異世界英雄のレイン (旧題:異世界英雄の創造主)

Noct@Kirusu

妹のステータス

 今回の話、短めになっています。
 ごめんなさい(_ _ )/ハンセイ


 あれから月日がたち、僕は6歳になっていた。


 お母様と久しぶりと言うほどではないけど、久しぶりに会ってから五年たった。

 お母様のお腹が膨らんでいた理由は、赤ちゃんが出来たがらだ。その子は女の子で、僕に妹ができた。

 僕の妹の名前は“アイリ・クロスフォード”に決まった。“クロスフォード”は家名であり、僕の名前にもある。

 そして疑問の一つであった父親についても、教えてもらった。

 父の名前はアーリン・クロスフォードで、Sランク冒険者のようだ。

 冒険者について話すと、SSS、SS、S、A~Gの10段階のランクに別れている。一応、Dランクで一人前とされている。Sランク以上の人が4人いたら、竜一匹を倒せるらしい。
竜が与える被害は小国の予算が赤字になるぐらいの強さだ。

 父は、僕が知らない間に帰ってきていたらしい。何故父は、僕と会ってくれなかったのか理由を聞くと、色々と言い訳を言っていたようだが、ただ恥ずかしがっていたらしい。

 今、父は大きな仕事をするため二年は帰らないそうだ。



~~閑話休題~~


 この世界には『ステータス』がある。ステータスを貰うには、5歳になった子供が教会で神からステータスを与えて貰える。この世界の神はたくさんの神がいるらしい。

 そして今日、アイリがステータスを貰う日だ。

 ここから一番近い教会でも、馬車で二時間かかる。この家が街から離れている理由は、お母さんと父が静かなところで住みたいと、思っていたらしくこの家を買ったらしい。

 アイリ、お母さん、エイナが帰ってくるまでに、ケイと一緒に御馳走を作っていたけど、まだ帰って来ていない。


「待っている時間が無駄だし、習った事の復習でもしようか」


 まず、お金についてだが単位は“ギル”と言う。
お金は貨幣は銅貨、銀貨、金貨、白金貨の順に価値が高くなってくる。

銅貨・・・1ギル 
銀貨・・・100ギル 
金貨・・・10,000ギル
白金貨・・・10,000,000ギル

 聞いた話では、金貨一枚で働かず1年間過ごせるようだ。白金貨は盗まれた時の被害が大きいからわざと金貨で揃えている国が多数あるらしい。

 曜日は聖の日、火の日、水の日、風の日、土の日、光の日、闇の日で聖の日が日曜日だ。1日は24時間で、1週間で10日、1ヶ月は30日、一年間は360日。月は前世と同じで
1月、2月、3月、・・・、10月、11月、12月とないっている。

 次に、この世界について思い出す。
 この世界の名前は『ナルテナ』と言い、一つの大陸で出来ている。昔あった地球平面説のようになっている。水がどうやって戻っているのか疑問が浮かぶが、異世界だがら、と言う理由にして考えるのを諦めた。

 
 この世界に存在する主な種族は人間、獣人、エルフ、ドワーフ、妖精族、魔族。しかも獣人と魔族はそこから更に分かれるのでいろんろ分かれていて他の少数種族も存在する。

 文献では、精霊もいるらしいが基本的姿を隠すらしく、一度も目にする事なく死ぬことが普通らしい。


 最後に神や宗教について。神様は創造神、商業神、武神、魔法神、生命神、大地神、時空神の七神だ。宗教ではこれらの神を崇めて七つに分別される。宗教名はあまり覚えてないが……問題ないだろう。





