異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します

りゅうや

制圧、そして手練れ

 
 結論からいうと、そこまで苦労はなかった。
 事前に教えてもらっていたのもあるが、それを抜きにしても相手が大したことがなかったのが一番の要因だろう。
 しかし予想はしていたが、戦えそうな相手として挙げられた人数よりも戦うことが出来た人数が多かったことだ。
 四人と聞いていたが、ただ武器を振り回すのではなく、それなりに形になっている動きで立ち回ってくる人が三人。拳術で二人。
 さらに能力らしきものを使って戦ったのが、その五人以外で一人。まあ、閃光を起こして目眩しを起こすという能力だった。
 彼の能力は、攻め方によっては強い。仲間が知っていればそれを見ずに、相手だけ見せ攻める。
 実際彼らはそう攻めてきた。
 しかし相手の相性が悪かった。俺は、閃光を直視し目を使えなくされたが、それくらいで見ることが出来ないなんてことはない。
『千里眼』は目で見ているのではない。魔力を使って見ているのだ。
 じゃあ、なんで目に魔力を流すと『千里眼』が発動するのかって?そんなこと俺にも分からん。
 前に二度寝をしようとした時に手紙が来たと言われ、起きるのが面ど.....辛かったので、実験も兼ねてまぶたを閉じたまま『千里眼』を使った。
 出来ないと思っていたが、存外出来た。
 その時は驚きはあったが、眠気のせいでそっちはあんまり憶えていない。
 まあ、天眼のように目から離れた所からでも観れるのだから直接目で見ている訳ではないと思ってはいた。
 なので出来るのでは、と思っていたので試したのだ。
 決して起きるのが面倒だったからではない。
 そういう訳で、目を瞑っていても普通に対処出来た。
 あとは、戦えた中に飛び抜けて強いやつがいた。
 薄い緑色の髪に黒に近い茶色の瞳、左の目の下には二センチくらいの傷痕。それが涙の様にも見えた。
 戦闘技術が高く、槍の動きも素人などではなかった。
 それに武器も使い古されていた。所々に傷があり、持ち手の所も少しだけ汚れが目立っていた。
 あれは普段から修練しているのだろう。
 そんな彼との戦闘が一番手こずったが、その前に倒した者たちから魔力をもらっておいたので魔道具のロングソードを持っていた男ほどの苦戦はなかった。
 さて、村の人たちが誰だかなんて知らないので、とりあえずあの恰好の連中は全員捕らえた。
 百は有に超えるほど中にいた。むしろ戦闘よりもそちらの方が疲れたくらいだ。

「手間取ったな。さっさと村の人たちの方へ行かないと」

 あれからどれくらい時間が経ったのか、室内にいたため分からないがもう陽が上っている。
 いつの間に....
 そう思いながらあの地下の檻へと向かう。
 そういえばユキナから能力で何も来ないってことは、何もなかったってことで大丈夫なんだろうか?

「....先に様子だけ見に行くか」

 なんだか嫌な予感がしたので、足を止めてゲートを開く。



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