悪役令嬢は趣味に没頭します
17 嘘
それはいつものことながら突然のことだった。
バァッンっっと勢いよく扉が開かれ、楽譜に夢中だった私はびっくりしすぎて固まる。
それはダンスのレッスンが終わり、お勉強も終わったのでピアノの部屋で楽譜を譜読みしている最中だった。
ドアの方を見るとお父様が立っている。
わなわなと肩を震わせ動かない。
何か怒っているのだろうか…こんなお父様は見たことがなく戸惑ってしまう。
「リア…」
「は、はい!お父様」
思わずソファから立ち上がり背筋を伸ばした。
「…音楽の神ミューサに音楽を習ったというのは本当かい?」
…嘘です。
なんて正直に言えるわけもなく、嘘をつく罪悪感を感じながら首を縦に振る。
「それは…それは…素晴らしいぃ!!
なんでもっと早く言わなかったんだい?言ってくれればよかったのに!まさか天使だと思っていた娘が神の生徒とは!」
お父様は目に涙をうかべ私を抱っこし、クルクルと回る。
私の頭の中は罪悪感でぐるぐるしていた。
「…お、お父様。あのちょっとやめていただけると…あの」
お父様は上機嫌でクルクルと回り続けるが、どうやら私は高いところが苦手なのかとても怖く感じる。
すると、つかつかとお母様が入室してきて思いっきり高いヒールのかかとでお父様の足を踏んだ。
「ぐわぁっ」
お父様がよろけながら私を床に下ろし地面に倒れ足を抑えている。
「娘が怖がっているのに何をしているのかしら?」
お母様は本当に怒っているらしく冷たい視線をお父様に送っていた。
そして私に振り返る。
「リア?神様のお話は本当なの…?」
目を合わせ真実かどうかを問う。
これはキツい…
嘘である。だが、他にこんだけ弾けるという言い訳が思いつかない。前世があるなど言えないし、信じてもらえないだろう。
黙りこくるが誠意は伝えようと目はそらさないようにした。
「そう…わかったわ。」
お母様は明らかな嘘であるとわかったはずだ。だが、ニコッと微笑み頭を撫でてくれた。
「リア、ピアノは好き?」
優しく聞かれる。
「はい、大好きです。音楽の全てが」
これは真実だ。緊張が抜け、顔が綻んだ。
私の答えにお母様は頷き、ふふふっと笑いながらソファに座る。
「私、リアの演奏聞きたいの。聴かせてちょうだい?」
お母様の言葉に頷きピアノの蓋を開ける。
潰れていたお父様はいつの間にかお母様の隣に座っていて2人はアンナの用意した紅茶を飲んでいた。
なにを弾こうかと棚を見る。
(私、5歳のコンクール何弾いたかな…)
もちろん前世のことである。
コンクールは1年に少なくとも2回は出ていたし曲は散々やったし…
あ、これだわ。
その1冊を私は棚から取りだし譜面台に置く。
お父様とお母様の方へ向き淑女の礼をした。
バァッンっっと勢いよく扉が開かれ、楽譜に夢中だった私はびっくりしすぎて固まる。
それはダンスのレッスンが終わり、お勉強も終わったのでピアノの部屋で楽譜を譜読みしている最中だった。
ドアの方を見るとお父様が立っている。
わなわなと肩を震わせ動かない。
何か怒っているのだろうか…こんなお父様は見たことがなく戸惑ってしまう。
「リア…」
「は、はい!お父様」
思わずソファから立ち上がり背筋を伸ばした。
「…音楽の神ミューサに音楽を習ったというのは本当かい?」
…嘘です。
なんて正直に言えるわけもなく、嘘をつく罪悪感を感じながら首を縦に振る。
「それは…それは…素晴らしいぃ!!
なんでもっと早く言わなかったんだい?言ってくれればよかったのに!まさか天使だと思っていた娘が神の生徒とは!」
お父様は目に涙をうかべ私を抱っこし、クルクルと回る。
私の頭の中は罪悪感でぐるぐるしていた。
「…お、お父様。あのちょっとやめていただけると…あの」
お父様は上機嫌でクルクルと回り続けるが、どうやら私は高いところが苦手なのかとても怖く感じる。
すると、つかつかとお母様が入室してきて思いっきり高いヒールのかかとでお父様の足を踏んだ。
「ぐわぁっ」
お父様がよろけながら私を床に下ろし地面に倒れ足を抑えている。
「娘が怖がっているのに何をしているのかしら?」
お母様は本当に怒っているらしく冷たい視線をお父様に送っていた。
そして私に振り返る。
「リア?神様のお話は本当なの…?」
目を合わせ真実かどうかを問う。
これはキツい…
嘘である。だが、他にこんだけ弾けるという言い訳が思いつかない。前世があるなど言えないし、信じてもらえないだろう。
黙りこくるが誠意は伝えようと目はそらさないようにした。
「そう…わかったわ。」
お母様は明らかな嘘であるとわかったはずだ。だが、ニコッと微笑み頭を撫でてくれた。
「リア、ピアノは好き?」
優しく聞かれる。
「はい、大好きです。音楽の全てが」
これは真実だ。緊張が抜け、顔が綻んだ。
私の答えにお母様は頷き、ふふふっと笑いながらソファに座る。
「私、リアの演奏聞きたいの。聴かせてちょうだい?」
お母様の言葉に頷きピアノの蓋を開ける。
潰れていたお父様はいつの間にかお母様の隣に座っていて2人はアンナの用意した紅茶を飲んでいた。
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もちろん前世のことである。
コンクールは1年に少なくとも2回は出ていたし曲は散々やったし…
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