人を探しに行く。虫はプラスチックのように硬く乾燥していて、沢山ある脚がもぞもぞと動いている。
 生物の先生らは、それを見た瞬間「いらない」ときっぱり。3人が3人ともいらないという。そんなでかいモンの飼育スペースはない、らしい。あんな問題を作っておいて無責任だ。
 すると、ひとりの教師が「欲しい…」といって私に近づく。佐々木蔵之介から俳優オーラをごそっと抜き取って、冴えない一般人にしたような教師だった。喜んで虫を渡そうと振り向くと、教師は私の肩をつかんで、「君のような小さい子欲しかった!」(夢の中の私はどうやら背が低いらしい。顔も違うのだろう)と言った。
 気色悪くて、「いや!生徒だから!問題あるから!冗談でもやめて!」と抵抗していた。 

20160220

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