青い記憶
【1話】ここどこ?
「ここ、どこ?」
気がつくと私は身に覚えのない街に立っていた。
昼間にも関わらずカラフルな光を発して立ち並ぶ高層ビル。
激しい川の上流のような人の流れ。
明らかに自分の住む町とは違う景色。
私はここを知っている。
「東…京…?」
口に出すとすぐに悪い記憶と嫌悪感が私を襲ってきた。
何でこんなところに。
私は中学3年のころに東京から静岡へ引っ越したはずだ。
道を行く人が不審な顔をしてこちらを見ながら通りすぎていく。
うまく現状を呑み込めないで道のど真ん中で立ち往生していた私は、とりあえずといった感じで歩きだした。
しかし、行く宛もないので通り沿いにあったカフェに入ることにした。
「いらっしゃい」
人当たりの良さそうな店主が優しい声をかけてきたので軽く会釈をして窓際の二人がけの席に座った。
「ご注文は?」
先ほどの店主がすぐにメモとペンをもってこちらに来た。
コーヒで、と伝えると
「かしこまりました」
と、カウンターへ戻っていった。
意外にも冷静に人と会話できている自分に驚きながらも何故、自分がこのような状態になっているかに頭をフル回転させていた。
いくら考えても心当たりは……なかった。
「お待たせしました」
運ばれてきたコーヒーに口をつける。
熱い。
「夢じゃ…ない…?」
少しヒリっとする唇に手を当てながら。感覚があることに驚いていた。
「夢じゃないよ」
ビクッとして顔を上げた。
そこには、いつからいたのだろうか。
同い年くらいの恐ろしく顔の整った少年が立っていた。
「誰…?」
考えるよりも先に口に出た。
「三枝桃菜さんですよね?」
「そう…ですけど」
「僕は、ガイドの『青』と申します。よろしくお願いします」
そういうと少年は整った顔でニコリと笑ってからお辞儀をした。
「ガイドって…」
青は少しニヤリとしてから言った。
「この世界をガイドする貴女のパートナーです」
「この世界って。ここはどこなんですか!?」
「詳しくお伝えしたいのですが…もうお時間がございません」
「どういうこと…?」
「ここは貴女の1部であり、貴女が失くした場所でもあります。」
「え…?」
「また、お会いしましょう」
視界がホワイトアウトしていく中、はっきりとした口調で彼は私にそう言ったのだ。
気がつくと私は身に覚えのない街に立っていた。
昼間にも関わらずカラフルな光を発して立ち並ぶ高層ビル。
激しい川の上流のような人の流れ。
明らかに自分の住む町とは違う景色。
私はここを知っている。
「東…京…?」
口に出すとすぐに悪い記憶と嫌悪感が私を襲ってきた。
何でこんなところに。
私は中学3年のころに東京から静岡へ引っ越したはずだ。
道を行く人が不審な顔をしてこちらを見ながら通りすぎていく。
うまく現状を呑み込めないで道のど真ん中で立ち往生していた私は、とりあえずといった感じで歩きだした。
しかし、行く宛もないので通り沿いにあったカフェに入ることにした。
「いらっしゃい」
人当たりの良さそうな店主が優しい声をかけてきたので軽く会釈をして窓際の二人がけの席に座った。
「ご注文は?」
先ほどの店主がすぐにメモとペンをもってこちらに来た。
コーヒで、と伝えると
「かしこまりました」
と、カウンターへ戻っていった。
意外にも冷静に人と会話できている自分に驚きながらも何故、自分がこのような状態になっているかに頭をフル回転させていた。
いくら考えても心当たりは……なかった。
「お待たせしました」
運ばれてきたコーヒーに口をつける。
熱い。
「夢じゃ…ない…?」
少しヒリっとする唇に手を当てながら。感覚があることに驚いていた。
「夢じゃないよ」
ビクッとして顔を上げた。
そこには、いつからいたのだろうか。
同い年くらいの恐ろしく顔の整った少年が立っていた。
「誰…?」
考えるよりも先に口に出た。
「三枝桃菜さんですよね?」
「そう…ですけど」
「僕は、ガイドの『青』と申します。よろしくお願いします」
そういうと少年は整った顔でニコリと笑ってからお辞儀をした。
「ガイドって…」
青は少しニヤリとしてから言った。
「この世界をガイドする貴女のパートナーです」
「この世界って。ここはどこなんですか!?」
「詳しくお伝えしたいのですが…もうお時間がございません」
「どういうこと…?」
「ここは貴女の1部であり、貴女が失くした場所でもあります。」
「え…?」
「また、お会いしましょう」
視界がホワイトアウトしていく中、はっきりとした口調で彼は私にそう言ったのだ。
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