悪役令嬢は趣味に没頭します

ててて

2 お父様の書斎①


「旦那様。リリアお嬢様がお見えでございます。」

「な!なんだとぉぉ!!リアが!!」 

「あらまぁ。めずらしい…。」

「……」

執事のじぃやが私をかばうように立ち報告

はぁはぁ…と興奮するお父様。

びっくりしているお母様。

そんな父を残念そうに見るお兄様。


あーあ。これだから食事以外ではお父様に会いたくないのよ。もー絶対この人が原因でお高くとまった悪役令嬢が完成されたって。
もー娘バカのなんのなんの。
我儘はすぐ聞いちゃうし、甘々に甘やかすし、
娘の言葉は神の言葉か!ってくらい言うこと聞いちゃうし…
地味に顔がいいから余計に残念!

あ、お母様は普通ですよ!お父様の暴走を止めないだけで。えぇ、止めないだけで。
いつも、ふふふって笑ってる美人。
まぁ、美人なお母さんって嬉しいよね。

お兄様は12歳とは思えないくらい妹の私のから見ても顔が整っていてイケメン。
髪はおなじ銀色。でも、目は緑で優しい色をしてるけど寡黙な人で大体無表情。
でも、そんなクールビューティな兄を社交界では他の令嬢が黙ってないとか…


「お父様、お兄様、お仕事中にお邪魔して申し訳ございません。実は、お父様にお願いがございまして…」

はい。ここ!もじもじしながら上目遣いで目をチラッチラッと見る。そして、恥ずかしいのオーラを出す。
 
おっと、お父様にしたのにお父様は固まり、お母様とお兄様は悶えている。

あれ?

意識が戻ったお父様が物凄い勢いで

「リアが私にお願いだって!あのリアが!

食事以外は全く話しかけてこないリアが!
まったくもって我儘を言ってくれないリアが!
プレゼントしたドレスやぬいぐるみなども全部いらないと言って孤児院に寄付してしまったリアが!

なんだい…リア言ってごらん。可能な限り地位と権力と金を使って君のお願いを聞いてあげるよ。」

お父様。重い。愛が重い。

「お父様…後ろのお母様が…その…」

「え?」


お父様の後ろに物凄い不穏な空気の中
「…ふふふ」とどす黒い笑顔でいけないふふふをつぶやくお母様が…


「ごめんなさいね。リアちゃん。ちょっとお父様を借りて行くわね。
ちょっとこちら来てくださる?エルバート」

「ちょ、ちょっと待ってくれ!!何をそんなに怒っているんだい!?フィーリア!」

「ドレスってなんの話かしら?全然聞いたことがないのだけど…」

一瞬で真っ青になるお父様。

よし!ここは放っておこう!開き直る私。

そしたら、ちょいちょいと手のひらを招いて呼ぶお兄様。

とてとて…とお兄様に近づく。

「なぁに?お兄様」

「あの二人…長くなる…リア…俺と一緒……」

ほうほう。きっとお父様とお母様の喧嘩(と呼ばれるお母様がお父様を一方的にリンチ)が長引くから
仕事も手につかないし、お兄様と一緒に大人しくしてようねってことかな?ていうか、久しぶりに声聞いたわ…

「はい!」

「…(こくん)」

私がいいお返事をするとお兄様が抱き抱えてお膝に乗してくれる。そして、クッキーやチョコを食べさせてくれた。

お兄様は私に食べさせるのが気に入ったのか黙々とわたしの口にお菓子を運んでくれる。しかも丁度喉が渇いた時に紅茶を飲ませてくれる。

(あ、やばい。ここにいるとふとる)

5歳ながらにして危機感を覚えたリアであった。







リリアの愛称はリアです。
家族はリアって呼びますね。

お父様→エルバート
お母様→フィーリア  です。お兄様はまた今度!


というか、お父様がお母様にリンチされている間に兄弟仲良くしているところがすごいですよね。
実は、お兄様は口下手なだけでしれっとシスコンです。そんで、マイペースだったりします。


さて、次はしっかりと本題に入りたいですね。
お父様が生きて帰ってくるのを願ってるます(笑)

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