(自称)小説家が異世界召喚されて勇者として無双するかと思いきや商売とバイトでしか無双出来ていません!

平涼

三人のパーティメンバー

 俺の目の前にいたのは三人の女性だった。

 俺が喋られないことに三人の金髪の女性が少し怒ったように、

 「あんたがパーティーを募集してる人なの?違うの?」

 「......あぁ。俺がパーティーを募集してる人だ。後一応軽く面接はするけどいいか?」

    美少女だし合格間違いないんですけどね。面接はやはり必要だと思う。話してみて、反りが合わなかったら流石に嫌だし。

 「ならパーティーに入れて欲しいわ。面接するなら適当にやって」

 そういい、一人ずつすることにした。

 初めは黒髪の少しロングめの女の子だった。

 「じゃあ軽くだけど面接するから座っていいぞ?」

 俺がそう言うと、黒髪の女の子は頷いて隣の椅子に座る。

 それから面接が始まった。

 「えーと。一応カード見してもらってもいいか?どんな能力があるか見て戦略とか考えたいし」

 そう言うと、女の子は少し戸惑いながらも渡してくれた。

 ......なんかそんな感じで渡されると俺が悪い事をしてるみたいなんですけど。

 俺は改めてこの子のステータスを見た。それはこんな感じだった。

 Lv.5 名前 アイナ 胸 A(ミツヤ目線)
 年齢 14
 力 110 C
 敏捷 120 C
 器用 300 C
 知力 230 C
 耐久 140 C
 運 1000 B
 魔力 500 C
 能力
 『雷魔法』『火魔法B』『風魔法B』

 ちなみに、魔法や剣術はS~Cランクがあるらしい。

 魔法では威力を表している。Cが最弱でSが最高だ。その中間であるBは良いと言えるだろう。

 ただそれよりもとんでもないものを見てしまった気がする。

 「君.....アイナって雷魔法使えるのか?」

 女の子はちょっと俯いて、

 「......今はまだ魔力が足りなくて使えません」

 ちょっと涙目で言ってきた。

 ......だから、俺が何か悪い事言ったみたいじゃないか!

 まあ、この子が涙目になるのはこの雷魔法のせいだろう。もしかしたら、他のパーティーでもそれを聞かれて落ち込まれていたのかもしれない。それなら何か悪い事言ったな。

 まあ。これはしょうがないよな。気になるし。

 「合格だ。なら次の人を呼んで来てくれるか?」

 俺の答えに女の子アイナは驚いていた。

 「私の事除け者にしないんですか?」

 ......俺どんな奴だと思われてるのだろうか。

 クズ野郎とでも思われてたのだろうか。

 俺のそんな表情を見て、慌ててアイナは言った。

 「違うんです!私他のパーティーでも雷魔法使えないって言うと皆幻滅して、それに私あんまり話すのも得意じゃないからどこも入らしてもらえなかったから」

 なんか慌ててるとこの子めっちゃ可愛い気がする。

 「俺は別に気にしないぞ。俺なんて魔法も何も使えないからな。それに今雷魔法は使えないかもしれないけどこれから使えるだろ。だから、これからよろしくな、アイナ」

 そうだ。簡単に手放すわけにはいかない。アルバイトの時期でもそうだった。俺は最初無能だったけど面接の人が殆どの人は最初は無能な人が多いけど、これからの頑張り次第だよっと言っていた。

 あの言葉はほんとに忘れられない。あれと今回の事は似ている。

 「はい!」

 アイナは笑顔で言い次の人を連れてきた。

 それは先程も俺に初め話しかけた金髪の女の子でツインテールだ。まさにツンデレが似合う人だ。

 だがこの子は喋り方がちょっと乱暴そうな子だった気がする。

 怒らせないようにしよう。

 「それじゃあ面接を初めるからカード見してもらってもいいか?」

 俺がそう言うと普通に見してくれた。

 Lv.6 名前 シャル 胸 D(ミツヤ目線)
 年齢 15
 力 5800 A
 敏捷 4600 B
 器用 110 C
 知力 100 C
 運 120 C
 魔力 100 C
 能力 
 『剣術S』『格闘術B』『気配察知B」『身体強化』

 こんな感じだった。

 ステータス高すぎだろ。剣術Sとか凄すぎる。

 ていうかこいつ力強すぎだろ。

 前世はゴリラかよ。と思いシャルを見ると何故かシャルが立ち上がった。

 シャルは立ち上がると俺に近づき、ぶん殴った。

 俺は何が起きてるか分からず、床にぶっ飛ばされた。

 俺は何でこんな事をしたのか分からずシャルの方を見た。

 「分かるでしょ?」

 ......分かんないです。

 それからシャルは立ち去ろうとしたので、

 「面接は合格です。最後の人を呼んでください」

 俺は力を振り絞り言った。

 それから、最後の人が現れた。

 その人は、ピンクの色の髪で、髪を頭の上で纏めている人だった。

 ピンク色の人に笑われながら、

 「もしかしてシャルにやられたの?その頬」

 「ああ。何故か知らんがぶん殴られた」

 ピンクの髪の人は大爆笑しながら、

 「どうせあなたが、失礼なことでも言ったんじゃないの?あの子気配察知があるから多分あなたが失礼な事を言ったら気配で分かるわよ」

 ......俺は心当たりがあった。後で土下座しないといけない。

 「そういうことだったのか。後で謝るよ。それより面接をしよう。カード見せてもらっていいか?」

 ピンク色の人は俺にカードを渡した。

 Lv.6 名前 リザ 胸 C(ミツヤ目線)

 年齢 17
 力 120 C
 敏捷 160 C
 器用 500 C
 知力 100 C
 運 10 C
 魔力 5000 B
能力 
『回復魔法A』 『聖者』 『不運』

 こんな感じだった。俺の不幸と不運は違うのだろうか。

 「お前って回復使いだったのか」

 リザという女の子は誇らしげに

 「そうなのよ。回復魔法使いは中々いないから良いと思うわ」

 そう言った。確かに俺の今までの知識でも異世界では回復使いは少ないというのが当たり前だった。

 この世界でも少ないのだろう。

 この聖者というのが気になるが、まあいいだろう。

 「合格だ。これからよろしくなリザ」

 「ええ。よろしく頼むわ」

 俺らはそう言い握手し、待たせている二人の所に向かった。

 俺は早速シャルに対し、土下座を行った。

 シャルはもういいわ。と言って許してくれた。

 それから皆に俺のカードを見せた。

 これに皆は驚き半分、悲しい半分のような眼を向けてきた。

 俺は皆と目を合わせることが出来なかった。

 「......とにかくだ。俺は知力が高いから、作戦とかは任せてくれ」

 その言葉に皆は元の顔に戻り、

 「そうね。作戦とかを考える人を欲しかったから丁度いいわ。それにレベルが上がれば戦えると思うし」

 シャルがそう言ってくれた。

 「改めてこれからよろしくな」

 俺は皆に挨拶した。

 これから魔法使い(今は殆ど何も出来ない)で人見知りの女の子、ステータスは凄いがすぐに手がでる暴力女、今の所普通の回復使い、そして知力だけが凄い勇者の物語が始まる。

 ......悪い予感しかしない。

 その予想が当たってしまう。

 次の日、普通だと思っていたリザがやらかしてしまう。

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