青い記憶

【第3話】濁った記憶

「早く床舐めなさいよ」

私は東京で過ごした中学校生活でいじめにあっていた。
そのトラウマのせいで私は今でも友達付き合いが得意でない。




校門ではしゃぐ高原さんたちの声を聞きながら私は、彼女たちとは正反対の気持ちで帰路についた。

その時ちょうど時計の針は4時を指していた。

その光景が私の気を失う前に見た、
最後の光景だった。



「目、覚めましたか?」
「えっ…?」
私の前にあの美少年が制服姿でこちらを覗き込むようにして見ながら座っていた。

「まさか、ここ」
私の手元には、注いだばかりのコーヒーがひとつ置いてあった。

「本当にここはなんなんですか?」
青は少し考える仕草を見せてから言った。
「もう少しお待ちください。今はお伝えできません」

私はため息をついてから青の制服に目をやった。

「それどこの制服?」
「え、高校のですけど」
「どこの?」
「東京の」
「ここはどこ?」
「東京です」
「この世界は何?」
「秘密です」

「もうわかんないよ~」
私は机に突っ伏した。
制服がよれることも人と自然に話せていることにも不思議と気にならなかった。

「ねぇ」
声をかけようとすると青はそれを塞ぐように言った。

「桃菜さん。僕たちには時間がありません。お立ちください」
「えっ…?」

そういうと青は店を出てスタスタと歩きだした。
「ちょっと、どこ行くの」

歩きながら青がこちらを見る。

「学校です」
「どこの…?」

「あなたの、中学校です」
すっと青が目線を前にやるとその先には校舎が佇んでいた。
振り返ると校門がある。
いつの間に着いたのだ。

「どうしてこんなところに」
そういって下を向くと私の足元にボロボロになった体操服が落ちていた。
私のものだった。

「なにこれ…」

「では、この世界について説明致しましょう」
少し不気味に笑いながら青はこう言った。

「ここは貴女の記憶の中です」
「私の…記憶?」
繰り返すと青はゆっくりと頷いた。

「貴女にはここでやってもらわないといけないことがあります」

青がそういうと泣いてる女の子が校舎の方から走ってきた。

「どうしたの!?」
反射的にそう声をかけた。

しかしその子は何も答えず体操服を掴んで走り去ってしまった。


その少女は、昔の私だった。

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