外章。私は何故か海を漂っていた

11月光志/11月ミツシ

最終話。【それは唐突に終わる】

 いったいどれくらい眠っていたのだろうか?
 気が付いたら月が沈みかけている時間帯だった。そして目が覚めて理由が分かった。
 キュゥゥゥゥ!
 海面すれすれを何かが飛んでいった、っと同時に物凄い突風により波が出来上がりボートが傾く。

「っと、おおおお!」

 なんとかバランスを取り直し、必死にボートを支える。
 そんな中空を見上げた。
 月明かりがまだ照らす中、明らかに異常なスピードかつ、異常な動き…音やかすかに見える機影的に戦闘機のようだった。もしかしたらロケットエンジン搭載型かもしれんが…
 もしかしたら救助のために来たのかもしれない…。そうであってほしいので信号弾を思いっきり空へと打ち上げた。
 ヒューン
 まるで花火が上がったようなごとく妖精のように光り輝く物体が空へと射出された。いや…妖精が本当に光っているかは知らねぇが…
 戦闘機らしき機影は、私の打ち上げた信号弾を確認すると、元来た道?へと戻っていった。
 その時である。

「うっ!」

 目もくらむような明るい光が私やボートを覆った。それも私の周辺のみ…
 あまりにも眩しいので目を手で覆い隠す。だがその隙間から私ははっきりと見た。

「艦影…か」

 波を切り裂きながら、こちらにサーチライトらしき光源を当てながらやってくる艦影。大きさからして駆逐艦ほどだろうか?よく見ればそれは1隻だけではなく、数十隻ほどのそこそこ大きい艦隊よろしく状態であった。
 だがなぁ…一個言わせてくれ!

「すべての艦でここを照らすのやめてくれね?!」

 先ほどからどうも眩しいと思ったら、すべての艦が私のボートへライトを向けていた。おかげさまで通常のサーチよりも明るくてしゃねぇ。
 どうしてもそこだけは許せない私であった。

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