彼女と一緒に異世界を!
8.半端者
「ちょっといい?」
 突然俺に声をかけてきたのは銀髪の少女だった。
 
「君たちのパーティーに私も入れてくれない?」
「俺達のパーティーに入りたい!?」
「そうそう。無理にとは言わない、なんなら試しに1クエストだけでも行ってみない?」
 
「ちょっといいですか?」
 銀髪の少女の話を遮ったのはジャンヌだ。
 何かを探るような目付きを少女に向けている。
「私達はまだ討伐クエストも行ったことのないような初心者パーティーです。あなたの実力がどれくらいなのかは分かりませんが、おそらく足でまといになるだけです」
 
「別に全然構わないよ。自慢じゃないけどここら辺のモンスターだったら瞬殺できる自信がある。万に1つも君たちを傷つけさせやしないよ」
 なんだろう、すっげぇ頼もしいなこの人。
「そんなに強いんなら仲間になってもら...」
 
「それほどの実力がある人が、なんで私達のパーティーなんかに入ろうと思ったんです?」
 
 俺が、ぜひとも仲間になってもらおうとしたら、ジャンヌがそれにかぶせるように少女に質問する。
「そ、それは... 初心者の君たちだけじゃモンスターに殺られてしまうかもしれないだろ?だからある程度の実力のある人がいたら安心だろ?」
「あなた、人じゃないですよね?」
「え、あ、あうぅ」
 それを聞いた少女はとても驚いたようで、急に言葉が出なくなってしまった。
「え、何これ?どういう状況?」
「私の持ってるスキルの1つで『魔力感知』ってのがあるんだけど、それでこの子の魔力の流れを見たら人とは違う魔力が流れてたの」
 何それすげぇ。
 
「だけど、『敵感知』のスキルには引っかからないから敵意とか殺意は無いみたい」
 あれ、もしかしてジャンヌってハイスペックなの?
  
「わかったよ。だけど、ここでは話せないから外で話さそう」
 少女はそう言うと階段を降りていく。
 俺達もその少女のあとに続き階段を降りていく。
 
 今俺達がいるのはギルドを出てちょっとした所にある狭い路地のような場所だ。
 辺りに人の気配は無く、ここなら誰かに会話を聞かれるということはまず無いだろう。
「ねぇコータ、今から何するの?クレイルは何すればいいの?」
 一応クレイルも俺達の仲間なので連れて来たが、何をするのかイマイチわかってないようだ。
 
「えーと、今からここで大事なお話をするから、クレイルは静かにしてようね?」
 俺がそう言うとクレイルは「わかったー」と言って口をつぐむ。
 クレイルは見た目通りの素直な子だった。
「じゃあさっそくだけど、あなたは一体誰なんですか?」
 ジャンヌが確信に迫る質問をする。
「お願いだから誰にも言わないでね?」
 すると少女はさっきまでとは違い、怯えるような目付きでこちらを見ながらそんなことを言ってきた。
「それは場合にもよるけど、何もしてない相手に無理矢理嫌がるようなことをする程私の性格は歪んでませんよ」
 ジャンヌが小さな声で「リーザさんじゃあるまいし」と言ったのを俺は聞き逃さなかった。
「わかった。その言葉、信じるからね?」
 少女がそう言うやいなや、いきなり上着を脱ぎ始めた。
 そして現れるのは年相応に膨らんだ胸とそれを包み込んでいる水色のブラジャーだった。
「え!?ちょっと、何をしてんの!?」
 慌てて顔を背けるが、1度見てしまったものを忘れるのは中々簡単なことではない。
「え!いや、そうじゃなくて!これ見て!」
 「これってなんだよ!」
  なんのことか分からず、言われた通りに振り返ってみると、そこにはさっきとは違う光景が映っていた。
 今さっきの罪悪感と背徳感を感じる少女の下着姿はそのままだが、その背後にはまるでコウモリのような黒い翼が生えている。
 よく見ると頭部には小さなツノのようなものがある。
「自己紹介が遅れてごめんね。私の名前はモト・リース。魔族と人間のハーフで、魔族にも、人間にもなれなかった半端者だよ」
 そう言って笑う少女は、なぜだかとても悲しそうに見えた。
 
