異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します
帰宅まで、そしてお礼?
しばらくの間続いた話が終わりのようで俺が家に招いた話になった。
少女らの話を最初から最後まで聞いているのを観ると暴力の可能性が薄くなってくるが、まだしばらくは分からないな。
そういえば殴られて怪我をしたと聞いたけど動いて大丈夫なのだろうか?最初の頃は動けないくらい酷い怪我を負ったそうだが....
「それでね!綺麗なお姉さんたちがいっぱいいたんだよ!メイドさんたちとか執事さんもいたし、お家もお風呂も大きいし、部屋もいっぱいあったんだ!」
「.....えっと、もしかして貴族様か何かの御子息...でしょうか?」
「?いや、別に。ただの高こ...ただの普通の家の子ども」
「そうですか....」
母親は少し強張った表情から安堵のような表情を浮かべた。
なんか前にも似たようなことがあったような気がする。
「それでね!綺麗なお姉さんの中にお姉ちゃんくらいの人もいたんだ!それで綺麗なお姉さんにお風呂に入れてもらって、身体洗ってもらったんだよ!お風呂も水じゃなくて温かったし、かけるんじゃなくて浸からしてくれたんだよ!」
「へーソウナノ....」
少年が無邪気な笑顔で母親に今朝のことを話たが母親は俺に冷たい視線を向けてきた。
違う、俺にそんな趣味はない!セシリアさんは優秀なメイドだから雇っているだけなんだ!だからその目は止めてくれ!
そういえばうちってメイドに対して執事はポールさんだけだな。もう少し雇った方がポールさん的にもありがたかったするのだろうか?
そんな疑問がふと湧(わ)いた。
その後は特に慌てるようなことは言われなかった。ゲートのことも家に着く前に念入りに口止めをしておいたので言われることはなかった。
よかった....そう心の中で安堵する。
母親の方も嬉々とした表情をしているのでやはり彼らを嫌っているようには見えない。
なら今は安心出来そうだし離れよう。さっきも言ったが俺がいるからという可能性もあるので退散して離れて様子を観よう。
『千里眼』もレベルが上がったので精度が上がり、今は一キロちょっとを見通すことが出来る。
最初は一キロも見えてもしょうがないと思っていたけど、今となってはありがたい限りだ。
「じゃあ俺はこの辺で」
「宜しければ夕食でもいかがですか?あまり大した物は出せませんが....」
「すいませんが用事があるので悪けど遠慮させてもらう」
「そうですか、ではまたの機会があればその時は」
「はい、その時は。それとこれをどうぞ」
そう言って俺は宝物庫から治癒核の欠片を取り出し、彼女にそれを渡す。
手のひらに置かれた治癒核の欠片を見て、母親は驚愕の表情になった。
「こんな高価な物を頂く訳にはっ・・・」
「魔獣を倒して拾った物なんで、気にしないで」
「そうですが、これは治癒核という物で治癒核ですと金貨数枚の価値があります。ですので、こちらを頂く訳にはいきません!」
うーん、それが高価だということは知っているのだが正直すんなり受け取って欲しかった。
彼女の表情を見る限り生半可な理由では受け取りそうにない。ならどうするか・・・・
「えっと、実はこの子たちを助けた時に運よくその核を持つ魔獣が近くにいて、結構もうけることが出来たんでそのお礼だと思ってもらってくれ」
嘘である。
これで納得してくれると助かるのだけど、出来るとは思っていない。
そう思いながら母親の様子を窺う。
「・・・・そうでしたか、分かりました。では有難く頂戴しますわ」
しかし予想外なことに母親は納得してくれた。
表情は何か悟ったような笑顔を浮かべている。
よく分からないけど、まあ納得して受け取ってもらえたのならそれに越したことはない。
とりあえずこれで怪我はなんとかなるだろう。
「では、また」
俺はそう言い残してその場を去った。
しかし彼らから俺の姿見えないくらいの所まで行くと近くの宿を探す。
宿はどんな物でも良いという条件で探し、そこに一週間くらいの代金を渡して彼女らの観察生活が始まった。
覗き魔じゃないよ?
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