彼女と一緒に異世界を!
4. 到着
俺の目の前に突如として現れたのは、緑色の球体の中に拳ほどの大きさの眼球が入った、スライムと呼ばれるモンスターだった。
それにしても...
「スライムってこんなにグロいの!?」
目の前のモンスターは俺の知っているようなスライムとはまったくもって違っていた。 
まず最初に目に付くのはそのスライムの体だ。
ゲームとかで出てくるような綺麗な球体などではなく、地面に接している面は潰れたようにぐちゃぐちゃと音を立てていて、動くたびにその潰れたような面が波打つさまはまるでナメクジのようである。
そしてその体の色も独特で、緑色ではあるが濁ったような緑色でとてもじゃないが綺麗とは言えない。
そして極めつけは、あの見るものに不気味な印象を与えること間違いなしの大きな眼球だ。
こんな化け物が普通に出てくる所が何とも異世界らしいと言えばその通りだが...
「よりによってグリーンスライムが出てくるなんて..コータ、少しの間時間稼ぎしてくれる?あいつをぶっ飛ばすための魔法の準備をするから」
俺が絶対に相手にしたくないと思った矢先に、ジャンヌにあの化け物の相手をしろと言われた。
「いやいや、あんなの相手に俺が時間稼ぎなんて出来るわけないだろ?てゆーかあんなのお前の風魔法で1発だろ!」 
「スライム相手に風魔法なんかじゃすぐに再生されちゃうわよ」
「え、そうなの?」
あの威力の魔法くらっても再生出来るとかスライム強すぎだろ..
どうやらこの世界のスライムは俺の知っているスライムとは格が違うらしい。
「じゃあどうやって倒すんだよ!再生されるなら無駄じゃねーか」
再生とかあるなら勝てないじゃん!と思うのはまともな考えだろう。 
「再生出来ないくらいに散り散りにする。それか再生出来なくなるまで潰す!」
何この子、怖い。
俺達がこんなやり取りを行っているあいだにも、スライムはじりじりと距離を詰めている。
「もう倒さなくていいから逃げよう?もうすぐ着くんだろ?走って逃げれば...」
「スライムって相当しつこいし、村に入って来たらそれこそ厄介よ。だったら今ここで潰すしかない。」
そうか、ジャンヌはスライムが村までついてくる事を恐れているのか。
だが倒すにしても、俺がおとりなんて出来るわけもないし、やりたくもない。
なんかいい方法は無いものか.. 
「危ない!!!」
俺が解決策を探すため頭を悩ませてると、横から俺の脇腹に抱きつく形でジャンヌが飛び込んでくる。
いきなりだったためろくに体制も保てずに、俺は横に倒れる。
いきなり飛びついて来たジャンヌに文句を言おうとした矢先にある違和感に気づく。
それはさっきまで俺の目の前にいたスライムの姿が見えないのだ。
慌てて周囲を確認すると、後方にスライムの姿が確認出来る。
そこでようやくスライムが俺に飛び掛って来たという事を理解する。
スライムが着地したと思われる地面にはそこだけ草木がなく、よく見るとスライムの体に触れ溶けた事が分かる。
もしジャンヌが俺を押し倒してくれなかったら、今頃溶かされているのは草木では無く、俺の体だっただろう。
何とか死なずに済んだが問題は解決していない。
このスライムを何とかしないことには決して安心出来ないのだ。
「大丈夫?怪我はない?」
「ん?ああ、大丈夫だ。ありがとう」
「お礼はこれが終わってからにしてよね。はぁ、このスライムがどっか別の所に行ってくれでもしない限り戦闘は避けられないわね」
「しょうがない、ここは腹をくくって..」
俺がおとりになるべく覚悟を決めたその時だった。
「ん?スライムをどっかにやればいいのか?」
そこで俺は勝ち筋が1つでは無いことに気づく。
「そうよ。だけどそれは相当難しいわね。もうあのスライムは私達の事を獲物としか見てないから油断も隙もないわよ」
このスライムをどこかにやる、という考えはジャンヌによって即座に否定されてしまう。
だが俺の脳内にはもう既に1つの考えが浮かんでいた。
「ジャンヌ聞いてくれ。俺に1つ考えがある」
その考えは、おそらく今でる限りでの1番良い解決策だった。
「どんな考えか聞かせて貰える?」
「簡単に説明すると、あのスライムを遠くに飛ばす」
「はぁ?そんな事できんの?」
半信半疑といった様子でジャンヌが答える。
「正直まだ絶対とは言えないけど、多分出来る」
「そう。ならあんたを信じるわよ。で?私は何をすればいいの?」
やけにすんなりと受け入れてくれた。
信頼されている..という事でいいのだろうか。
そんなどうでもいい事を考えつつ、ジャンヌに役割を伝える。
「特に何もしなくていいよ」
「ってことはあんた1人でやるってこと?本当にできんの?」
あ、これ信頼されてないわ。
少し心を痛めつつ俺は、スライムの前に立つ。
そして、足元にある石を手に取り...投げる!
