あ、俺プロゲーマーだったっけ?
始まり
「…………………」
【AM 5:00 自宅】
「はぁーあ、朝か…。俺って無駄に早起きなんだよな」
高校は家から近く、軽く走れば10分前に出ても余裕で着く。俺は中学を卒業したばかりで、今日は高校生活2日目なのだ。
「昨日は自己紹介をしたけど、まだ全員の顔はさすがに覚えられないな…」
中学から一緒に進学したやつもいるが、やはり高校は人数が多く少し戸惑った。しかも高校は想像以上に広く、玄関から俺の教室まではかなりの距離だった。試験で1、2度は来たものの、まだ構造を把握してないためか迷うことが多々あった。
「朝飯まで適当にゲームしてるかな。お、新イベ来てる。開始時間は……夕方か」
俺の趣味はゲームでFPSゲー、カードゲーム、音ゲーなどは特に好きだ。いくつかのゲームでは大会で成績を残していて、ランキングには名前も載っている。日本大会はよく出ているが、世界大会まではあと一歩届かない。趣味にとどめておくのは自分でももったいないと思っているが、そこまで天才的に上手いわけではなかった。実はただ少し運が強いというだけなのだ。よく起こるのが絶対負けてしまうだろうという相手なのに体調不良で不戦勝とか。ほとんどが相手のミスや事故で勝ち進んでいた。自分には相手を不幸にする力があるのかと思うくらいだ。
「ははっ、昨日の自己紹介でゲームが趣味のやつ結構いたな。やっぱ趣味の合うやつと過ごしたほうが高校も絶対楽しいかな。…そろそろ朝飯できたころか」
【AM 6:30】
「おはよう」
リビングで俺の朝飯を作っていたのは母親だ。髪留めをしていたがまだパジャマ姿だった。俺より起きるのが遅いくせに、家を出るのは母親のほうが早いのだ。俺の大好物の卵焼きを焼きながら母親は鼻歌を歌っていた。いつも聴いている鼻歌だが今日は何か特別な感じがした。
「仕事の支度はまだしなくていいの?」
「うん、今日は休みだからね」
「そうなんだ。もう父さんは仕事に?」
「とっくに行ったわよ。今日は朝早くからやることがあるみたい。あ、そういえば今日は午後から雨が降るからちゃんと傘持っていきなさいよ」
「ふーん、わかった」
【AM 7:30 自宅玄関】
家を出る時間になった。母親に言われたとおり黒い傘を持った。行ってきますと告げ家を出たとき、そこには同級生の長谷川健人がいた。自転車にまたがる茶髪の長髪は一見不良にも見える。
「おはよー莉音。今日は朝会があるから早く行こうよ」
「うん。今チャリ出してくる」
「莉音、髪ぼっさぼさだけどセットしてないの?」
「ん。まあ、そういうの気にしないからさ」
「莉音らしいね」
玄関のすぐ側にある自分の自転車に乗り健人と学校に向かった。
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コメント
あすくぅ
小説を書くのは初めてです。自分で楽しむために書いていきますが、見てくれる方のためにも面白い小説にしたいと思ってます。よろしくお願いしますm(_ _)m