チートなダンジョン運営〜No.1目指します〜

ロータス

初めての挑戦者(探索者視点)

 リュウのダンジョンのゲート前に4人の探索者がいる。

「732番はここだな。」

「なんでここにしたのテッド?」

「おいらも気になるっす。」

「私も気になりますー。」

 ダンジョンの前で話しているのは、上から順にテッド、リン、グルッグ、アイリスだ。この4人は元冒険者でパーティーランクがCだったチームだ。

 元冒険者も探索者もランクの決め方は決まっていて、ステータスの平均でランクが決まる。つまりCは中の中ぐらいの実力になる。

「それはな、このダンジョンが鉱石がドロップするダンジョンの中で数少ないコンティニューありのダンジョンだからだ。」

「なるほどねー。だからギルドで何か聞いてたんだね。」

「でもー、なんでわざわざ聞いてからきたんですー?ゲートの横にあるダンジョン情報見ればわかることですよー?」

「アイリスそれじゃ片っ端から見ていかないといけなくなるっす。」

「そうね、さすがテッド。しかもここは亜人のダンジョンじゃない。余裕ね。」

 そう、ダンジョンゲートの横にはダンジョンステータスが見れるようにモニターが設置されているのだ。探索者たちはその情報を見てどこに入るのか決めることになる。

 なぜリンが余裕と言ったのかというと亜人系の魔物は、ほとんどが頭が悪くバラバラに攻めてくるので、対処がしやすく特に神からダンジョンは今は未熟だと言われているため、雑魚のゴブリンが多いと考えられ余裕だと思ったのだ。

「まあな、でも油断せずに行くぞ。いくらコンティニューありで死なないからといって死んだら、所持金とドロップ品半分と次のレベルに必要な経験値の20%も持っていかれるからな。」

 テッドはそう言いつつも、やはり少し油断していたのだろう、入ってすぐに退散することになるとは考えもしなかった。


「それじゃあ、俺たちパーティーの初ダンジョン気合い入れていこう!」

「「「おうー!」」」

 今テッドたち4人は、発見のスキルを持っているグルッグを先頭に、剣士のテッド、槍のリン、魔法使いのアイリスの順に並んで通路を進んでいる。

「アイリス薄暗くて周りが少し見にくいからライトを頼む。」

「了解ですー、ライトー。」

 バスケットボールぐらいの大きさの光の玉が周りに浮かび辺りを照らした。

「やっぱ光属性は便利っすねー。」

「そうね。アイリスが仲間でほんとよかったわ。」

 5分ほど進むと、グルッグが何か見つけたのか止まった。

「わかれ道か、右と左どっちがいい?」

 多数決の結果、左に進むことになった。

 途中落とし穴や飛び矢などの罠があったが、グルッグのスキルのおかげで難なく通ることができた。

「魔物が出ないっすねー。」

「確かにな。まあまだ出来たばかりって言ってたし、こんなもんだろう。」

 そんな話をしていると、ようやくゴブリンが1体曲がり角から出てきた。

「ようやく出てきたわ。ゴブリン1体だけだしさっさと終わらせましょ。」

 リンは、ゴブリン1体だけだったからか1人で飛び出していった。
 
「おい!待てリン!」

 テッドが呼ぶがリンは止まらない。

「大丈夫よ。ゴブリン1体ぐらい今の私でも余裕よ。」

 リンは、ゴブリンの胸めがけて槍を突き出した。

「ハッ!」

 しかし、ゴブリンは気づいていたのかサイドステップでリンの槍をかわした。

「えっ!?」

 リンは、かわされると思っていなかったのかそのまま止まることができず体制が崩れてしまった。
 そこを逃さずゴブリンがリンの腹に強烈なパンチを入れた。

「ぐっ!」

 リンはテッド達の方へとばされる。

「リン!」

 テッドがリンを受け止め怪我の具合を確認するが、もろに食らったからか結構なダメージが入っている。

「アイリス、リンの治療を頼む。グルッグ2人で仕留めるぞ、油断するなこのゴブリン普通じゃないぞ!」

「了解っす!」

 グルッグは短剣を持ち、ゴブリンに接近した。手や足を狙ってヒットアンドアウェーで徐々にゴブリンに傷をつけていく、

「テッド、タイミングは任せるっす。」

 ゴブリンは防戦一方だった。ゴブリンは反撃できないことに焦ったのか、大ぶりのパンチをグルッグにするがかわされてしまい今度はゴブリンが体勢を崩した。
 そこへ、隙を伺っていたテッドが一気に近づきゴブリンの頭を真っ二つに斬った。

