悪役令嬢は趣味に没頭します

ててて

27 たっしーん


「はい、今日はここまで」

「どうも、ありがどうございました。」

ダンスレッスンが終わり先生をお見送りする。

「あぁ、そうだわ。リリアさん、貴方まだ1度もプチパーティーに行ってないそうじゃない。1度くらいは顔を出しておかないと舐められますし、公爵令嬢として外聞が悪うございます。出席したほうがよろしいのではなくて?」

誰からの情報ですか?
いやだー行きたくないー!と心で思いつつ、ニコッと笑う。

「はい、先生」

この場で適当に済ませておけばいいでしょ。行くと言って忘れてたで済ませましょ!

「なので、私が直々に出席と知らせておきましょう。貴方は本当に行くか分かりませんしね。後日連絡を入れます。それでは」

はい?え?先生?まじですか?
先生の後ろ姿を見ながら手を伸ばす。

(先生!それはあかんて!困る!!ねぇー!!!)

口では言ってはいけないから心で叫ぶ。
もちろん先生には届かないが。
そりゃないよぉ!!

せめて、攻略者たちに会いませんように!っと心で3回唱えてお願いする。

これがフラグなんて知らずに




その後昼食を取って部屋に戻った。

「ノア?」

朝に機嫌が悪くなってベットの下に潜ってから1度も見ていないノア。
床に座ってベットの方に手を伸ばす。

「ノア、おいで。もうやる事は終わってしまったからピアノに行くよ。ノアも一緒においで。」

ぽんぽんと膝を叩き待っているとノアがのそっと出てきた。

そのまま人間の姿に変わって抱きついてくる。

「んー、どうしたの?」

まるで大きな子供だ。ぎゅーっと抱きついて離れない。背中に手を回してしばらく待った。

「なんで、」

「ん?」

「なんで、アイツらもぎゅってするの?」

アイツら…あぁ、お兄様とルーね。
なんでって、抱きついてくるし…

「しちゃだめ?」

「だめ」

「どうして?」

「俺のだから」

そのままスリスリと顔を擦りつけてくる。んー、これはあれかな?飼い主とられちゃったみたいな嫉妬?

「…お兄様とルーは家族だから。ぎゅってするのよ。でも、ノアは大好きだからぎゅってするの。それじゃだめ?」

「…………それでもいい。けど、おいでってするのは俺だけにしてっ」

おいで…?あぁ、おいでーって私が求めてハグするのはノアだけってことか。
なるほど、だからルーにおいでってした事で怒ったのね。

「俺…重い?恋人でもないのに鬱陶しい?邪魔?」

しおらしい声が聞こえてくる。

「そんなことないよ。どちらにせよ、そろそろ私もお年頃になるからハグは控えないと。その代わり寂しい時はノアがぎゅってしてくれる?」

「うん!」

またぎゅっとしてくる。可愛いので頭を撫でる。

あぁ、癒しだなぁー

がちゃ

振り向くとルーが立っている。



「……そいつ誰?」



背筋が凍った



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