 突然俺に声をかけてきたのは銀髪の少女だった。
 
「君たちのパーティーに私も入れてくれない?」
「俺達のパーティーに入りたい!?」
「そうそう。無理にとは言わない、なんなら試しに1クエストだけでも行ってみない?」
 
「ちょっといいですか?」
 銀髪の少女の話を遮ったのはジャンヌだ。
 何かを探るような目付きを少女に向けている。
「私達はまだ討伐クエストも行ったことのないような初心者パーティーです。あなたの実力がどれくらいなのかは分かりませんが、おそらく足でまといになるだけです」
 
「別に全然構わないよ。自慢じゃないけどここら辺のモンスターだったら瞬殺できる自信がある。万に1つも君たちを傷つけさせやしないよ」
 なんだろう、すっげぇ頼もしいなこの人。
「そんなに強いんなら仲間になってもら...」
 
「それほどの実力がある人が、なんで私達のパーティーなんかに入ろうと思ったんです?」
 
 俺が、ぜひとも仲間になってもらおうとしたら、ジャンヌがそれにかぶせるように少女に質問する。
「そ、それは... 初心者の君たちだけじゃモンスターに殺られてしまうかもしれないだろ?だからある程度の実力のある人がいたら安心だろ?」
「あなた、人じゃないですよね?」
「え、あ、あうぅ」
 それを聞いた少女はとても驚いたようで、急に言葉が出なくなってしまった。
「え、何これ?どういう状況?」
「私の持ってるスキルの1つで『魔力感知』ってのがあるんだけど、それでこの子の魔力の流れを見たら人とは違う魔力が流れてたの」
 何それすげぇ。
 
「だけど、『敵感知』のスキルには引っかからないから敵意とか殺意は無いみたい」
 あれ、もしかしてジャンヌってハイスペックなの?
  
「わかったよ。だけど、ここでは話せないから外で話さそう」
 少女はそう言うと階段を降りていく。
 俺達もその少女のあとに続き階段を降りていく。
 
 今俺達がいるのはギルドを出てちょっとした所にある狭い路地のような場所だ。
 辺りに人の気配は無く、ここなら誰かに会話を聞かれるということはまず無いだろう。
「ねぇコータ、今から何するの?クレイルは何すればいいの?」
 一応クレイルも俺達の仲間なので連れて来たが、何をするのかイマイチわかってないようだ。
 
「えーと、今からここで大事なお話をするから、クレイルは静かにしてようね?」
 俺がそう言うとクレイルは「わかったー」と言って口をつぐむ。
 クレイルは見た目通りの素直な子だった。
「じゃあさっそくだけど、あなたは一体誰なんですか?」
 ジャンヌが確信に迫る質問をする。
「お願いだから誰にも言わないでね?」
 すると少女はさっきまでとは違い、怯えるような目付きでこちらを見ながらそんなことを言ってきた。
「それは場合にもよるけど、何もしてない相手に無理矢理嫌がるようなことをする程私の性格は歪んでませんよ」
 ジャンヌが小さな声で「リーザさんじゃあるまいし」と言ったのを俺は聞き逃さなかった。
「わかった。その言葉、信じるからね?」
 少女がそう言うやいなや、いきなり上着を脱ぎ始めた。
 そして現れるのは年相応に膨らんだ胸とそれを包み込んでいる水色のブラジャーだった。
「え!?ちょっと、何をしてんの!?」
 慌てて顔を背けるが、1度見てしまったものを忘れるのは中々簡単なことではない。
「え!いや、そうじゃなくて!これ見て!」
 「これってなんだよ!」
  なんのことか分からず、言われた通りに振り返ってみると、そこにはさっきとは違う光景が映っていた。
 今さっきの罪悪感と背徳感を感じる少女の下着姿はそのままだが、その背後にはまるでコウモリのような黒い翼が生えている。
 よく見ると頭部には小さなツノのようなものがある。
「自己紹介が遅れてごめんね。私の名前はモト・リース。魔族と人間のハーフで、魔族にも、人間にもなれなかった半端者だよ」
 そう言って笑う少女は、なぜだかとても悲しそうに見えた。
 
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