世渡り

暇魔神

あいまいな者

ガラガラと音を出して道場に入ってきた
ガタイのいい男。
古村 剣心
「「よろしくお願いします!」」
門下生が挨拶した。
「うむ。」
そして奥の一段上がった上座に座る。
「お前達が入門志望の者か。」
「はい。」
英知が答える。
「推薦状も無しによほど自信がある様だな。
まぁ、まず力を見せて貰おうか。」
「はい。」

いきなり試合になった。
推薦状持たず来たことがよほど
気に入らなかったみたいだ。
この道場は一見さんお断りの様だ。



立ち上がる亮太。
「あの〜、すみません。俺入門志望じゃ無くて道場破りです。ヨロシコ。」
ざわつく声。
「はっはっは」
師範が高笑いする。
「看板かけてやろってか。」
「いえ、あんたの面子とコイツとの直接試合だ。」
英知を指差す。
「はっはっは。面白いなお前。」

「ふざけてんじゃねぇぞ!」
「そうだそうだ。」
周りから野次が飛ぶ。
そして全員が竹刀を持った。
だが次の瞬間、全員吹き飛ばされた。

「!?」
「これで道場破り成功でいいですか?」
「あ...ああ。」
「じゃあ、約束。」



師範と英知の戦い。

英知が必死でくらいついている。

どうやら記憶が無くても、剣術で思い出して貰おうとしていたらしい。必死の目をしている。
「お前、その剣術...」
「はい」
「何故ウチの剣術を知っている。」
ダメだったみたいだ。
竹刀を強く握り締め直した。
「小さい頃からこの剣術を教えてくれた人がいたので。」
(ウチの剣術なんだ、なんだけど、なんでこんなに親近感を感じるんだ。)
「ヤーーー!」
必死に打ってくる英知の姿を見て何かが頭をよぎる。



結局師範が勝った。
「英知、話して貰っていいか。」
師範が英知に声をかけた。

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