異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します

りゅうや

遊戯、そして開始

 
 その女の言葉に困惑と警戒を強めながらキリが訊き返す。

「遊戯って、なんの事?」

 冷静な様子を振る舞って訊いたつもりだが、その態度を見てか女は嘲笑の笑みを浮かべた。

「そんなに警戒しなくて良いのよ。今から行われるのは、ただの遊戯なんだから」

 そう女が柔らかな笑みを浮かべながら、諭すように言うと初老が立ち上がり、その遊戯の内容について説明し始めた。
 しかしその内容はあまりにも酷かった。
 簡潔に説明するならば、今から男たちが三人を犯しに来るから頑張ってそれを回避しろというものだ。
 ちなみに武器ありである。
 抵抗するこちら側も武器や固有能力の使用を許すらしいが、基本的にルールはそれくらいしかない。
 それと戦い方なども自由なため薬などの使用も可能だと前もって言われた。つまり使ってくる気、満々なのだろう。
 それにしてもこれは遊戯と呼べる内容なのだろうか?
 いくら武器や固有能力ありとはいえ、明らかにこちらが不利になる内容。
 彼女らの実力ならこの不利な状況でも戦えはする。そう、戦えはするのだ。
 しかしこの遊戯を避けることやここから逃げ出すことは出来ない。
 それは彼女らが連れて来られた時同様、人質の存在である。
 故に彼女らは東が来るまで耐えるか、ここにいる全員を捕縛する必要がある。
 ただこの場合東が来ても人質の存在を察してもらい、探し出してもらい救出してもらわなくてはならないので、今の場合は後者の方が良い。
 そうと決まればサナは戦闘体勢を構える。

「キリ、ニーナ、周りの男たちをお願い。私はあの初老と女の方へ行くわ」
「分かったわ」
「うん。お姉ちゃん、気をつけてね」
「ええ」

 二人も武器を取り出したり、戦闘体勢を構えてサナの提案に賛同する。
 女は未だに睥睨しているし初老も構えていない。
 それでもこの中で情報を知っているのはこの二人のはずだ。だから最初に狙う。
 出来れば傷つけず捕らえることを目安に、サナたちは地を蹴った。



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