 丁度、思い出し終わった時にケイが来た。


「・・・失礼します。カレン様たちが帰って来ました」


「ありがとう。ところでケーキはしっかり出来てた?」


「レイン様が作ったケーキは、レイン様が言っていたようになっています」


「分かった。それじゃあ、お母様たちに見つからないように冷やしといて」


「畏まりました」


「それじゃあ、僕は先にお母様たちの所に行くね」


 お母さん達のところに行くと、お母様とアイリがお茶を飲んでいた。

 僕が来たことに気づいたアイリは駆け寄って来た。


「兄さん、只今戻って来ました」


 アイリは丁寧に声をかけてくる。僕としてはもう少し砕けた喋り方をして欲しいと思っているが、これはこれで、アイリがまるで貴族みたいに凛としていて良い。

 僕個人としては、アイリより素晴らしい人はいないと思う。


「アイリ、おかえり。あと、お母様とエイナも」


「ただいま。ねぇアイリ、レインもいるからステータスを教えてくれない?」


「えっ、何でステータスを教えてもらってないの?」


「そうなの、アイリたらレインに最初に見せると言ってね。まだ見してもらってないの」


「兄さんには色々教えてもらったので、恩返しとして初めに見せるんです。まあステータスを初めに見せただけで恩は返したとは思っていませんけど・・・」


 アイリが言っている恩は勉強や家事を教えたりした事か、アイリを助けてあげたことかな。多分両方だが助けた事が大きいのだろう。

アイリが3歳の時ベランダから落ちそうになっていたのを助けた。その時助けた拍子に僕が落ちたけど丁度ケイが下にいて助かったけど。

 この事は皆知っている。僕を見事キャッチしたケイに普段から考えられない程怒られていた時、アイリがお母様とエイナを連れて来て、ケイに話した。アイリは泣きながら必死に「兄さんは悪くない」とか「私が悪い」など、僕を庇ってアイリ自身が悪いと一生懸命言っていた。
 ケイは何が何なのか分からず、混乱してきた時にアイリから事実を聞いた二人は事実をケイに説明した。
 話を聞き終わると僕に謝り、また怒った。お母様とエイナも最初は怒っていたけど最後は褒めていた。



 僕としてはあの事を気にしていない。けれど、アイリはずっと気にしている。この二年間ずっと─────────────


「ありがとう。じゃあステータスを見してくれる?」


「はい、ステータスオープン」




【名前】アイリ・クロスフォード
【種族】人間 【性別】女 【年齢】5歳
【レベル】1
 HP:30/30
 MP:150/150
 力 :10
 耐久:10
 敏捷:9
 器用:10
 魔攻:35
【スキル】
 火魔法Lv1 水魔法Lv1 風魔法Lv1 
 光魔法Lv1 料理Lv1
【称号】
 神に愛されし者
【加護】
 魔法神の加護Lv1



 アイリのステータスを見て感じた事を一言で言うと、強過ぎ。そしてアイリのステータスは───────────────

 ステータスの平均を知れば分かるだろう。

【名前】ーーー
【種族】人間 【性別】ー 【年齢】5歳
【レベル】1
 HP:30/30
 MP:10/10
 力 :15
 耐久:12
 敏捷:9
 器用:8
 魔攻:10
【スキル】
 1個~3個
【称号】
 なし
【加護】
 なし


 
 そして、アイリのステータスは魔法特化だ。ステータスの平均が分かった事で今から言う事が分かるだろう。それはアイリの魔法部分がチートのようになっている。(レベル7ぐらいでアイリの魔攻ぐらいになるけど)

 僕はアイリのステータスを見て驚いていた。身動き一つとっていない。まわりの事など忘れていた時、


「・・・・・・ま、・・・・・・さま、兄様!」


「うわっ!どうしたの、アイリ?」


「やっぱり聞いていなかったんですね。・・・もう一度言いますよ。私のステータスはどうでした?」


「ああ、とっても凄かったよ。流石アイリだね」


 アイリの事を褒めながら頭を撫でてあげた。この時、アイリは顔を下に向けていたので表情は分からなかったけど嫌がられていなかったから続けた。

 アイリが顔を下に向けていたのは理由がある。その理由は頭を撫でられて顔を赤くしていたからだ。この事に気付かなかった人物は一人だけだった。
 この事に気付いた人物はとても羨ましそうにアイリを見ていた。

 気づかなかった人の弁明をすると、その人は大いに考えていた。



 アイリのステータスを見た僕は複雑な気持ちになっていた。その訳はアイリのステータスが高く、兄として誇らしい。しかし、妹のステータスが高くて羨ましい────とはならず、僕のステータスが低くてアイリに迷惑がかからないか心配している。


『僕の当時のステータスは皆が慰めたり、気遣ったりされる程酷かった』

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