チートなダンジョン運営〜No.1目指します〜

ロータス

初めての指示

 さあ、初めての魔物への指示をしよう!まずは言葉がわかるか確認するか。

「君たち、俺が言うことが理解できるか?」

「「「「ゴブ」」」」

 全員わかるようで、頷いていた。なるほどやっぱり指揮強化は知恵もアップしているようだな。情報と全然違う。

「じゃあまずは、浄化の泉を出すからそこで体をきれいに洗ってきてくれ。」

 そう、俺は最初の指示はこのニオイを消すことにした。本当は色々考えてたんだ、だけど....やっぱり臭すぎる!
俺の予想の5倍は臭いぞ!

 俺はボス部屋の横に浄化の泉を召喚した。なんとこの部屋200000円する。まあ効果は、どんな汚れも落としその上泉の水は汚れないと言う万能さだ。
 まあこれで匂いが消えるかわからないんだけどね。俺もさっき探してたら見つけた部屋だし。

 ゴブリンたちは、俺が場所を教えると小走りで泉へ向かっていった。わざわざ走らなくてもいいのに。
 ちなみに、今いる場所がボス部屋なので泉はすぐ近くだ。

 俺は、ゴブリンが体を洗っている間に自分の部屋を作ろうと思う。今更だが俺が寝る場所をまだ作ってないのに気がついた。

 部屋はダンジョンレベルが上がるごとにグレードアップしていく仕様なので今はかなりシンプルで狭い。6畳ぐらいかな?この部屋は最初は全員同じで10000円だ。場所はコアルームの隣の隣にした。コアルームはボス部屋の奥ね。

 ボス部屋に戻るとゴブリン達も戻ってきていた。さあ匂いはどうかな?

 お!?臭くない!よっしゃー、これで普通に話せるな。

「これから毎日、寝る前に風呂に入るようにね。」

「「「「ゴブ!」」」」

 会話できないのは残念だが成長すればできるようになってほしいな。やっぱ会話がないと暇だしね。

「よし、じゃあ早速君たちにはやってもらいたいことがあるから聞いてくれ。」

 俺は、このゲームを始める前からラノベを見ててやりたかったことをやることにした。

「まずは、きみ前に出てくれ。」

 俺は、何となく6体いたゴブリンのうち1体を前に出した。

「君にこのゴブリン達のリーダーを頼みたい。しっかり統率をとってくれ。君たちもこのゴブリンに従うように。」

 リーダーを決めないことには始まらないからな。

「それじゃあ次は1人ずつやってもらいたいことがあるからそれぞれ指示するぞ。」

 これは誰でもいいので適当に、決めた。

「まずは、そこの君。君にはショートソードを渡す。君はリーダーと一緒に訓練だ。
 次は君だ、弓を渡す、そして次は盾と槍を渡すから2人で一緒に訓練してくれ。
 そして次は短剣を渡すが君は俺と2人で隠れんぼと宝探し、しっぽ取りをして訓練する。
 最後は杖を渡すこれで棒術の訓練そして、今から指示する場所に行き魔法を覚えてくれ。」

 言い切ったぞー!俺はこれがやりたかったんだ!ダンジョンの魔物に指示を出し強くして、
「くっ、こいつら雑魚のゴブリンじゃないのか?」
って言わせたいんだ。
だからこれでスキルを覚えてくれれば嬉しいんだが。まあとりあえずあと1週間あるし実験だ。

 「それじゃあ武器を渡すからそれぞれ訓練を始めてくれ。」

 武器は初期装備だけなら召喚できるようになっている。強い装備は自分で考えて作れだそうだ。まあ強い武器が召喚できれば武器だけで勝てる事になるからな。俺もそれはつまらない。

 全員にそれぞれの武器を召喚し渡した。リーダーの武器にはグレートソードを渡した。
 ゴブリン達はそれぞれバラバラになって訓練を開始した。
 
 しばらく眺めていたが知恵が上がっている効果か特に指示をせずとも訓練できている。
 俺はたまに気づいたことを指示しながらリーダーに戦略やチームのまとめ方などを教えたり短剣を渡したゴブリンと隠れんぼなどして訓練をしていった。