「よしっ!」

 ゴブリンは光の粒子となり消えた。テッドとグルッグはドロップ品の確認の前にリンの状態を確認することにした。

「アイリス、リンの状体は?」

「私の魔法で傷はある程度治ったですー。でも今はこれ以上戦うのは厳しいかもですー。」

「そうか。なら今日は一旦戻ろう。相手の強さも確認できたし、明日また挑戦だ。」

「そうっすね。テッドドロップ品の確認だけしようっす。気になるっす。」

「そうだな、アイテムボックスオープンっと。」

 このアイテムボックスは、自分のレベル分の種類のアイテムを99個まで入れることができるスキルで、探索者になるときに神様からもらえるスキルだ。

「えーっと.....鉄!?」

「鉄っすか!?」

「鉄だといいですかー?」

「そりゃ素材は普通だが、確かほかのダンジョンの1階層で取れたの石炭しか取れなかったって聞いたからびっくりしたんだ。」

「そうっすね。石炭なら1個につき10円ぐらいっすけど、鉄なら100円はするっす。」

「へー、それはすごいですねー。」

「そうだな、まあとりあえず今は帰ろう。」

 テッド達4人は、来た道を引き返していた。すると、グルッグがいきなり叫んだ。

「あー!」

「どうしたんだグルッグ大きな声なんか出して。」

 グルッグが指差す方を見ると宝箱が置いてあった。

「あれは!?宝箱っていうやつじゃないっすか?」

「たしかにギルドで聞いた感じと似ているな。確か何かアイテムが入っているんだっけ。グルッグ罠の可能性は?」

 グルッグは発見のスキルを使い確認した。

「大丈夫そうっす。」

 グルッグは宝箱を開けた。すると、

「これは上級ポーションっす!?」

「ほんとうか!?」

 グルッグは手に取ったポーションを見せた。

「ほんとうですー。この色は上級ポーションですー。」

「これ買えば、10万はするっすよ。」

 テッド達は、上級ポーションを手に入れ興奮した状態でダンジョンを出ていった。

 テッド達は、無事ギルドに戻った。帰って来る間に起きたリンと4人で上級ポーションをどうするか話した結果、今は使わないということで売ることにした。

「すいません。アイテムを売りたいんですけど。」

「かしこまりました。何をお売りになるのでしょうか?」

 テッドは鉄とポーションをカウンターに出した。すると、周りの人が上級ポーションだと気付いたのか騒ぎ出した。

「これは!?どこで手に入れたのでしょう?」

「732番のダンジョンの宝箱から出ました。」

「なるほど、では鑑定させていただきます。...鑑定の結果、鉄は純度が高いため150円で、ポーションは7万円で買い取らせていただきます。よろしいでしょうか?」

「大丈夫です。」

「では7万150円になります。」

 鑑定結果を聞いた周りの探索者は、ポーションの値段はもちろん鉄の値段の高さに驚き、ただでさえ騒がしかったギルドがさらに騒がしくなった。

 テッド達はお金をもらい、帰りたかったのだが、質問責めに会いギルドを出てたのは1時間後だった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回は、探索者視点で書きました。
ちなみにテッドのステータスは


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    
     名前: テッド
     種族: 人族
  レベル:  1
     
     体力: G
     魔力: G
     攻撃: F
     耐久: G
     速さ: F
     魔攻: G
     魔防: G
     器用: G
     運   : G 

  <ノーマルスキル>
        剣術Lv4、気配察知Lv2、回避Lv2、火魔法Lv2
  

  <ユニークスキル>
        なし

  <称号>
       

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

大体ほかの3人もこれぐらいです。これがCランクなので、これを基準に読んでみてください。

 




「チートなダンジョン運営〜No.1目指します〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く