「なにやってんの!?」
驚いたようなジャンヌの声がする。
だがそれをガン無視して俺はまた石を手に取りスライムに投げる。
石はスライムに当たってはいるがすぐに体内で溶かされ消えていく。
はたから見たら何の意味もない行為である。
しかし俺は拾って、投げる。を繰り返す。
最初のうちは警戒するようにその場でじっとしていたスライムだったが、徐々にまた俺との距離を詰めてきている。
「ちょ、ちょっと!来てるわよ早くしないとまた攻撃されるわよ!」
焦るような声が聞こえ、そこで俺は石投げを辞める。
既にもう俺とスライムとの距離は相当縮まっていた。
すると、スライムはその場で何やらもぞもぞし始めたと思った次の瞬間、
「来る!」 
ジャンヌの放った声と同時に、俺目掛けてスライムが体当たりをかましてくる。
スライムの体が地面を離れ俺の胴体に突っ込むその瞬間に俺は魔法発動の合図を叫ぶ。
「起動!」 
合図と同時に俺の目の前にはついさっき見たばっかのゲートが展開される。
しかしこのゲートはさっきみたゲートとは中身が違う。
このゲートは、
「ワープホールだ!」 
そう叫ぶやいなやスライムはそのゲートの中に突っ込んで行く。
そしてゲートを閉じるといまさっきまで感じていた緊張感と共に、スライムの姿はなくなっていた。
「良かったぁ」
俺は魔法の成功にホッと一息つく。
さっきのゲートは最初のゲートと違い、イメージしたのは空間と空間を繋ぐ[ワープホール]のような物。
最初にゲートをイメージする時の元になったものだ。
そしてこのゲートが繋がっている所は、最初に俺が目覚め、ジャンヌと出会った場所である。
正直上手く行かなかったらどうしようかとも思ったが、杞憂に終わって良かった。
すると、ずっと後ろで見守っていたジャンヌが俺に駆け寄ってくる。
「あんたすごいわね!スライムを転移させちゃうなんて。中々出来ないわよ」
「そんな事より早く村に行こう。またあんなのが出てきたらやだからさ」
今のでどっと疲れと眠気が襲って来た俺はジャンヌに早く行くように促す。
「それもそうね、じゃあさっさと村に行きましょうか」
そう言うとジャンヌは軽い足取りで、先頭を歩き始めた。
そして歩くこと約5時間、1つの町のようなものが見えて来た。
するとジャンヌはこの長時間の疲れなど、なかったかのような満面の笑みで俺に言った。
「ようこそ、私の住んでいるオニ村へ!」
それにしても...
「スライムってこんなにグロいの!?」
目の前のモンスターは俺の知っているようなスライムとはまったくもって違っていた。 
まず最初に目に付くのはそのスライムの体だ。
ゲームとかで出てくるような綺麗な球体などではなく、地面に接している面は潰れたようにぐちゃぐちゃと音を立てていて、動くたびにその潰れたような面が波打つさまはまるでナメクジのようである。
そしてその体の色も独特で、緑色ではあるが濁ったような緑色でとてもじゃないが綺麗とは言えない。
そして極めつけは、あの見るものに不気味な印象を与えること間違いなしの大きな眼球だ。
こんな化け物が普通に出てくる所が何とも異世界らしいと言えばその通りだが...
「よりによってグリーンスライムが出てくるなんて..コータ、少しの間時間稼ぎしてくれる?あいつをぶっ飛ばすための魔法の準備をするから」
俺が絶対に相手にしたくないと思った矢先に、ジャンヌにあの化け物の相手をしろと言われた。
「いやいや、あんなの相手に俺が時間稼ぎなんて出来るわけないだろ?てゆーかあんなのお前の風魔法で1発だろ!」 
「スライム相手に風魔法なんかじゃすぐに再生されちゃうわよ」
「え、そうなの?」
あの威力の魔法くらっても再生出来るとかスライム強すぎだろ..
どうやらこの世界のスライムは俺の知っているスライムとは格が違うらしい。
「じゃあどうやって倒すんだよ!再生されるなら無駄じゃねーか」
再生とかあるなら勝てないじゃん!と思うのはまともな考えだろう。 
「再生出来ないくらいに散り散りにする。それか再生出来なくなるまで潰す!」
何この子、怖い。
俺達がこんなやり取りを行っているあいだにも、スライムはじりじりと距離を詰めている。
「もう倒さなくていいから逃げよう?もうすぐ着くんだろ?走って逃げれば...」
「スライムって相当しつこいし、村に入って来たらそれこそ厄介よ。だったら今ここで潰すしかない。」
そうか、ジャンヌはスライムが村までついてくる事を恐れているのか。
だが倒すにしても、俺がおとりなんて出来るわけもないし、やりたくもない。
なんかいい方法は無いものか.. 
