死んでしまったので神様とともに異世界で新しい人生スタートします。

りゅう

異世界に来て…














「ちょっ、クレア、どこに…」

クレアは僕の手を引っ張りながら人混みの中を進む。

「あった、春斗さん、これが依頼掲示板です」

「依頼掲示板?」

「ええ、私たち冒険家は依頼を受けて収益を得ます。中にはダンジョンに潜ってお宝を探す冒険家もいますが依頼を受けた方が収益が安定しますしダンジョンで宝探しはある程度お金にゆとりができてからにしましょう」

クレアはそう言いながら依頼掲示板を見つめる。僕も依頼掲示板を見つめるがどれがいいのかさっぱりわからない。

「討伐系の依頼か素材集め、護衛依頼、雑用どれにしますか?」

「討伐系で」

僕は即答した。だってせっかく異世界に来たんだし猛獣と戦ってみたいじゃん、魔法も使えるみたいだし僕の身体能力はクレアの力でかなり上がってるみたいだしさ

「わかりました。えーと、じゃあこれにしましょう」

「クレイジーモンキー討伐依頼…クレイジーモンキーの大群が現れたので討伐して欲しい。報酬、クレイジーモンキー1体につき100ジェニー、ジェニーっていうのはお金ですか?」

依頼の内容をみながら僕はクレアに尋ねる。

「はい。1ジェニーにつき100円ほどと思ってください」

えーと、つまりクレイジーモンキーを1体倒すごとに1万円か…これはいい方なのかな?

「クレイジーモンキーは猿の強化版みたいな魔獣です。私たちなら苦戦せずにやれると思いますよ」

「じゃあ、この依頼にしましょう」

「わかりました。じゃあ受付してくるので少し待っててくださいね」

クレアはそう言い残して受付に向かった。数分後、僕は受付を終わらせたクレアと合流してギルドを出る。

「とりあえず馬車を借りて来ますね。少し待っててください」

そう言いながら立ち去るクレアを見送った後、1人きりになった僕は改めて周囲を見回す。

「ああ、本当に異世界に転生したんだなぁ…」

そう呟いた瞬間、目から涙が流れてきた。今、僕の家族は何をしているんだろう…友達は今頃学校にいるのかな…いろいろなことを考えてしまった。

「春斗さん……」

「クレア…ごめん。情け無いところ見せちゃって…」

「いえ、大丈夫ですよ。泣きたい時は泣けばいいんです。でも羨ましいです。そうやって泣けるのは…」

「羨ましい?」

「はい。だって前の世界での生活が幸せだったから今泣けるんですよね。私は神界からこっちに来れて嬉しいんです。神界での生活が苦だったから…」

「クレア…いや、クレア様、僕とこの世界で幸せになりましょう。2人で…」

「春斗さん…ありがとうございます。でもすみません。私には果たさねばならない使命がありますから…でも、もし私が使命を果たすことができたは私と一緒にいてください…」

「もちろんです。僕はクレア様のパートナーですから…」

「ありがとうございます。じゃあ、そろそろ行きましょうか」

「はい」

僕とクレアは馬車に乗る。当然僕は馬を走らせることなんてできないので操作はクレアに任せることになった。













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