 一つ言い忘れていたが、ダンジョンマスターとダンジョンの魔物は食事をとる必要がない。別に食べようと思えば食べれるため嗜好品の一つとなっている。
 俺は、しっかり食べたい派で色々料理の知識は知っているんだがいかんせん料理のセンスが皆無であまり美味しく作れない。
 だから、料理ができる魔物が召喚できるようになるまでは外食をするか食べないかのどっちかになる。

 訓練も終わり今のレベルじゃお風呂がないため泉に行き体を洗い俺はダンジョン最初の日を終え眠った。


 あれから6日たちいよいよ明日から探索者たちがダンジョンにくる。この6日間はゴブリンたちの訓練をしたり塩を売ったりして過ごしていた。

 その成果を発表しようと思う。まずお金だが、あれから罠を増やし部屋も増設して1階層を結構大きくしたがそれでも600万ぐらい溜まっている。これなら宝箱のグレードをアップしても大丈夫そうなので20000円の宝箱を5個増やした。これで宝箱は1000円が5個、5000円が5個、10000円が5個になり計20個が1階層においてあることになる。宝箱は誰かに取られるたびに消える仕組みになっているため、取られればそのたびに補充しないといけない。そのため、宝箱を置くのも結構お金が必要になる。

 魔物についてはあれからまだ召喚はしていないが、最初に召喚したゴブリンたちは毎日訓練した成果がしっかりと出ていた。

 それぞれの武器スキルの他に、リーダーは統率のスキルを剣と盾、槍のゴブリンは回避を、弓は命中を覚えた。
 魔法は各個体によって覚えられる属性が決まっていると情報では書いてあったんだが、このゴブリンは優秀だったのか無と火、木、雷、光の5つの属性を覚えた。まあこれはおいおい調べていくしかない。

 この特訓で俺が特に成果が大きいと感じたのは、俺と一緒に訓練をしたゴブリンだ。このゴブリンは短剣術の他に気配察知、隠蔽、回避を覚えた。まあ俺も覚えたんだが。これは俺がこの訓練を始める時に覚えられたらいいなと思っていたスキルだったので、これは素直に嬉しかった。

 ステータスの方はレベルが上がっていないのでEのままだが、スキルでカバーしてくれると思いたい。

「みんなご苦労さん。よく頑張ったな。明日からは探索者がこのダンジョンに入ってくる。そこで、この1週間ゴブリンたちをまとめてくれたリーダーに名前をつけようと思うがどうだろう?」

「「「「「ゴブ!」」」」」

 他の5人のゴブリンは誰も文句は無いようで大きく頷いてくれた。

 だが、その肝心のリーダーゴブリンは申し訳なさそうにしている。

「ゴブー....」

「大丈夫だ、気にすることはない。お金ならいつでも稼げる。本当ならみんなにつけたかったんだがまだお金が少ないからつけれなかった。申し訳ない。」

 ゴブリンが何故戸惑っているのかと言うと名前をつけるつまり名前付き魔物ネームドモンスターにするには1体につき500万もかかるのだ。だから、そう易々と名前をつけるダンジョンマスターはいない。
 ネームドモンスターになった魔物は成長率が上がり他の魔物より強くなるためダンジョンマスターはお気に入りの魔物や強い魔物に頑張って貯めたお金を使い名前をつける。

 だが、俺にとってはお金などいつでも稼げる。だから気にせずどんどん使えるため名前をつけることができるのだ。

 なにより、俺が一番名前をつけたい理由はネームドモンスターは喋れるようになるという点だ。俺はここ1週間ギルドに塩を売りに行った時にライラさんと話すぐらいでずっと話し相手がいなかったのだ。そろそろ話し相手が欲しい!

「では、名前をつけるぞ。君の名前は“ギル“だ。」

 





 

 

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