「危ない!!!」
俺が解決策を探すため頭を悩ませてると、横から俺の脇腹に抱きつく形でジャンヌが飛び込んでくる。
いきなりだったためろくに体制も保てずに、俺は横に倒れる。
いきなり飛びついて来たジャンヌに文句を言おうとした矢先にある違和感に気づく。
それはさっきまで俺の目の前にいたスライムの姿が見えないのだ。
慌てて周囲を確認すると、後方にスライムの姿が確認出来る。
そこでようやくスライムが俺に飛び掛って来たという事を理解する。
スライムが着地したと思われる地面にはそこだけ草木がなく、よく見るとスライムの体に触れ溶けた事が分かる。
もしジャンヌが俺を押し倒してくれなかったら、今頃溶かされているのは草木では無く、俺の体だっただろう。
何とか死なずに済んだが問題は解決していない。
このスライムを何とかしないことには決して安心出来ないのだ。
「大丈夫?怪我はない?」
「ん?ああ、大丈夫だ。ありがとう」
「お礼はこれが終わってからにしてよね。はぁ、このスライムがどっか別の所に行ってくれでもしない限り戦闘は避けられないわね」
「しょうがない、ここは腹をくくって..」
俺がおとりになるべく覚悟を決めたその時だった。
「ん?スライムをどっかにやればいいのか?」
そこで俺は勝ち筋が1つでは無いことに気づく。
「そうよ。だけどそれは相当難しいわね。もうあのスライムは私達の事を獲物としか見てないから油断も隙もないわよ」
このスライムをどこかにやる、という考えはジャンヌによって即座に否定されてしまう。
だが俺の脳内にはもう既に1つの考えが浮かんでいた。
「ジャンヌ聞いてくれ。俺に1つ考えがある」
その考えは、おそらく今でる限りでの1番良い解決策だった。
「どんな考えか聞かせて貰える?」
「簡単に説明すると、あのスライムを遠くに飛ばす」
「はぁ?そんな事できんの?」
半信半疑といった様子でジャンヌが答える。
「正直まだ絶対とは言えないけど、多分出来る」
「そう。ならあんたを信じるわよ。で?私は何をすればいいの?」
やけにすんなりと受け入れてくれた。
信頼されている..という事でいいのだろうか。
そんなどうでもいい事を考えつつ、ジャンヌに役割を伝える。
「特に何もしなくていいよ」
「ってことはあんた1人でやるってこと?本当にできんの?」
あ、これ信頼されてないわ。
少し心を痛めつつ俺は、スライムの前に立つ。
そして、足元にある石を手に取り...投げる!
「なにやってんの!?」
驚いたようなジャンヌの声がする。
だがそれをガン無視して俺はまた石を手に取りスライムに投げる。
石はスライムに当たってはいるがすぐに体内で溶かされ消えていく。
はたから見たら何の意味もない行為である。
しかし俺は拾って、投げる。を繰り返す。
最初のうちは警戒するようにその場でじっとしていたスライムだったが、徐々にまた俺との距離を詰めてきている。
「ちょ、ちょっと!来てるわよ早くしないとまた攻撃されるわよ!」
焦るような声が聞こえ、そこで俺は石投げを辞める。
既にもう俺とスライムとの距離は相当縮まっていた。
すると、スライムはその場で何やらもぞもぞし始めたと思った次の瞬間、
「来る!」 
ジャンヌの放った声と同時に、俺目掛けてスライムが体当たりをかましてくる。
スライムの体が地面を離れ俺の胴体に突っ込むその瞬間に俺は魔法発動の合図を叫ぶ。
「起動!」 
合図と同時に俺の目の前にはついさっき見たばっかのゲートが展開される。
しかしこのゲートはさっきみたゲートとは中身が違う。
このゲートは、
「ワープホールだ!」 
そう叫ぶやいなやスライムはそのゲートの中に突っ込んで行く。
そしてゲートを閉じるといまさっきまで感じていた緊張感と共に、スライムの姿はなくなっていた。
「良かったぁ」
俺は魔法の成功にホッと一息つく。
さっきのゲートは最初のゲートと違い、イメージしたのは空間と空間を繋ぐ[ワープホール]のような物。
最初にゲートをイメージする時の元になったものだ。
そしてこのゲートが繋がっている所は、最初に俺が目覚め、ジャンヌと出会った場所である。
正直上手く行かなかったらどうしようかとも思ったが、杞憂に終わって良かった。
すると、ずっと後ろで見守っていたジャンヌが俺に駆け寄ってくる。
「あんたすごいわね!スライムを転移させちゃうなんて。中々出来ないわよ」
「そんな事より早く村に行こう。またあんなのが出てきたらやだからさ」
今のでどっと疲れと眠気が襲って来た俺はジャンヌに早く行くように促す。
「それもそうね、じゃあさっさと村に行きましょうか」
そう言うとジャンヌは軽い足取りで、先頭を歩き始めた。
そして歩くこと約5時間、1つの町のようなものが見えて来た。
するとジャンヌはこの長時間の疲れなど、なかったかのような満面の笑みで俺に言った。
「ようこそ、私の住んでいるオニ村へ!」
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