悪役令嬢は趣味に没頭します
16 幸福の時間
それから数日がたった。
ミューサ様に教えて貰い加護を貰ったという話は、使用人たちに知れ渡り、納得する者や混乱する者の二つに分かれた。
まぁ、実際私は年齢以上にレベル高く弾けるので納得しなければならないでしょう。
今日は家庭教師のヒューズ先生が作った自作の実力テストをやる日だった。
今はテスト終わり、私は紅茶を飲みながら休んでいて隣ではせっせとヒューズ先生が答え合わせを行っていた。
「今回も、どの教科も素晴らしいですね。特に算術なんてほとんど暗算で…流石リリア様でごさいます。」
「そんな…ヒューズ先生の授業がとてもわかりやすいからですわっ!どうもありがとうございます」
ヒューズ先生は30代の男性でとても博識な方である。歴史でも文学でも聞けば答えてくれて、わかりやすく教えてくれる。
「それでは、今日はここまでと致しましょう。」
「はい、ご指導ありがとうございました。」
お礼を告げ、ヒューズ先生が屋敷を出たのを確認する。
それと同時に筆記用具などを全て片付け足早にピアノの部屋に行く。
公爵令嬢なので走ることは出来ないが、美しく早歩きすれば問題はないでしょう。
ふと外を見るとルーが剣を振っている。
ルーはとっても頭が良く努力家だった。
お父様になにか習いたい?と聞かれ、私と同じように家庭教師をつけて勉学をしながら剣術も教わっているそう。
ルーがこちらに気が付き目が合う。
ニコッと笑いながら手を振ると、睨みながら手を振ってきた。
(恥ずかしいのね…まったく、可愛いわ)
口が悪いがこういう所はかわいいと思う。本人には絶対に言わないが。
ピアノ室に行くと、アンナが荷物を持ってきてくれる。
それは先日、購入した楽譜だった。
それはもう上機嫌で中を開け、さっそく楽譜を開く。
前の世界と変わらない譜面にワクワクしながらめくる。
(これは基礎練、これも、これも…
これは課題曲用ね……)
次々と割り振っていく。
こうして決めておけば練習はスムーズにできるのだ!
(あ、これ…)
きっとおすすめ本だろう。試しに折り目をつけて1枚目をめくり、譜面台に置く。
弾いてみる。
(ん?…聞いたことあるぞ…)
めちゃくちゃ聞いたことのあるイントロだった。
なんだっけ?これ?なんだっけ?
1枚めくりずーっと弾く。
扉がノックされ、執事のニックが紅茶をテーブルに置いてくれる。
私はまだ楽譜を見ながら弾いていて手を止めることはない。それはアンナもニックもわかっている事だった。
サビに入る。
(あ!思い出したぁぁぁぁ!!!)
これはあれだ。某ネズミの国のプリンセスが歌う曲だった。
思い出したことによるスッキリ感。
あぁ、これかぁ!って感じに思わず笑顔になって1番まで弾けた。
キリのいいところでやめて、テーブルに向かう。楽譜を見ながら少しぬるくなった紅茶を飲む。
私は猫舌なのでぬるい方がいいのだ!
アンナがマドレーヌを出してくれる。
「今の曲、とても美しいですね…」
「えぇ、お姫様の曲だから。」
「え?そうなのですか?」
そうですよ。
この曲、題名は私は〇思議というまじで意味のわからん題名なのだが、プリンセスの歌の曲なんだよ?
「あ、この曲弾きたい。あ、これも。
これもいいなぁー!!」
とてもいい時間だ。ピアノの部屋。美味しい紅茶とマドレーヌ。たくさんの楽譜。
あぁ、私は今、人生の幸福を全て使っているのではないのか…!!
ミューサ様に教えて貰い加護を貰ったという話は、使用人たちに知れ渡り、納得する者や混乱する者の二つに分かれた。
まぁ、実際私は年齢以上にレベル高く弾けるので納得しなければならないでしょう。
今日は家庭教師のヒューズ先生が作った自作の実力テストをやる日だった。
今はテスト終わり、私は紅茶を飲みながら休んでいて隣ではせっせとヒューズ先生が答え合わせを行っていた。
「今回も、どの教科も素晴らしいですね。特に算術なんてほとんど暗算で…流石リリア様でごさいます。」
「そんな…ヒューズ先生の授業がとてもわかりやすいからですわっ!どうもありがとうございます」
ヒューズ先生は30代の男性でとても博識な方である。歴史でも文学でも聞けば答えてくれて、わかりやすく教えてくれる。
「それでは、今日はここまでと致しましょう。」
「はい、ご指導ありがとうございました。」
お礼を告げ、ヒューズ先生が屋敷を出たのを確認する。
それと同時に筆記用具などを全て片付け足早にピアノの部屋に行く。
公爵令嬢なので走ることは出来ないが、美しく早歩きすれば問題はないでしょう。
ふと外を見るとルーが剣を振っている。
ルーはとっても頭が良く努力家だった。
お父様になにか習いたい?と聞かれ、私と同じように家庭教師をつけて勉学をしながら剣術も教わっているそう。
ルーがこちらに気が付き目が合う。
ニコッと笑いながら手を振ると、睨みながら手を振ってきた。
(恥ずかしいのね…まったく、可愛いわ)
口が悪いがこういう所はかわいいと思う。本人には絶対に言わないが。
ピアノ室に行くと、アンナが荷物を持ってきてくれる。
それは先日、購入した楽譜だった。
それはもう上機嫌で中を開け、さっそく楽譜を開く。
前の世界と変わらない譜面にワクワクしながらめくる。
(これは基礎練、これも、これも…
これは課題曲用ね……)
次々と割り振っていく。
こうして決めておけば練習はスムーズにできるのだ!
(あ、これ…)
きっとおすすめ本だろう。試しに折り目をつけて1枚目をめくり、譜面台に置く。
弾いてみる。
(ん?…聞いたことあるぞ…)
めちゃくちゃ聞いたことのあるイントロだった。
なんだっけ?これ?なんだっけ?
1枚めくりずーっと弾く。
扉がノックされ、執事のニックが紅茶をテーブルに置いてくれる。
私はまだ楽譜を見ながら弾いていて手を止めることはない。それはアンナもニックもわかっている事だった。
サビに入る。
(あ!思い出したぁぁぁぁ!!!)
これはあれだ。某ネズミの国のプリンセスが歌う曲だった。
思い出したことによるスッキリ感。
あぁ、これかぁ!って感じに思わず笑顔になって1番まで弾けた。
キリのいいところでやめて、テーブルに向かう。楽譜を見ながら少しぬるくなった紅茶を飲む。
私は猫舌なのでぬるい方がいいのだ!
アンナがマドレーヌを出してくれる。
「今の曲、とても美しいですね…」
「えぇ、お姫様の曲だから。」
「え?そうなのですか?」
そうですよ。
この曲、題名は私は〇思議というまじで意味のわからん題名なのだが、プリンセスの歌の曲なんだよ?
「あ、この曲弾きたい。あ、これも。
これもいいなぁー!!」
とてもいい時間だ。ピアノの部屋。美味しい紅茶とマドレーヌ。たくさんの楽譜。
あぁ、私は今、人生の幸福を全て使っているのではないのか…!!
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